Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

エレファント・ソング感想

2015-06-17 22:15:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


この映画は、実はお友達に親切にも試写会に誘っていただき、公開前に見られる幸運に預かったにもかかわらず今まで感想を書けませんでした。でもまだまだ全国上映中、今日は映画館で2度目を見て来たのでやっと書けますよ~

注意*小ネタバレあり

書けなかった理由はふたつあります。

①冒頭でウトウトしてしまった。申し訳ないけれど私は本当によく映画の最初に寝ます。たぶん、ストーリーのイントロ部分はまだ物語に心が入ってなくて台詞が脳にまで届かない。逃した部分は5分くらいかと思うのですが。

②この映画がすっごく怖かったんです!寝てわからない部分があったせいで恐怖が何倍にもなってしまったのかも。見た日の夜、ドランのマイケルが頭から離れなくて眠れなくなってしまいました。こんな体験は初めてでした。

何が怖かったかって、
像のシーン。
独房のような精神病等の病室。
その壁のペンキが濡れたような質感。
マイケルのキャラクター。

ブルース・グリーンウッドのグリーン院長の台詞に、医者として不本意な結果を招いた理由は「僕は医者に向かないことを患者に気づかれた」と言うのがあります。観客はグリーン院長の視点でこの映画を見るので、多少なりとも皆そう思うようにできてはいるのですが、私も話相手の土俵に引きずり込まれて話がわけわからなくなる体験があるので、その傾向が強いのです。

しかし、本日2度目にラストを知った上で臨み、前回逃したイントロもしっかり見て、映画全体の構成がよ~くわかりました。その結果、怖さもずいぶん減って細部まで見えてよかったです。

公式HPの「監督の言葉」に次の文章があります。

「愛情を知らずに育った孤独な彼が、皮肉にも、愛を育む土台をも作ることになる。僕は思う。これこそが、この映画に秘められた美である(略)」

看護士長でグリーン院長の元奥さんのスーザン。初見では地味な人に見えたのに、今日見たらとても美しい女性でした。元々美人なのでしょうが、内面の輝きが見える人に女優さんが演じていたと思います。心も暖かいけれど、同時にプロフェッショナルな看護士として適切な仕事をこなすので、マイケルがあの日に彼女を遠ざけた理由もよくわかりました。

ココがわからないと、グリーン院長の感情につていけなくて、監督の言葉にもピンと来ないです。
初見ではなぜわからなかったのだろう。私が見落とした5分間にその鍵でもあったのか。


像のシーン

ここは、直感では、マイケルは撃たれて倒れた像に自分を重ねてると思いました。実の父に殺されたのは自分だとマイケルは思っていたのじゃないかと。

今日改めて見ると、母がマイケルを妊娠したのはアフリカ旅行中で、7歳で会いに行った時もアフリカだから、父という人は象牙を捕ることを職業にしていたと思われる。だけどもしかしてハンティングの趣味が高じて象牙を売ることにしただけなの?というのは、もし父が楽しみで像を殺していたとすると、恋のアバンチュールで母と楽しんだ結果の子供がマイケルだから、やはり父にとっては同じ楽しみの対象=像、結果=マイケル、ということでマイケルは像と同じことになる。


グリーン院長の姪エイミー

もしかしたら、あの子はダウン症の子供だったのでしょうか?顔の表情とハッピーな言動でおや?と思いましたが、思い過ごしかもしれません。マイケルといい友達になれそうだったのに・・・
でもなぜクリスマスにグリーン院長が姪っ子を預かっているのかがわからなかったです。最初娘かと思ったくらい懐いてました。院長も自分の亡くした娘を重ねているように可愛がってました。


2度目に見てもやはりマイケルは怖かったです。グザヴィエ・ドランの演技がすごいのであろうなあ。憎らしいのに、親の愛を知らない可哀想な子ということで憎んではいけないという大人の心境も見透かしているのでしょう。

若い時のベン・ウィショーが演じてくれていたらどうなっていたかなあ。



ところでカナダの冬というのは厳しそうですね。街が雪に埋もれてきれい(いや、街なんてあったのかしら?)。病院の建物がアールデコで素敵でした。

#cumberbaby

2015-06-14 12:31:00 | ベネディクト・カンバーバッチ


勲章のおいわいとダブルで祝いたいと思ってたベビちゃん、やっぱり産まれたと英国各メディアが伝えています。BBC、TIME、Vanity Fairは出しましたけど、他のThe Timesなど有力紙が出さないのは独自の取材をしていないプライドなのでしょうか?

当初、本人達から言葉があるまで祝いの言葉は書かない方がいいかな〜と思っていたのですが、アナウンスの一部に「プライヴァシーを尊重して欲しい」ともありましたので、コレクティブは自主的に祝うことになりましたね。




これは紙のカードを写真に撮りました。
気に入って買ったのですけど、使う機会がなく保存していたのです。
このためだったのか?!(違う)

誕生日はいつだったのだろう?
名前は決まったの?

プライヴァシーを尊重するのにまったく異存はありませんが、本当のロイヤルベビー、シャーロットちゃんは国民にすぐに報告されたことを考えると、ロイヤルファミリーの公務とは重労働だな、と改めて思ったりしました。



祝大英帝国勲章

2015-06-13 23:08:00 | ベネディクト・カンバーバッチ
写真はコチラより

The Queen’s Birthday Honours 2015

おめでとうございます

本日、女王お誕生日記念式典(The Queen's Official Birthday)です。本当の誕生日は4月21日ですが気候の良い夏に行う習慣だそうです。その記念勲章受章者リストが内閣により発表されました。


CBE:Commanders(司令官) of the Order of the British Empire(大英帝国騎士団)

マイケル・ボンド(「パディントン」の原作者として児童文学に貢献)
ベネディクト・カンバーバッチ(俳優とチャリティ活動)
チュイテル・イジョフォー(俳優)

OBE:Officers(将校) of the Order of the British Empire(大英帝国騎士団)

エディ・レッドメイン(俳優)
スティーヴン・モファット(ライターとしてTVシリーズに貢献)


と、私達英国演劇ファンがよく知る方々が選ばれて嬉しい限りですね。
なんとなく、アカデミー賞などアメリカの権威を受賞&ノミネートが功を奏しているような。
とにかく大英帝国に貢献した人達が讃えられているのです。

ほかの受賞者は、企業や組織の重役の人が多いようです。あとは文化人やスポーツ選手など。ジョージ5世が訳100年前に、それまで貴族、政治家、軍人などに限っていた勲章を一般の人の功績を讃えるために設立したのがこのOrder of the British Empire、とウィキには書いてありました。

大英帝国、だったんですね、今も。



ブリジット・ジョーンズの日記

2015-06-12 19:54:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


ふとhuluで見た「ブリジット・ジョーンズの日記」は2001年の映画でした。その年の夏に、7ヶ月の妊婦として東京からロンドンに引越しまして、どうやら私が日本にいた時にイギリスでは公開、私がイギリスに着いたら日本で始まったようでした。

というのは見なかった言い訳なのですが、なぜかロマコメは「フォー・ウェディング」を見て以来「ノッティングヒルの恋人」もスルーしています。

しかし実際、その頃のロンドンで覚えがあるのは「ロード・オブ・ザ・リング」に「ハリー・ポッター」くらいのもので、要するに子供を預ける親戚もいない異国で育児中だったので、私の映画暗黒時代に突入していたのですね。それなら家でTVドラマでも見ればよかったものの、私は日本でもドラマを見ない人だったので、BBCの子供番組くらいしか見なかったのです。私のバカっ!

それから14年も経って、おデブのブリジットには笑いっぱなし、コリン・ファースとヒュー・グラントも若くてツヤツヤでした。コリンは英国王とかスパイになる前の普通人(だけどケンブリッジ卒の法廷弁護士だからエリートですよ)、ヒューは、娼婦事件で逮捕の後だったから「顔はいいけど頭と尻の軽い男」というイメージがついた頃のキャスティングだったんですね。うーむ。ハリポタのロックハート先生は受けずとも、こっちの方が大きい役ですし、確かに顔はやっぱりかっこよかったです。

最初から最後までおかしかったけど、SFとかファンタジーとか時代劇ではないので、けっこうリアリティに突っ込みながら見てしまいました。

まずブリジットのサイズと生活習慣。14年も経つと、煙草とアルコールに違和感を覚えないだろうか?当時でもイギリスのビル内はすでに禁煙だったけれど、確かに外で吸ってる人はまあいた。でも今の32歳だったら、もっと健康的な生活を普通にしてるような気がするんですが。オーバーサイズの人はまだまだいるけど。

そうだ14年の間に、ミンスパイは輸入やさんで売られるようになって認知されてきてませんか?それは英国ドラマファンだけのことなのかしら。ミンスパイの字幕がミートパイになってて、クリスマス感が吹っ飛んでました。

で、彼女のフラットは今も人気のバラ・マーケットあたり。数年前から住んでいたのならそんなに家賃も高くなかったかも。でも彼女の実家は、庶民でも大きくていいお家だったような。パーティーがよく開かれていた庭などけっこうな広さでしたよね。

私も夫の仕事関係のイギリス人に呼ばれてお宅ランチや結婚パーティーにお呼ばれした時の雰囲気が、ブリジットの実家やパーティーのそれに近かったです。たぶん庶民なんだけど、どちらかと言うと上の方です。

ブリジットのフラットの方は・・・ものが溢れていて全然庶民でしたけれど。

それでもやはりヒューとコリンのダニエルとマークはケンブリッジですから、ポッシュな方の庶民ですよね。ブリジットのピタミニスカートや
シースルートップを見る限り彼女の方は学歴高くなさそうなので、やっぱりあれは夢物語なのでしょうね。

でもブリジットの会話(スピーチ)のセンスは大好きです。すっとぼけてるわりにちゃんとオチが気が利いてて。

ところでたいしたことじゃないけど、マークの元妻が、ママからさかんに「日本人なのよ!」って言われてました。それで劇中ではダニエルにとられちゃったのに、映画では回想シーンの一瞬しか出てませんでした。その日本人女性はその後どうなったのか知りたいです(笑)。

まだ2を見てないのですが、なんだかんだ言って弁護士エリートのマークとブリジットがうまく行くのか、見届けなきゃいけませんかね?!


77 Beds

2015-06-10 23:23:00 | ベン・ウィショー
<iframe id="distrify-player-4400" class="distrify-player" width="640" height="392" src="//widgets.distrify.com/widget.html#4400-349572" frameborder="0" scrolling="no" webkitAllowFullScreen mozallowfullscreen allowFullScreen></iframe>

ベン・ウィショーさんの2003年の短編映画。
眠れないので、羊ではなく今までに寝たベッドを数えるというお話でした。

レンタルはペイパルまたはクレジットカードで£0.99です。
上のスクリーンの「レンタル」という矢印をクリックすると
日本語のでの「よくある質問」が出て来ますので、
それを読むと仕組みがわかりますが、簡単でした。

でもトレイラーだけでもおもしろいです。
ウィショーさんの独白が延々と続くのもかわいいです。
だいたいこんなこと言ってます。↓

眠りたかったのに、眠れなかった。
それで、羊じゃなくてベッドを全部数えようとした。
今まで寝たことがあるのは
家を出て以来77のベッドがあった。
今年はベッド77台の年だ。

このベッドは友達のブレッドナイフと変な女の子から買ったやつだ。
ーイシュマール、これは掘り出し物だよ
ー僕にはよくわかんない
ー英国製だ なんで売るのかきけばよかった
ーあの子暗かったよ
ーなんでこのベッド売るんだ?寝るとこなくなるじゃないか
ーそれもそうだ
ーベッドなくしたかった
ー誰かここで死んだんじゃないか?
ーあの子狂ってるんじゃないか?
 これからどこで寝る?
ー俺ら人殺しのベッドで寝るのか?
ーあの子ここで人を殺したのかも
ーここで人を殺してここで男とヤッたのかも
ー暗いのも無理ないな
ー俺ら人殺して男とヤッてたベッドで寝るんか
ーこれではよく眠れない
ー彼女も眠れない

(ドアをノック)トントン

ーなんでベッド売るの?

ー変えたいから


*ウィショーさんの役、インド系の人なのかな?




昔、外国に住んでみたいなあと憧れていたころ、
こういうぐちゃぐちゃのベッドルームも憧れでした。
でもこの作品の中でウィショーさんも言ってたけど
bedbug(南京虫)がいるので、ベッドの使い回しには危険が伴います。