Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

舞台 夜中に犬に起こった奇妙な事件

2015-09-18 11:22:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


この物語の存在を知ったのは3年程前、舞台の記事を読んだのでした。まずはすぐに手に取れる原作本を読んでみました。原作は英語の図書館ではヤングアダルト小説に分類されているのですが、日本語版は児童書のようです。

<ストーリー>
主人公クリストファーは15歳。動物とは上手くつき合えるが人間の感情は理解できない。人に触れられるのは我慢できないが、彼はすばらしく論理的な頭脳に恵まれた自閉症の少年です。彼の母親は病気で亡くなっていて、今は父親との2人暮らし、学校では数学が得意で難しいAレベル試験を受けることになっています。
ある日、近所の家の前でその家の飼い犬が死んでいるのをクリストファーは発見します。警察は犯人を捕まえてくれません。彼が好きな犬でしたから、自分で犯人を調べ、彼の好きなシャーロック・ホームズのような、でも本当の現実の犯人探しの本を書くことにしました。事件の捜査によって判明したことは、犯人だけではなく、さらに深い事実が・・・・


<感想>

と、このように、私が興味をそそられる仕掛けが、これでもか!と散りばめられていました。イギリスの話ですので、少年の興味のある単語もシャーロックだけでなく、ドクター・フーのダーレクだとか、スター・ウォーズだとか出て来ます。舞台は、クリストファーの住むロンドンから電車で1時間ほどのスィンドンとロンドン。

それにも増してこの本にしかない魅力は、自閉症の少年の一人称の物語ですので、自閉症(と言っても高機能)の人に、世界がどう見え、彼がどういうふうに物事に対処し、どのように感じるかが書いてあることです。自閉症の人は、その他の人に比べて劣っているのではなく、思考回路や表現方法が違うのだとは私も知識として知っていますが、それではどう違うのか?

自閉症の人は、決まった習慣、場所、人に安心感を覚え、そこから出ることを好みません。そんな彼がある重大な発見をきっかけに、誰にも内緒でロンドンへ電車で一人旅をします。自分の町の自宅と学校しか知らないクリストファーが。ここで面白いのは、大都会ロンドンへ1人で初めて行って目的地を探すのは彼にとって大冒険ですが、私達日本人が初めてロンドンに行くのとちょっと近いものを私は感じました。町を見渡すと英語のサインや情報の海ですが、イギリスの何も知らない外国人にとっては、何が自分の欲しい情報なのか取捨選択することは困難ですよね?クリストファーにとっても、彼の脳はコンピューターのように情報を全て同じレベルで目から取り込むので、量が多いと大変なことになってしまうのです。

本では文によって彼の感じたことの説明や、数式、表、イラスト、ロンドンの町のサインなどでクリストファーの世界を表現していましたが、では舞台では、これをどうするのか・・・?


答えは、方眼用紙のような座標のような壁で囲まれている舞台セットと、その壁に映し出されるプロジェクター(?)でした。



クリストファーの頭脳はコンピューターのように多量の情報を順次処理していきますので、この壁と床の座標軸に囲まれた世界は私のような好みやカンに頼って情報処理するタイプの人間にとってわかりやすい視覚効果だと思います。

実際、このデジタルな舞台セットは、1906年オープンの優美なエドワーディアン劇場Gielgud Theatreに組まれていることでその対比が強調されていると思います。舞台から視線を上に向けるとこういう劇場ですから。



その世界に生きるクリストファーは、たったひとりだと寂しそうなんですけれども、そこに彼のお父さんや、学校の先生、近所のおばさんやその他の人々が現れます。動き回る人達は彼の世界の秩序を乱す雑音でもあるけど、同時に彼の好きな玩具などと一緒に彼の世界を作り上げる要素にもなって、コンピューターではない彼の世界が完成するのです。実際に、町を築くパソコンゲームのようなことを、彼はリアル玩具で夢中になってやるのが象徴的だと思いました。

人の感情をその人の表情や言い方などから読むことができない自閉症の人自身にも感情はあることがわかります。

私は、人の言葉から過剰に感情を受け取りがちで、言った本人が忘れていることも何年も覚えていて自分の行動の基準にしていたこともあります。それは別の言葉で言えばトラウマの小さいようなもので苦しかったので、クリストファーをちょっぴり羨ましくもあります。

とは言え、彼の場合は感情で情報操作しないので逆に過剰な情報に苦しめられるのですから、人の痛みはなかなか当人にしかわからないものですね。

クリストファーの思考回路は理論整然としていますし、現代劇だし、家庭と学校と近所という少年の世界なので舞台の英語は難易度低いです。(でもクリストファーが得意な数学の話になるとまったくついていけませんが・・・・)


日本でも来年のナショナルシアター・ライブで公開されることが決まって、より多くの人がこの世界を見られることになりました。今から楽しみですね!




英国お食事レポ

2015-09-14 16:25:00 | イギリス
「観劇の旅」でも旅の楽しみと言えばやはり「食」もはずせません♪
9/2のデザートに続き、イギリスでどんなものを食べていたかの報告です。

何度も言及していますが、渡英前2週間の私は小麦製品をなるべく食べない「ゆるグルテンフリーダイエット」をしていました。イギリスでは随分前からグルテンフリーダイエットは日本よりも普及しているので、普通のスーパーや町にあるナチュラルフード店でグルテンなしのパスタなどの代替品が入手できます。でも私はせっかくの旅であまり制限はしたくなかったので、イギリス滞在中にダイエットはやめると決めていました。しかしながら、「絶っていた食品を口にすると具合が悪くなる」とテニス王者のジョコビッチさんが書いていたので、グルテンは身体に慣らすよう少しずつ摂取し始めました。




 そこで利用したのが、グルテンフリーシリアル ↑

イギリスではシリアル以外に、ビスケットやケーキでもグルテンなしの製品をスーパーで売っています。日本でグルテンなしのおやつがほしかったら和菓子とか焼き芋がありますが、西洋で小麦なしをやるには代替品が欠かせないようで。

さらに西洋人が日本人よりも多く採る食品として乳製品があります。これも近年身体によろしくないと判断する人が増え、豆乳やその他のミルクが広まっています。健康食品店に行かずとも大手スーパーのテスコの小さい店にもあります。

上はヘンプ・ミルク
下はココナッツ・ミルク
味は豆乳よりも飲みやすいです。牛乳よりも軽く、それに慣れてから日本に帰って来て久しぶりに牛乳を飲んだらその甘さと脂肪分にびっくりしました。

↓ のシリアルはグルテンフリーではないのですが、大麦なのでこちらも朝ご飯に愛用しました。



いよいよ朝ご飯以外グルテン復帰しまして、体調の変化はあるかとドキドキしたんですけど、まったく自覚症状なしでした。徐々に慣らしたのが功を奏したのか、私の身体にグルテンは毒でなかったのか、どっちかわからないけど、とにかく元気だったのだからOKです。


 コテージパイ



すみません、手前はパエリアで、コテージパイはその向こう四角いトレーのです。パエリアとサラダに挟まれているのはフェラフィルというレンズ豆などでできた中東の食べ物。友人が私に「イギリスの何が食べたいか?」というリクエストをきいてくれたのです。それに応えて友人の旦那様が作ってくれたのがコテージパイ、フェラフィルも中東出身ながらベジタリアンが多いロンドンではよく出回っていて、スーパーにもあるしカフェメニューでもよく見るので私にとってロンドンの味なのです。でもそれだけではご馳走メニューにならないと判断されたのか?パエリアまで作ってくれました。素敵な旦那様!!!


 バービカン内の「Bon Fire」のハンバーガー&スイートポテトのチップス

ここは従業員もヨーロッパ人ばかりで、フレンチマスタードやマヨネーズがついて来ました。ロンドンも大分イタリア式のカフェも増えたし純粋な昔ながらのイギリスの食事を出す店が減って来てます。それも多様性というロンドンのひとつの顔ですよね。寿司やラーメン屋があるんだからお隣のフランス式もありでしょ。



↑ このトマトのケチャップ入れ、キッチンショップで買おうと思ってたのに忘れたんですよ~~~ほら、このクマちゃんとお揃いなのに!




 スコットランドのスクエア・ソーセージ



スコットランドの友人宅にて朝ご飯。スコットランドと言えば「ハギス」が頭に浮かびますが、内蔵系には弱い私なのでこの四角いソーセージみたいな特産品は大歓迎!イングランドでもソーセージの種類は多いけど、確かに四角のは食べたことがなかった。


 「Fiddler's Arms」のスコティッシュ・サーモン



エジンバラのスコティッシュ・パブでのランチです。前述のようにハギスが苦手だが最もスコットランドらしい食べ物は?と考えて、その名も「スコティッシュ・サーモン」にしました。お皿の上のレイアウト、気のせいか日本的な間のとり方を心得ている・・・・? いやいやちょっと何かの位置が偏っちゃったのであろう。タルタルソースがたっぷり、お魚も写真では小さめに見えるけどボリュームのある切り身で嬉しかったです。日本のシャケ3切れ分くらいはあります。なぜか「ほおずき」が付け合わせについていました。


  「Henderson's」のヴェガンロール&サラダ

エジンバラに行った日は折しもフード・フェアが開催されていました。



緑いっぱいの公園にテントや出店が出ていました。パブランチをした日だったので、ちょっとヘルシーに行きたいと思ってたら、ありました、ベジタリアンの中でも特に制限の多い、乳製品とか卵も採らないヴェガンの店が!イギリスの良さはこういう多様性だと思います。日本の食べ物も美味しいけれど、いざベジタリアンやヴェガンの人を外食に連れて行くとそういう店がなくてとても困るのですよね。メニューに書いてない材料が入ってて出て来たものが食べられないと言い出す人もいるしね。

写真はスパイス入りのレンズ豆のロールとサラダです。サラダは6種類の中から好きな2種を選ぶというもの。このニンジンだけのサラダというのも、日本にはあまりなくて私の大好物のひとつ。ヴェガン料理は豆、野菜、ナッツ類に香辛料をきかせたものが多いです。野菜だけでもかなりのボリュームで食べきれず、持ち帰って翌朝も食べました。


 「ALMEIDA CAFE」のサンドウィッチ

ウィショーさんの「バッカイ」を見に行く度に、劇場横のカフェで食べました。劇場はオシャレな店やカフェの多いエンジェルにあるのですけど、バッカイ上演中は演目に合わせたカフェメニューも展開していましたから、ファンとしてはそれを賞味せねば!



と言うことで、初日はスコットランド帰りだった日のため時間に余裕もなくてお手軽なサンドウィッチとレモネード。パンの中身はギリシャのチーズとロケット。カフェの構造は、テーブル席はカフェの敷地内にいくつかあって、カフェの横は劇場のホワイエになっており、その境目はバーになってます。ホワイエには高くて丸いバーテーブルが3個。私が注文した時はテーブル席はいっぱいだったので、ホワイエで食べてもいいかを確認し、注文してから食事は作ってくれたのでホワイエに持って来てくれるかどうかも確認しました。だいたいパブやカフェは注文はバーでして支払いをし、飲み物はすぐに出してくれて、食べ物は席まで持って来てくれるパターンです。


 「ALMEIDA CAFE」のBAKKHAI



演目と同じ名前の季節限定メニュー。
4種のチーズ、チャツネ、柘榴、(甘くない)ビスケット、パン。
ご覧のように、チーズプレートです。本来はグループで注文してみんなで摘むものなんですが(とメニューに書いてある)、お一人様だけど、どうしてもこれを食べなくては来たかいがないでしょとばかりに、とりあえず店員さんに量の確認をしました。そしたら1人で食べられると思うけど、万が一残したらお持ち帰りにしてくれる!と言われたので安心して注文できました。

しかしその心配は無用、ビスケット数枚だけ残して完食しましたから。

でこのメニューのどこがバッカイかと疑問も湧きますでしょ?
ストーリーが血まみれなので、パンやチーズを肉に、柘榴とチャツネを血に見立てたのではないかな。狩猟民族の文化ですから、それもありなん・・・・


 「ALMEIDA CAFE」のSpanakopitaとギリシャ風サラダ



こちらも、季節限定のギリシャメニューのひとつです。
スパナコピタと単純にカタカナ読みすればいいこれは、イギリスではメジャーなギリシャ料理で、パリパリのパイ生地の間に、ほうれん草とリコッタチーズとパインナッツが入っています。通常のパイ生地とは違うのですが、スーパーでも冷凍生地を売っているので自宅でも作りやすいんです。そしてオリーブとフェタ・チーズが入ったGREEK SALADもイギリスで土着したギリシャ料理です。


 パブ「Black Horse」の豆バーグ



大都会ロンドンから今度はコツウォルズ地方に移動しまして、Stroudという町の奥のお馬やお牛だらけの村にあるパブのランチです。大体パブランチというのはメニューも決まっていて、肉はローストビーフ、肉が2種ある場合は+チキン。魚はもちろんフィッシュ&チップス。そしてベジタリアン料理も必ずあり、豆と野菜のハンバーグみたいなものです。そして私がいただいたのがそれです。付け合わせはポテト、青菜とピーズ、ヨークシャープディング。

別にベジタリンを目指したわけではないのですが、せっかくの旅行と、日本にはないものを選んでいると、牛も鳥も日本で食べられるし、フィッシュ&チップスはもう食べたし、とこのようなチョイスになりました。この時、8月でも24度くらいでしたから屋外の席を選び、目の前の芝生のお馬さんや、隣のテーブルの下にうずくまる大型犬を眺めながらのダラダラランチ、平和を享受しました。


 「DAFFODIL」の魚料理



同じコツウォルズ地方ですが、こちらはデザートの記事でもレポした、シャーロック0301でロケ地となったレストランですから洗練さが売り・・・のはず。
鱈のトマトソースとバジルのペースト添え。
カリカリにグリルされた魚の皮にバジルが乗ってるのは味も舌触りも良かったし、ひよこ豆とほうれん草入りのトマトソーズも美味しゅうございました、が、そのソースの中にスパゲッティが数本入っているのが、嬉しいのか嬉しくないのかよくわかりませんでした。

と言うのも、イギリスの外国人受けしない食べ物のナンバー1、2を争うと思われる食品に、「スパゲッティナポリタンの缶詰」というのがあるんですよ!イタリア人と日本人はアルデンテの食感にこだわりますが、イギリス人は基本、野菜をグテグテに柔らかく煮るのが好きな国民です。その延長上にパスタがあっても不思議ではありません。かくして煮込みうどんのような食感のパスタの缶詰が存在するのです。私がシャーロックとジョンが再会したレストランで食べた数本のパスタは、その文化を思い出させるものでした。


 「REGENCY CAFE」のチーズパイ



最後はロンドンに戻り、極めつけのイギリス料理です!
パイはサンドウィッチの次にメジャーな伝統的なファストフードです。
チキン&マッシュルーム、キドニー&ステーキ等が代表的。

しかもこのカフェは立地的にはウエストミンスター寺院やニュー・スコットランドヤードからも遠くないのに、昔ながらのイギリス的なメニューを昔ながらの値段で出しています。そしたら昔ながらのチップス&ビーンズとティーを一緒に頼みたくなります。
ああ・・・これぞロンドン・・・。

ちょっと面白いのは、ここでは奥のレジのあるカウンターでまず注文してお金を払わなくてはならないのです。それから着席が許されます。カウンターではビシッとしたおじさん紳士が仕切っていて、大抵のカフェなら席に座って注文をとりに来るのを待っていいのですが、たまたま私はカウンターで「Can I order here?」と聞いたからまだ良かった。返事は「You must order here first.」でしたからね。

そしてTeaを頼んだら、もう何も言わなくてもミルクたっぷりの濃いビルダーズ・ティーを出されました。完璧です。

今までにも何度か言及していますけど、念のためまた書かせてくださいね~
このカフェは、私がかつて住んでいたフラットのすぐ近くで、

今話題のキングスマンの監督マシュー・ヴォーンのダニエル・クレイグ、ベン・ウィショー出演の映画「レイヤーケーキ」
ビル・ナイ、アンドリュー・スコット、フレディ・フォックス出演の映画「パレードへようこそ」
これから放送されるベン・ウィショー出演のドラマ「London Spy」

などのロケ地になったカフェです。
もともとは地元の労働者階級しか行かないローカルな所ですが、上記のような理由により近年はファンに名が知られているようです。

私が食べていた時、隣のテーブルにひとりの従業員がまかないを食べに着席しました。ビシッとした店主らしきカウンターの紳士が選んだと見えて物腰のキチンとした男性です。お一人様で感慨に耽っていた私は勇気を出して話しかけました。
私「こんにちは。ここでどのくらい働いているんですか?」
彼「もう長いよ。8年くらいかな。」
私「私、あなたが働き始めるより前に、この2軒先に住んでいたんです。」
彼 ニコリ


この旅の間中、数人の友人にお世話になりながらも、今は自分の家がないというのはちょっと辛い気持ちにもなったのでしたが、このカフェに座って外の見慣れた景色を眺めて、おじさんに感慨の押し売りをした時、「帰って来たんだなあ」という気持ちがこみ上げて来ました。自分の住んでた家を写真に撮って日本の夫に送ると直ぐ「わお!木が大きくなったね!」と返事が帰って来ました。







オックスフォード ルイス撮影

2015-09-10 17:57:00 | モース&ショーン・エヴァンズ
モースのウォーキング・ツアーを終えた時間は3時すぎ。実はその日、ツアー開始までオックスフォードは雨が降っていました。私は傘もコートもなくしかも寒かったので、防水のフード付きコートを求めて町をさまよったので、駅についたのは11時半なのにまだ昼食をとれていませんでした。ですので、ツアーが終わってすぐにさっき撮影トレーラーの停まっていたパブ「White Horse」を目指しました。

と、こんな看板が。



ややや・・・
撮影は終わったはずだけど、準備がまだなのか。
SEE YOU LATER か。
仕方ない、同じBroad Streetの「THE BUTTERY」でお茶を先にしよう・・・

と。



あれ~~
こっちもダメなの?入れないの?うえーーん、お腹ペコペコ・・・
だがしかし横を見るとこんな光景が。



あ!撮影がこっちに移ってたのですね。
と言うことは、あっちのパフと違ってこれは路上撮影ですね?
近づいてみると・・・

うわ!主役がーーーーーーー?!



わわわわわ・・・主任モースは見てるからルイスはわかります。うん、あれから少しお年を召したけど、ルイスだ~~~本物だ~~~!ツアーを見に来て会えるなんてすっごいボーナスポイント!そして、お隣の若い人がハサウェイさんですか。お写真では拝見したことありますが、実を言うと動くハサウェイは、スクリーンで見たことありません。初見が「生」です。びっくりです。

と震える胸をかかえて反対側にぐるっと回りました。
だってカフェの前は立ち止まり禁止なんですもん。



反対側。
スタッフが、撮影に入ってしまう範囲に立ち止まる人の通行を促しています。公道ですし、ただ歩くのはOKです。



おふたりは「ハ」の字に並んで座っているので、ハサウェイはお顔が見えるのだけれど、ルイスが私達見物客からはお顔が拝見できない角度なんですよ。くっ・・・。ハサウェイさんのプラチナブロンドが雨上がりの陽の光に映えてまぶしいです。すると・・・



まぶしい人が立ち上がって歩き始めた・・・・
広いBroad Streetなのでコチラ側の距離が写真からお分かりになりますね。見物客の中には「なんの撮影?」なんて「ルイス」を知らない人も混じってまして、私は心の中で『このシリーズのために私は今日ここに来たんですよ~。この中で一番ドキドキしてるのはきっと私ですよ~』と呟いてました。



写真だと比較対象がなく分かりにくいですが、本当にルイスはガイドさんの言う通り、脚が長くて背がスラ~ッとしてました。そして頭が輝いてますので、スターオーラを発してました。

その後も私はこの回りをまたカフェの方に行ってみたりして、カフェの方からまたひとりで脱出していくハサウェイを眺めたりしたのですけど、撮影はふたりがテーブルで会話するシーンのみのようで、別の動きはなく、せめてルイスもお顔が見える写真を撮りたいとウロウロしてやっと撮れたのがこちらです。わーん、あまりかっこよく撮れなくてすみません。がんばったんですけども・・・よく動き回るハサウェイに比べ座ったままなんですものルイス。



終了後もカフェはもう営業してなくて、でもスタッフとハサウェイが入って行きました。私にもお茶を・・・・朝から何も口にしてないんですが・・・



開いてなくては仕方ないので、さっきSEE YOU LATERしたパブWhite Horseへ引き返しました。その距離は徒歩2分くらいなのでそんなことができるのです。



やっと、本日のスペシャルのフィッシュ&チップスにたどり着けました。長かったなあ~~ここまでの道のり。このユニオンジャックは記念にしっかりお持ち帰りして来ました。



外へ出ると、町はもうすっかり地元の人のものに戻っていました。



Bye! Broad Street!
きっとまた来るね、楽しい半日をありがとう。

こんな体験をしたからには、私も「ルイス」を観なくっちゃ!!

オックスフォード モースツアー

2015-09-09 21:30:00 | モース&ショーン・エヴァンズ
私は「新米刑事モース/ENDEAVOUR」から知ったファンでして、主任警部モース/Inspentor Morse」はたぶん8割くらい見て、「ルイス警部/Lewis」に至ってはまだ全く見ていないという新米です。自分でモースゆかりの地を巡る自信のない私を行く気にさせたのがツアー!ガイドさんの案内について行くだけなら新米にもできますものね♫ああ、ありがたい。

ということで、オックスフォードの観光サイトにも出ているツアーに日本から申し込みました。同じツアーのチケットが他のサイトからも買えるのですが、このサイトが少し安価でした。このサイトの中の人がBroad Streetの市内観光インフォメーションセンターで、ツアーの待ち合わせ場所でもあります。オックスフォード駅から徒歩10分くらいでした。

センターのレジでツアー予約をしていると告げ、時間までは併設のショップでお土産ショッピング。自分用には「Morse IN OXFORD」というガイドブック。モースの好きな曲入りのCDつき♪ いつか一人歩きする時のために。 不思議の国のアリス、ハリー・ポッター、指輪&ホビットのグッズもありました。オックスフォードは偉大な作家の大量生産地ですね。

さてガイドさんに点呼され、総勢14人のウォーキング・ツアーが始まりました。
ガイドさんは皆にどこから来たのかなどと訪ねてウォーミングアップしてくれます。私が日本からと言ったら「モースは日本でも人気なのね!」と言われて思わず正直に「そうでもないんです」と答えてしまいました。いやごめんなさい。でも「ルイスのハサウェイは人気ですよ!」と言ってみたら「すらっとして脚が長~いものねえ!」と納得されました(笑)。どうもこのガイドさんはルイスに詳しいようで、若モースファンの私としては話題にしてもらえずチョッピリ物足りない思い・・・

まずそのインフォメージョンセンターのすぐ右手にあるカフェ「The Buttery」
ルイスの撮影にも使われたよ、とのことで、後でそこでお茶をしようと決心。だってツアーはきっとここに帰ってくるのですものね。



そのすぐ向かいにある、そこもロケ地となったTrinity Collegeの門の前を通り、赤い看板のパブ「The White Horse」に来るとトレーラーやテントが。なんと撮影中です!しかし中なのでそこは皆で遠巻きにちらりと見て通過。

Broad Streetは文字通りこんなに広いのです


そして後を振り返れば有名なThe Sheldonian Theatreが。
他の映画/ドラマでもよく見ますよね。



しかし一行はBroad Streetを左に入りパブ「The King's Arms」へ。
ここもモースの行ったパブです。ワンコがかわいかったので写真を撮ったのに切れてる・・・どうもまだこの時点ではツアーの他の人は全然写真を撮らないでズンズン行ってしまうので、私はあせって写真の腕前が普段にも増して劣悪に(汗)。



一行はこんな感じでその先のWadham Collegeの中庭へ入って行きました。
ズンズン。



中にはモースも歌ったチャペルがありますが工事中でした。




Parks Roadを引き返してHolywell Streetに左折すると、こんな可愛らしい小道が。オックスフォードはこういう車の入れない路も多いのが好きです。



クネクネと家に挟まれた狭い所をズンズン行くと、奥にまた別のパブ「Turf Tavern」が。



しっかりとモースゆかりの店だと看板が主張していました。
イギリスでは珍しいです・・・^^;



その小道を出ると、有名な「ためいき橋」でした。そこから、Bodleian図書館の横を通って(そこら一帯は観光の中心のようで観光客だらけでした。よくもこう言う所でロケできますねえ。早朝とかにするのかな。)マーケット・ストリートの方へ。この道で「新米モース」シリーズ1「毒薬と令嬢」のラストで若ママが子供を抱いてバスに乗りモースが見送ったシーンを撮ったそうです。とても心にしみたシーンなのでそれを知り嬉しかった・・・
この通りにあるアーケードのような路地「Covered Market」にもロケに使われたパブがあるそうですが、ちょっと団体さんだったので中には入りませんでした。



Market Streetのすぐ近くのExeter Collegeの中庭にも入りました。ここは主任モースが最終話でたおれたという辛い場所・・・グゥ(胸の詰まる音)
チャペルの入り口です。



チャペルの中。
トールキンの胸像もありました。



そしてその中庭にさらに別の庭への入り口が。



前の中庭と同じくらい広い芝の庭を横切って、こんな階段をズンズン昇って行きました。



秘密の花園にでも通じていそうな緑豊かな誰もいない庭の茂みからは、かの有名なRadcliffe Cameraが。



そして皆の前に現れたのはコレ!
・・・もしやこれは・・・!



やはりそうでした。「新米モース」からもうひとつ、何気ない小さなシーンだけど、私にオックスフォードという町の強烈な印象を与えた、シリーズ1「家族の肖像」でブルーのコートを着たサーズデイの娘が雪の中サンドイッチを広げた場所でした。バルコニーのような場所で、町中の景色も見えるこの場所が不思議で、過去に2度オックスフォードには行ったことがあったけれどこんな場所は知らない、いったいどこなんだろうと初めて見た時に思ったのです!



ほうら、不思議な眺めでじゃありませんか?
実際には万里の長城みたいな通路の角にある狭い場所なんですけれども、ドラマでは広いテレスみたいに見えたなあ・・・ベンチの場所を動かしたのかも知れませんしね・・・・



この場所に行けたというだけで、ツアーに参加した意味はありました。

中心部だけだったけれど、私1人で地図見て歩くよりは充実した2時間を過ごせました。そこだけは土地勘ができましたので、将来また帰って来てゆっくりと今回行ってない場所にも脚を伸ばしたいです。

そしてツアーが解散した後に「ルイス」の撮影に出会ったことは次回に書きます。



The Scandalous Lady W

2015-09-08 17:37:00 | モース&ショーン・エヴァンズ


注;ネタはバレます

BBC2がこのドラマを放送したのは私のイギリス旅行中でした。スケジュール帳には8/17の夜にしっかりと書き込まれているのですが、その日はコツウォルズの友人宅に滞在していて、日中村を案内してもらった後にお茶の間でTVドラマも見せろとはどうかと遠慮しました。しかし、それが正解だったのです。その家庭には13歳の男の子がいて、その子の前で見るわけにはいかない文字通りスキャンダラスなドラマでした~!

まず、スケジュール帳に書き込んだ動機はショーン・エヴァンズがコスチューム・ドラマに出ている!ということでした。そしてヒロインはかわいいナタリー・ドーマー♡・・・もうひとり若い男子も予告に出ていて、あれ?ああ、トライアングルなのね、と、見る前の予備知識はそんなもの。鍵穴の向こうの青い目は、70年代のイギリス映画にもなんだか見たような記憶があるけど思い出せないなあ・・・

という状態で本編を見ました。
月曜日の夜9時からこれを地上波で・・・やはり小学生以下はとっくにベッドタイムな前提のイギリスです。うちの13歳の娘がいる時にも見られない大人のシーンが、撮り方はとても奇麗なのですが、大人のシーンには変わりがありません。

だってストーリーは、愛し合って結婚した夫婦の夫リチャード(ショーン)が、妻セイモア(ナタリー)が他の男ジョージ(Aneurin Barnard)とセックスするのを見て満足を得る性的嗜好で、夫を愛する従順な妻が彼のために尽くしているうち出会った男と本気になって、夫はその男に所有物侵害を訴え賠償金を求めて訴訟するというものなんですから。

で、話にはけっこうぶっ飛びましたが、実存したイギリス史上有名なスキャンダルとのことです。妻は夫の法的所有物だった、ってところと、夫の希望の上のトライアングル(他にも20人以上いたとのことで三角どころじゃないんですけど^^;)ってところが現在の常識人から見たらぶっ飛びポイントです。

ところが!私、このドラマとても気に入ってしまったのです!!
なんていやらしいのか私?!

だって、衣装とセットがもう高級ファッション誌のような美しさです。
ただそのままのロココではなく、ショーンの部屋には色がなく真っ白なんです。モダンな真っ白ではなく、装飾的なロココで白。
ロココの時代ですから、上流の衣装は基本パステルカラーです。ショーンがサテン地にお花の刺繍が入ったベストや、ゴールドのブレードのジャケットを着て、キレイな脚に白いタイツ履いて、ウエーブの髪を後で黒サテンのリボンで結んでいて、華やかなんです。ナタリーも例の大きなポンパドゥールに縦ロールの髪に、パステルかヌードカラーかモノトーンのドレス。そして、現存する有名なWorsley夫人の肖像画と同じ、赤い軍服姿で3人が登場する時の華やかさといったら・・・!!たぶん、有名な赤い衣装を引き立てるため、他には赤を使ってなかったと思います。

そして、この見た目は麗しい変態夫婦の、抑えた会話がツボに入りましてね・・・!世間でいうようなロマンチックな会話と仕草は結婚したばかりのころのみで、その後は、まあやっていることが普通じゃないんで、普通のカップルのような会話やスキンシップはないんですけれども、訴訟まで発展する対立が、騒がず慌てず入り乱れずに淡々と進行、そしてLady Wが、当て馬との恋も本気だったろうけど、夫をずっと愛していたのも本当だと思えるのです。

そう思えるのも、ショーンの真面目な狂気(と言ってもただの性的嗜好だから気は確か
)が上手くて良かったからだと思う。昔から、金髪碧眼の悪役って定期的に映像に現れますけど、ショーンもその素質を持っていたとは気づきませんで・・・!特に、妻とジョージの性交を鍵穴から覗いた後に幸せそうにその部屋へ入って来て、そのふたりの横にベッドにスライディングして3人で川の字になる時の満足気な表情が無邪気だからこそゾクッとしました。欲を言えば、辞表を出す相手は総理大臣という高官の威厳は、あと一息だったと思うので、ショーン、頑張れ!!

そしてナタリーも、ストーリー上では20人以上の男と関係を持って賠償金を求める価値のない女、と法的には扱われてしまいましたが、そう言われても天使のようなベビーフェイスがちっとも価値を下げない魔性の魅力があって、対当ないい勝負のスキャンダラスな夫婦でした。

久しぶりに、変なのに愛してしまうドラマに出会えました!
ピーター・グリーナウェイ映画の初期の数本や、ルパート・エヴェレットの「グルメ・アカデミー」という迷作を思い出しました。(そのへんがお好きという方、さっき見つけてしまったのですが、今なら大手動画サイトに全編上がってましたよ・・・・コソっ)