宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

各服点の時の問答

2023-06-22 17:59:09 | 茶道
濃茶点前がコロナ禍で各服点になり、稽古でも一客一亭にしています。
客は一口頂くと亭主から「お服加減は」と聞かれます。そして一口残して茶碗を下座に置き、「お茶名は?」「お菓子は」など伺います。
以前の方法の流れでこうしていました。
しかしせっかくのお濃茶を一口残してお尋ねして、それを終えて最後の一口を頂くのはお味もぬるくなって良くありません。

そこでお濃茶は全部美味しくいただき、茶碗を下座に置いてお茶名などお尋ねし、その後茶碗の飲み口を清めた方が良いと思いました。

生徒さんから「飲み口を清めるのは回し飲みの時のためではないでしょうか? 先日伺ったお茶会では次客以下のお濃茶は水屋で点ててお盆に何碗か載せて運ばれていました。飲み口はそのままでということでした」
確かに飲み口を清めるのは回し飲みの時に次の方への礼儀として行う事です。
各服点では飲み口をあえて紙茶巾で清める必要がないかもしれません・・・

研究会では各服点前の時 お客様が3人です。正客だけが頂き、後の方は頂くふりをされています。こうするとお茶名等お尋ねするタイミングやお茶碗をお返しする動作も以前の方法の流れです。
我々も稽古の時に頂くふりをする次客に座ってもらえれば良いのでしょうが、果たして以前の流れをこれからも続けられるのであろうかは疑問です。
コロナを経験してしまった今、「回し飲みはちょっと」と思う方が多いのではないでしょうか。

利休様が回し飲みを始められたそうですが、その時代はいつ何どき戦いが始まるか分からない不穏なものだったのでいちいち各服点をしているより回し飲みした方が時間短縮にもなり、また一碗を飲みまわすことで連帯感が生まれるということだったのだと本で読みました。
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