宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

「茶聖」を読んで

2020-04-17 09:13:45 | 茶道

伊東潤著「茶聖」を読み終わりました。
会話部分が多くとても読みやすく、映像が浮かぶ、あたかもTVドラマを見ているようにさえ感じました。

それにしても利休は天下一を目指す秀吉にすり寄って、考えられないほどの大役を任されたり、秀吉に臆することなく進言をしたものです。
いわば傀儡子となって秀吉を支えて?いました。
それもこれも ”荒ぶれた武士の心を茶の湯で鎮め、世の中を静謐に つまり戦いのないものにする”という大義を掲げて秀吉に近づいたのです。
黄金の茶室を見て驚きはするものの「殿下は己の侘びを見つけられましたね」と忖度した言葉を発する。

異常なまでの美意識を追求する「聖」の部分と、大義を実現するために権力者の懐に入る「俗」の部分が利休にはあったのです。
秀吉の懐に入りすぎていく利休をみて家康に「利休殿は少し火遊びが過ぎましたね」と言わせしめています

「俗」と「「聖」の部分を読み進む中に、時々出てくる妻りきとの夫婦の会話でホッと息がつげます。

第5章、秀長の永眠後、秀吉が利休の大坂屋敷を訪れ二畳の茶室で茶事となります。
この狭い空間での秀吉と利休の息詰まる最後の緊張感のある会話…最後に傀儡子はもういらん!と死を宣告されるのです。ここがこの小説の圧巻部分と思います。

利休は自分の死で茶の湯が未来永劫の命が約束され、それと共に豊臣政権が滅びの一歩を踏み出すこととになると思い、喜んで死を受け入れるのです。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アルバムの整理

2020-04-14 07:09:00 | 日記


STAY HOMEで、家の片づけや庭の掃除、読書、ウォーキング、手紙、テレビ、インターネット・・・等々で過ごしています。

4日前からアルバムの整理を始めました。デジカメ以前の時代は写真をアルバムに貼っていました。そんなアルバムが20冊以上も、簡易なアルバムも30冊ほど。前から整理しなくてはと思いつつそのままになっていました。アルバムから良いものだけを残しあとは捨てることにしました。

写真一枚一枚それぞれ思い出がふつふつと湧き、懐かしくなり全くはかどりません。
今は亡き祖母や父、母などの笑顔が、小中時代の友とのお出かけ、米国ボルティモア時代、主人との国内海外旅行(これが一番多い)、子供たちの小さい頃の無邪気な顔・・・
その中から祖母から初めてお茶を習った時のものがでてきました。祖母も今の私より若い時!私が茶道にかかわり始めた原点、記念すべき一枚です。

こんな具合でゆっくり何日もかけてようやく整理が済みました。
卒業アルバムや、結婚前の主人が丁寧に作ったアルバムは手をつけずそのまま保存です。

デジカメ時代になってからの写真はPCの中に。これは主人がいくつかのホルダーに分類してくれてました。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

座り方

2020-04-12 19:28:59 | 茶道


NHK大河ドラマ「麒麟がくる」を見ています。

その中の帰蝶の座り方が「立膝」座り。戦国時代は部屋が板敷きだったので男の方は「胡坐」、女の方は「立膝」であったようです。
そのころは着物もゆったりとしていて膝を立てても見苦しくなりません。ドラマの帰蝶役の女優さん、とてもきれいな立膝すわりをしています。
その女優さん曰く、実際にしてみると結構この立膝すわり大変だったとか、ネットにありました。
現代では立膝すわりや胡坐はなんだかお行儀が悪いイメージですが、戦国時代はそれが正式の座り方だったのです。

ちなみに昔の偉い方の肖像画を見ると上の家康のような座り方をしています。これは「貴人座り」と言って、膝を大きく開いて脚を組まない座り方だそうです。ちょっと大変そう・・な感じ。

正座が始まったのは江戸時代以降、畳の部屋が出来てからです。

住居環境の変化で座り方も変化してきたことを思うと、畳がないフローリングの家が多くなった現代、正座が出来ないようになる方が増えるのでは・・・・そういえばもはや女性でも平気に胡坐をかく時代です。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お家元からのハガキ

2020-04-12 06:45:43 | 茶道

昨日お家元からハガキが届きました。
今回の新型コロナインフルエンザについてのことでした。
緊急事態宣言が出たのでこれに則り稽古場の閉鎖のお願いでした。

わが社中では2月後半からずっと稽古を休んでいました。はじめのころはちょっと過剰反応し過ぎたかしらと思っていましたが、今の現状を見るとやはり正しかったと思います。
お家元からのお葉書を頂き、私自身で決めた稽古休みの判断もよかったのだとお墨付きを頂いたようで安心しました。
東京では感染者が日ごとに増えています。
特に若い方が多いそうですのでくれぐれも気を付けて過ごしましょうね。
私も極力家でちんまり過ごしています。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風炉に設えました

2020-04-07 17:35:55 | 茶道

もう四月は稽古が出来ないので、炉を閉じて風炉に替えました。

炉の灰は篩って、一回も使われなかった透き木釜を「来年こそは使えますように」と言いつつ片付けました。

道安風炉に灰を入れ形を整え、筒釜を載せます。
炉用の柄杓や蓋置をしまい風炉用の道具を出し、軸も「清々翠」に、香合は鎌倉彫の「義経香合」、ついでにお花も籠に入れてみました。
茶碗は仁清写しの「柳絵」、棗はコロナインフルエンザから免れるよう「六瓢」

そんなことをしているうちに何だか久しぶりにお点前をしたくなりました。
帛紗を腰につけて、お釜、棗は空ですが有る思って薄茶点前をしてみました。置き柄杓・切柄杓・引き柄杓…なんだか懐かしい気持ち。

稽古が休みの間にゆっくり「小習い」「四ヶ伝」など一人で復習しようと思います。
たまには和菓子と抹茶も用意して。
この2,3ヶ月すっかりお茶と離れていたので時々はお茶モードにしないと・・・

今読んでいる「茶聖」は読みやすいのですが 一気に読んでしまうのがもったいないので、毎日少しづつ読んでいます。でももう半分以上読み進んでしまいました。
『茶の湯で世の中を静謐に』という大義を掲げてはいるものの、利休はかなりの野心家!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする