ぐうじののほほん

山形県長井市の總宮神社ぐうじの個人的日々を綴った日誌です。

『一命』と『切腹』に感じたこと

2024年12月14日 17時20分57秒 | 映画

こんばんは

お天気まずまずの長井市でした

皆様の地域では如何ですか?

我が家での映画のチョイスは全てるうさん

るうさんが何気に気になって録画した『一命(いちめい)』を観ました

 

  なんと2011年の邦画

 

ぐうじに前情報は全くなし(←いつも)

 

 が・・・

 

 心に深く刺さっちゃった

 

 ・・・ってコトで久しぶりの映画ログです

 

『一命』予告編

主演は市川海老蔵、共演に役所広司、瑛太、満島ひかり

音楽は、るうさんが大好きな坂本龍一

17世紀、天下太平の江戸時代初頭

戦の無い平和な時代に入ったのだけれど、幕府による理不尽な御家取り潰しが相次ぎ、困窮した浪人があふれていた時代

巷では、そんな浪人たちが裕福な大名屋敷に押しかけ、“貧窮のためこのまま生き長らえるのは忍びなく、切腹のために貴家庭先を拝借”と願い出て、困惑する屋敷の者から同情を得て金銭を巻き上げる【狂言切腹】が横行していたそうです

これは実際の話

最初に狂言切腹を申し出た浪人が「この時代に、それは立派な心掛け」と大名に召し抱えられたことから横行しちゃったんです・・・

面倒になった大名たちは追い払うために些少の金銭なども恵んだそうで・・

そんなある日、名門・井伊家の前にも切腹を願い出る津雲半四郎(海老蔵)と名乗る浪人が現われます

井伊家は井伊直弼(いいなおすけ)に派生する名家

役所広司が井伊家の家老を演じます

千々岩求女(ちぢいわもとめ)を演じる瑛太の長時間にわたる切腹シーンの演技はるうさんが・・・・

 

るうさん『義朋!ごめん・・・こんなの観せてしまって・・・』

 

と言わせるほど迫真の演技・・・

 

るうさん『もうここで止めよう(涙)』

 

     ・・そこまで 

 

狂言で済ますはずだったのに「御立派、関ヶ原のあと、戦を知らぬこの者達に武士の心意気を見せてもらおうか」と片付けられ、本当に切腹を迫られる求女・・・

 

観ているだけで辛く切なく悲しくなってしまいます

瑛太をむごたらしく辱めた後で死に追いやる悪役の三人

青木崇高は憎々しげに演じています

新井浩文と波岡一喜の3人もこの映画のとっても重要なポジション

津雲半四郎を演じる海老蔵もさすが

歌舞伎役者とあってか、役所広司との掛け合いが歌舞伎の舞台のようです

で・・・

肝心なのは『一命』はリメイクであったという事

 

    

観終わるまで知らなかった!

 

るうさんからそのコトを聞かされ・・・・

 

あらためて原作のオリジナルを2人で観ました

 

 (ノ´▽`)ノオオオオッ♪

   (ノ´▽`)ノオオオオッ♪

   まじだ!

   

そして題名は『切腹』

  1962年の作品です

ぐうじはまだ生まれてないや 

ストーリー・設定はほぼ同じで、かなり古い映画だけど、何故かちゃんと観れるっておもしゃい

原作も一流の俳優陣

斎藤勘解由(さいとうかげゆ)には三國連太郎

同一人物とはわからなかったほど若いねぇ

津雲半四郎(つくもはんしろう)には仲代達矢

迫真の演技がスゴイわ

これ観ちゃうとリメイクの猿之助が優しく見えちゃうほど

実は仲代達也のデビューが黒澤明監督の七人の侍だったんです・・(セリフの無いエキストラで)

それから20年後、七人の侍の脚本を手掛けた橋本忍が願って仲代達也にオファー

撮影当時仲代は舞台が忙しく、ロケは仲代に合わせて待ってまで行われたそうです

セットもすごいわ

映画「切腹」劇場予告

切腹させた若い浪人が腰に差していたのは、貧しさゆえの竹光(たけみつ)でした

 

生活の為に質に出しちゃったんだねぇ

中身は竹や樫の木・・・

それでも斎藤勘解由は切腹を強行させます

切れるわけがない。

死に至るまでかなり苦しまなければならない。

介錯を務めた沢潟彦九郎(おもだかひこくろう:丹波哲郎)も必要以上に介錯を長引かせました

藩邸のシンボルの甲冑

劇中では甲冑がしっかり形を成すために中に人を入れて撮影したそうです

リメイクの『一命』で使用した甲冑は現在、彦根城はじめ滋賀県内で時折公開されているそうです

あんまり詳細をログするとネタバレになっちゃうので、この程度にしておきます

戦国の時代が終わり平和な時代の中でも御家潰しによって浪人に落ちぶれてしまって苦しんでいた武士がたくさんいて、それぞれに物語があったんだと心に響く映画でした

『切腹』と『一命』、武士の面目か、平和な時代人のいのちをどう考えるかは観るひとがそれぞれに思うのでしょう

皆さまにはステキな午後をお過ごし下さいませ

 

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