早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

宋斤の俳句 「早春」昭和二年四月 第三巻四号 近詠 江口吟行

2020-07-07 | 宋斤の俳句を大正十五年「早春」創刊〜昭和十九年休刊までひもとく
宋斤の俳句 「早春」昭和十六年四月 第三巻四号 近詠 俳句

囀や清冽顔に押しあつる

燕の来てうれさや糞おとす

枇杷の花くすみ枯れたる長閑哉

野火飛びて石工の足にふまれけり

春雨の山はるゝより棚かすみ


朔宵篇

入濱のすたれに海蘿丈にけり

ほつれより水が筋引く種俵

江口吟行 
 吹田 高浜神社ー伊藤友禅工場ー首洗池ー小女郎稲荷ー瑞光寺ー江口の森ー君の堂ー江口の渡しー淀川堤ー魚満楼にて句会ー双口町 

吟行や朝の心に東風受くる

友禅のこの家しるべに春の旅

野の道の池由来あり柳芽を

雲雀なほ空に寒しや雲もなく

由縁り来し江口の空や鳥雲に

みなみなが春寒き塚をなつかしみ

渡し舟までぞろぞろ歩き草若し

我かけのうつれば藻艸生ふ見ゆる

草萠を踏み離れ来て街の風













宋斤の俳句 「早春」昭和二年三月 第三巻三号 俳句

2020-07-07 | 宋斤の俳句を大正十五年「早春」創刊〜昭和十九年休刊までひもとく
宋斤の俳句 「早春」昭和十六年三月 第三巻三号 俳句

早春のかれ艸を掃きへらしけり

早春の高きともしび雪の中

 早春社二月本会 『立春」 「雪」
川上や杜に朝日の春寒し

 多田句会 一の鳥社
温泉宿の門邊出て踏む霜柱
正月のぬくさつゞきに實南天

 安治川句会
住吉の卯の日をかけて宵戎

 阿古谷例会
大寒の空の朝や三艸山

 早春社大気創立句会
窓五つ冬の夜の町それぞれに

 京城の山本姚黄氏歓迎句会
かいつぶり沼に日南行き渡り

 打出句会
紫苑よりうきたつ朝の蚊なりけり

 蜆心亭小集 尼崎
朽葉山さす日に露のしらみかな

 きたの吟社
枯草にさす日の匂春隣