深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

予測がことごとく裏切られる患者とは…

2005-10-19 12:07:01 | 一治療家の視点
2年ほど前から私は、患者が来ることになっている前の日の晩か当日の朝に、その患者の症状が前回からどの程度変化したか、ということと、次回の治療のポイントはどこか、を予測することを習慣づけている。自慢じゃないが、これが結構当たるのだ。的中率は70~80%くらい。もともとは自分自身のトレーニングのためだったが、実際の臨床でもすいぶん役に立っている。ところが、その中にあって予測がことごとく裏切られる患者がいるのだ。

もちろん、予測はあくまでも予測。他の患者だって、予測内容と実際とが若干食い違っていることはある。それは治療の際に方針を手直しすればいいのだが、そんなレベルじゃなく、来た時の様子や問診での話が、予測した結果を全く裏切る患者がいて、愕然とすることがある。そして、予測は悪い方に外れることの方が多い。

なぜ、ある患者だけ予測がことごとく外れるのだろう、と考えていて、そんな患者には共通点があることが、だんだんわかってきた。一つは心理的逆転(サイコロジカル・リバース)を持っているケース、もう一つは薬、それもたくさんの薬を使っているケースだ。

心理的逆転については、以前ブログでも書いたが、これは(根本的になくすのは難しいが)ある程度何とかなる。問題は薬だ。もしかすると、多くの薬を合わせて飲むことで、本来、生体にはあり得ないはずの変化が起こるのかもしれない。良い意味でも、悪い意味でも。

大体、手技療法家や自然療法家の多くは、薬が嫌いである。医者から自然療法家に転向する人はいても、自然療法家から医者に転向する人は少ない、というのも、(そもそも、医学部に入るのが難しい、という事情はあるにせよ)そういう理由によるところが大きいのではないか、と私は思っている。

しかし、だからといって、医師でもない一治療家が医師の処方した薬を「そんなもの、使うな」と言うことは、法律上も許されていない(医師法違反となる)。場合によっては、薬の使用をやめさせたことで、患者に重篤な問題が起こることもあり得る。だから、薬について十分な知識もなく「薬なんか使うな。オレが治してやる」と、薬を使うことをやめさせる治療家は要注意だ。

確かに、今の病院は安易に薬を出し過ぎる。カゼの患者に抗生剤を出すなど、医師自身が無意味だと明言している薬の出し方をされているケースも多い。しかし、個々のケースについて、これは適正、これは誤り、などと私が判断できるわけもない。

結局、私ができることは、何とか薬を減らしても(もっと言えば、薬なしでも)やっていけるように持っていくことことだ。しかし、薬を使っていると、その変化が読めない…。かくして、今日もジレンマが続くのである。

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