人間の時間軸を狂わせる店、足利「GOKURAKU-YA」を
出たのが明け方も近い午前5時。「これから、ホテルのチェ
ックインって、有り得ないよなぁ」と考えながら、バイクを国道
50号に向けて走らせる。で、飛び込んだのが以前にも泊ま
った事がある24時間営業の「足利健康ランド」。
「ここで、ちょっと温泉に入って、仮眠をとろう」と。で、お風
呂に入り、横になったところ、起きたのは翌日の午後1時。
ベッドのある部屋を出て、「でかい音」につられて行くと、大
広間は、この風景。大勢のあじいさん、おばあさん達が、カ
ラオケに興じる。
あまり見た事のない風景で、びっくりしながら観察する。する
と歌う人にも、「色々な工夫」があるのがわかってきた。ある人
は、「いかにも歌詞を見ながら歌っています」という感じにしな
いように、歌詞を覚えてきて他の人達とは違う立ち位置で歌っ
たり。ある人は、わざわざ健康ランドとは違うゴージャスな衣装
で舞台に立ったり。歌は、下手は下手なりなのだけれど、売れ
ないジャズシンガーのようなウイスキー・グラスを持つような手
の動きをしてみたり、胸に手を当ててみたり。みんな「本気」な
のだ(トへェ~。笑)。
ただ、総じて言えるのは、発声が悪い事、音程が悪い事。そし
て、何より「人様の前で自分が歌っている」という意識がなく、
「カラオケ」をしにきている意識であるという事。バックはカラオケ
だけれど、自分の歌を歌うという意識にならないと。だから、つま
らないのよ、とか思ったりしてね。
さらに、よく見回す「1曲200円」の張り紙。どうやら、自分の歌
いたい曲の名前を紙に書いて受付に申し込んで200円を払うと
舞台に立てるというシステムらしい。システムがわかると、青柳
さんが、この場で歌ったら、どんな反応になるかという気になる。
で、受付に向かうと、どうやら本日の受付は終了しているらしか
った。
「残念!!」なのだ。次回を狙おう(ただね。よく見ていると、もう
終了したと閉じられている受付の扉をこじあけて、どんどん申し
込むお年寄りの姿が。気持ちはわかる。でも、そこまでして今
歌うのもなんだなぁ、と諦めたのだ)。
路上音楽情報紙「ダダ」編集発行人・青柳文信
http://pub.ne.jp/solo_solo/
追記・ちなみに、歌おうと思ったのは「くちなしの白い花~」という
昔、親が歌っていたナンバー。さすがに、この場で、自分の持ち歌
はルール違反だと思って。歌いたかった~~。
追記2・足利「GOKURAKU-YA」で、素晴らしいコードカッティング
マンに出会った。グレコのセミアコをつかっている佐野の「ケン」の
近くに住んでいるという人。延々、セッションをネタ切れもなく、コー
ドカッティングを続けたのだ。SHINさんのバンドのナチュラルなスト
ラトの人もこの前以上に弾けていたけれど、この佐野のコードマン
のギターもよかった(ギターを弾いている表情もよかった。「最高、
楽しい」という笑顔でね)。「今度、お手合わせ願いたい」と思った
のだ。この人も、「GOKURAKU-歌汁宴」のメンバーらしい。
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