『よしなしごと』

※不定期公開

運の良い方、縁の有る方、勘が働く方。

ご覧戴けたら幸いです。

心の宝箱【諦める勇気あったんだ。続ける恐怖なんて、きっと乗り越えられる】

2024-09-14 13:06:58 | 心の宝箱


『タスキメシ』額賀澪02(小学館 2015/11/30)

主人公眞家早馬は高校三年生で長距離選手として将来を期待されていたが大けがでリハビリ中。
担任の配慮で料理研究部と繋がりができ、
父子家庭で偏食が激しい同じ長距離選手として将来を期待されている弟のために、
たった一人の部員で料理上手の井坂都に料理を習うことにする。
復帰出来ても、高校最後の競技会には間に合わない、競技者としての葛藤、
井坂も父子家庭で料理が心の支えで同学年の一人っ子、陸上競技と料理が交差しながら描かれた青春小説。

この小説はこう終る。

・眞家早馬の最初で最後の箱根駅伝は、給水係として並走した数十メートルだけだった。
虚しいと笑う人もいるかもしれない。
高校三年の、陸上から離れようとしていた自分は「ほれみたことか」と憤っているかもしれない。
格好悪いと。情けないと。いいじゃないか。高校三年生の自分の肩を叩いてやる(略)
すうっと、涙が一筋、頬を流れていった。
言葉で到底言い表せない、眞家早馬の複雑怪奇な感情が入り交じった雫は、一月の風にのって飛んでいった。
遠く遠く、自分には到底辿り着けない場所を目指して走る彼らに、寄り添うように P301

・面倒になってやめちゃうくらいなら、裏技使って楽して続けた方がずっとマシ P26

・諦める勇気があったんだ。続ける恐怖なんて、きっと乗り越えられる P267




心の宝箱【謝るより先に、言い訳をするのが賢き社会人という環境】

2024-09-14 11:38:18 | 心の宝箱


『となりの革命農家』黒野伸一04(廣済堂出版2015/3/1)

慣行農業が主流のY県大沼村で有機農業を始めた木村春菜と小原和也。
ひそかに惹かれ合う若い二人は山奥で暮らすテツジンなる
謎のじーさんのもとで修行し、本当に美味い野菜をつくることについに成功。
一方農業生産法人アグリコジャパンの部長で村中で美人と評判の
上田理保子は近代農業で大沼村を再生させようとアグリパークなる計画を立てていた。
経営効率の悪い有機農業を理解できなかった理保子は春菜と和也の作った野菜の味に感動する。
近代農業と古き良き農業、共存共栄への道が拓かれていく裏では、
理保子の上司氷川がとんでもない陰謀を画策していた。


・謝るより先に、言い訳をするのが賢き社会人という環境 P124





心の宝箱【みんな、かまってほしいんだね】

2024-09-14 06:59:10 | 心の宝箱


『あさ美さんの家さがし』黒野伸一03(河出書房新社2016/11/20)

キャバクラ『濱乙女』ナンバーワンキャバ嬢あさ美、ゴミ屋敷で暮らす蓬莱のおばあちゃん、
シェアハウスで出会った譲二と唯など世代の異なる登場人物達が高齢化や待機児童問題に
それぞれに苦しみながらも前向きに生きて行く姿を描いたある港町を舞台にした6話。
『タワーマンション前編』『マイホーム マイファミリー』『空き家とホームレス』『シェアハウスの恋人』
『終の棲家』『タワーマンション後編』


・みんな、かまってほしいんだね P11

・人は誰しも理解してもらいたいって願望を持っているんだよ。
家族ならなおさらだ P113

・子どもは小さな大人なのよ、自分が同じことをされたらどう感じる? P122