仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

『 ジェネラル・ルージュの凱旋 』 (上・下) 海堂 尊

2009-03-17 19:39:52 | 讀書録(一般)
『 ジェネラル・ルージュの凱旋 』 (上・下) 海堂 尊

お薦め度 : ☆☆☆+α
2009年3月17日讀了


『チーム・バチスタの栄光』 『ナイチンゲールの沈黙』 に續く、「白鳥・田口コンビ」シリーズの第3作。
作品の世界を流れる時間は、『ナイチンゲールの沈黙』とほぼ同時間なので、この作品を讀むに際しては、先に『ナイチンゲールの沈黙』を讀んでおいたはうが良いと思ふ。
出來れば『チーム・バチスタの栄光』から順番に讀む方が望ましい。

さて本作は、これまでの作品よりもいつそうミステリの要素が少ない。
なので、ミステリアスな要素を期待される向きにはお薦めしがたい。
『チーム・バチスタの栄光』以來の「白鳥・田口コンビ:ファンなら十分に樂しめるだらう。
私などは白鳥ファンなので、白鳥が登場する下卷に入つてから、やうやく面白いと思へるやうになつた。

本書の面白さのもうひとつの要素は、「ミス・ドミノ」とあだ名される姫宮の恐ろしいまでのドジぶり。
彼女の行くところ、ドミノ倒しのごとくミスが連發される。
それでゐて、一生懸命なので、彼女の「とたとた」といふ足音とともに、讀者のこころには彼女の存在が鮮やかに殘るのである。

「ジェネラル・ルージュ」とは、ICU部門を統轄してゐる速見部長のあだ名である。
この速見部長の取つた行動が問題とされるわけだが、醫療の現場からすれば「必要惡」だと思はれる。
作者は現役の醫者だといふが、現在の醫療制度へのアンチテーゼとして讀むと、面白いを通り越して恐ろしくもある。

最近、映畫化されたやうだが、果して見に行くべきかどうか・・・
白鳥役を演じるのが阿部寛といふのは、あまりにも原作のイメージとかけはなれて「格好良すぎ」。
別物だと思へば良いのかもしれないが。



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2 コメント

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かんさいやさん (仙丈)
2009-03-17 21:55:28
「チーム・バチスタ」も映畫化されてたんでしたつけ。
順番に見ないといけませんね。
田口が女性になつてゐるのは、ドラマだけなのでせうか?
ドラマも見てゐないのですが、違和感ありさうですね~
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阿部寛 (かんさいや)
2009-03-17 20:57:12
違和感丸出し、原作と全然違うw
速水将軍は期待
ただ原作通りにすると、全くミステリではないので、妙なミステリ要素が入ってて、いいかどうかはわからない
「ジェネラル・ルージュ」見て「チーム・バチスタ」見たらへこむかも
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