井上ひさしさんの急逝で初日を迎えることが出来なかった『木の上の軍隊』を観てきました。
出演は藤原竜也さん・山西惇さん・片平なぎささんです。
原案・井上ひさしさん
作・蓬莱竜太さん
演出・栗山民也さん
その島で戦争が行われていた。激しくて酷い戦闘。敵、味方の区別もつかぬような夥しい死体。
その島には巨大な木があった。
追い詰められた二人の兵士が、その木へと上る。
鬱蒼と茂る枝葉は、二人を敵から上手く隠してくれた。と同時に、敗戦を二人から遠ざけた。
長い長い、木の上での二人きりの「戦争」がはじまる。(プログラムより)
舞台には、巨大な木が置かれています。セットが変わる事無く、休憩なしの1時間50分の舞台です。
せつない・・・・重いテーマ・・・でも、忘れてはならないこと。
上官の山西さんが、『敵が食べていた食料なんて、口にするな!非国民だ」と言います。でも、何かを口にしなければ、間違いなく餓死します。
新兵は藤原竜也さん。
戦争は終わりましたというチラシを拾ってきても、信じられない。そんなことを信じて、出て行ったら捕まって酷い目にあうと信じている。
人は強いけれど弱い。
戦争があったこと、忘れてはならない。
隣にいた年配の男性が、セリフを一つも聞き逃すまいと耳を傾けて舞台に集中している姿がとても印象に残りました。