東京ガールズコレクション(TGC)が12月23日、宮崎県のフェニックス・シーガイア・リゾートで開催される。宮崎は東国原元知事が去ったあと、すっかりメディア露出が少なくなったが、本来の基盤産業である「観光」の強化を名目に、中長期的な地域産業の活性化に取り組んでいくらしい。
そのプロジェクト第1弾が「TGCスイートクリスマスエディション・サポーティッド・バイ宮崎恋旅」と銘打つ企画で、TGCと共同でF1層と呼ばれる20代から30代前半の女性を呼び込む構えのようだ。
宮崎としてはまずは独身女性に来訪して宮崎を体感してもらい、あわよくばイベント当日に地域の男性などと、カップル成立まで行ってもらえばとの思惑なのか。
かつて新婚旅行のメッカと言われた街だけに、プロジェクトにはその復活はもちろん、新しいカップルの旅先をめざす狙いもあるようだ。イベントの次ぎはドライブでも婚前旅行でも何でも良いから、宮崎に来てほしいということだろう。恋旅という意味深なタイトルに、宮崎の下心が透けて見える。
一方、TGCの実行委員会やイベント会社F1メディアにとっても、地方自治体との共催にはメリットがある。タレントのギャラ、ステージの設営などイベントの「原資」を不確かなチケットやスポンサーの収入に頼らず、「税金」という安定資金で賄えるからだ。
自治体を味方に付ければ、地方では難しいスポンサー営業や協賛金回収のリスクもない。ファッションイベントの新しいビジネスモデルになりつつあると言える。
出演タレントは西山茉希、トリンドル玲奈、道端アンジェリカなどだそうだが、地元だから蛯原友里も出演するのだろうか。まあ、東京でもモデルのギャラはたかが知れているし、不況によりCMのタレント契約も頭打ちだ。それゆえ、タレント事務所はアカウント先として限界値の見える東京より、収益が確実な公共事業、いわゆる「地方営業」に狙いを定め始めたと言えなくもない。
もっとも、「コレクション」と言う名称を使う限り、正しい意味はデザイナーがシーズンごとに発表するモードなクリエーションのお披露目の場である。しかし、最近は東京ガールズをはじめ、名古屋、神戸、福岡アジアと地方都市名がつく○○コレクションは、中国製などチープなトレンドファッションをタレントが着てランウエイを闊歩する「客寄せ興行」と化している。
高額なアリーナ席のチケットを手に入れてやってくるお客のお目当ては、ファッションというよりリアルなタレント見たさ。つまり、主催者側にとって「集客性があれば『目的』は何でも良い」わけで、それはよそからお客を呼びたい自治体の思惑とも合致する。
もちろん、宮崎の場合、観光客を呼んでお金を落としてもらうのが、地域経済を活性化させる上で重要なのことは承知している。その意味で今回のプロジェクトは理解できるし、行政がファッションイベントに公金を拠出するのは止むなしかもしれない。
ただ、福岡を見ると、行政が「ファッション産業の振興」「人材育成」「情報発信」をイベントの目的にしながら、その達成度合いは十分に検証されず、地元業界の大半は置き去り。それどころか、完全にローカルテレビ局や他県のイベント会社、東京のタレント事務所の収益対象になってしまった。はたしてこのような公共事業が許されていいのか。
テレビ局やイベント会社がプロモーターになって、チープなSPAブランドとタレントで仕掛ける客寄せ興行に異論を唱えるつもりはない。勝手にやればいい。
しかし、その収益の保障がないからと税金という安定資金に目を付け、何でもかんでも口実にして行政にすり寄る業者がいるのも、宮崎のケースを見れば明らかだ。ファッションがずいぶん軽く見られているし、あまりに節操がないやり方である。
そのプロジェクト第1弾が「TGCスイートクリスマスエディション・サポーティッド・バイ宮崎恋旅」と銘打つ企画で、TGCと共同でF1層と呼ばれる20代から30代前半の女性を呼び込む構えのようだ。
宮崎としてはまずは独身女性に来訪して宮崎を体感してもらい、あわよくばイベント当日に地域の男性などと、カップル成立まで行ってもらえばとの思惑なのか。
かつて新婚旅行のメッカと言われた街だけに、プロジェクトにはその復活はもちろん、新しいカップルの旅先をめざす狙いもあるようだ。イベントの次ぎはドライブでも婚前旅行でも何でも良いから、宮崎に来てほしいということだろう。恋旅という意味深なタイトルに、宮崎の下心が透けて見える。
一方、TGCの実行委員会やイベント会社F1メディアにとっても、地方自治体との共催にはメリットがある。タレントのギャラ、ステージの設営などイベントの「原資」を不確かなチケットやスポンサーの収入に頼らず、「税金」という安定資金で賄えるからだ。
自治体を味方に付ければ、地方では難しいスポンサー営業や協賛金回収のリスクもない。ファッションイベントの新しいビジネスモデルになりつつあると言える。
出演タレントは西山茉希、トリンドル玲奈、道端アンジェリカなどだそうだが、地元だから蛯原友里も出演するのだろうか。まあ、東京でもモデルのギャラはたかが知れているし、不況によりCMのタレント契約も頭打ちだ。それゆえ、タレント事務所はアカウント先として限界値の見える東京より、収益が確実な公共事業、いわゆる「地方営業」に狙いを定め始めたと言えなくもない。
もっとも、「コレクション」と言う名称を使う限り、正しい意味はデザイナーがシーズンごとに発表するモードなクリエーションのお披露目の場である。しかし、最近は東京ガールズをはじめ、名古屋、神戸、福岡アジアと地方都市名がつく○○コレクションは、中国製などチープなトレンドファッションをタレントが着てランウエイを闊歩する「客寄せ興行」と化している。
高額なアリーナ席のチケットを手に入れてやってくるお客のお目当ては、ファッションというよりリアルなタレント見たさ。つまり、主催者側にとって「集客性があれば『目的』は何でも良い」わけで、それはよそからお客を呼びたい自治体の思惑とも合致する。
もちろん、宮崎の場合、観光客を呼んでお金を落としてもらうのが、地域経済を活性化させる上で重要なのことは承知している。その意味で今回のプロジェクトは理解できるし、行政がファッションイベントに公金を拠出するのは止むなしかもしれない。
ただ、福岡を見ると、行政が「ファッション産業の振興」「人材育成」「情報発信」をイベントの目的にしながら、その達成度合いは十分に検証されず、地元業界の大半は置き去り。それどころか、完全にローカルテレビ局や他県のイベント会社、東京のタレント事務所の収益対象になってしまった。はたしてこのような公共事業が許されていいのか。
テレビ局やイベント会社がプロモーターになって、チープなSPAブランドとタレントで仕掛ける客寄せ興行に異論を唱えるつもりはない。勝手にやればいい。
しかし、その収益の保障がないからと税金という安定資金に目を付け、何でもかんでも口実にして行政にすり寄る業者がいるのも、宮崎のケースを見れば明らかだ。ファッションがずいぶん軽く見られているし、あまりに節操がないやり方である。