最終リハーサルから一夜明け、目覚めた時には昨日の演奏に対する違和感の原因がはっきりしていた。
だんだん遅くなりながら音圧が雪だるま式に膨れ上がっていく箇所のテンポの落とし方が足りない、迫力不足、と感じていた。
ゲネプロ(写真)は時間が押していて、1回通す時間しか無かった。「マエストロに言いたい事があれば、ゲネプロが終わってから」とマネージャー氏に言われていたので、演奏後にそのことをお伝えした。快く了承して下さったが、この場に及んでテンポを変える事が可能かどうか…。
サントリーホール。エントランスでは女性スタッフ達が黙々と客の入りに備える。
開場10分前になると切符切り、クローク、コーヒースタンド等のスタッフは全員直立不動になる。
午後1時、ホール入口の機械仕掛けの人形がチャイムを奏で、開場。ホールの中からこの瞬間を迎えるのは初めてだ。
第1部の演奏が始まったが上の空で、3曲演奏した団体でも、2曲しか記憶に無い。
ただ、どの曲も限られた時間の中で、「こうすれば受ける」という聴き所が盛り込まれ、それらの見本市のようだった。トランペット、トロンボーンが8人ずついたり、アマチュアは贅沢だ。
隣の席の河添氏によると、これらの曲はコンクールでよく演奏されるのだそうだ。なるほど、演奏技量を審査するには、皆が似たような曲を弾いてくれた方が審査し易い。
それに比べ、自分らの曲は「場違い」と思われるのでは?と冗談半分に河添氏と話した。実は、吹奏楽の作品が本番で演奏されるのは、僕は初めて。
第2部、拙作の演奏が始まった。
マエストロにお伝えしたことは、やはり殆ど変わっていなかったが、それは既に独自のテンポ設計が出来上がっていたからだろう。むしろ別の箇所をじっくりと演奏した。
それも良かった。テンポとは、げに生き物なり。
ホールでの響きは練習場とは全く別物で、まろやかに光り輝き、細かい事よりも大きな造りで考える事の大切さに気づかされた。 ♫ 試聴
演奏が終わって、福士会長や坪能・大会実行委員長から祝福の握手を頂いた。
楽屋には持ちきれないほどの花束!
家内が、お花を用意できなくて申し訳ないと伝えてとのことでした。
長男も憧れの須川展也さんが出てきたので大喜びでした。
これからも応援してますので、演奏会の折はお知らせください。お花も忘れずに持って行きます。
今後もご都合が付きましたら是非お越し下さい。
シミポンさん、そしてご家族の方のご活躍をお祈りします。