チェンバロは藝大の大学院生の時、週に1回「通奏低音奏法」ゼミで学んでいた。
しかしそこでのレッスンは数字付き低音の実施であり、今回チェンバロの現代作品を書くにあたって音色の指定をどう書くか、についてはゼロから模索することとなった。
当然のことながら、チェンバロ音楽はバロックで一旦終焉したので、流通している楽譜はバロックのものばかりだ。
それらの楽譜には音色の指定など一切書かれていない。
そこでインターネットで検索し、リゲティのチェンバロ作品「コンティヌム」の無料楽譜を参考にした。
ここには強弱記号の代わりに「8'」、「4'」、「16'+8'+4'」等と書かれている。拙作にはそれに加え、「peau de buffle」を加えた計4種の指定をすることにした。
作品は完成し、昨日発送した。
「ピアノに憧れるチェンバロ」ではなく「ピアノが憧れるチェンバロ」を掘り起こしたいと願って…。
==フランス人bleulavandeさんのコメント==
良く書けてます。ちょっと質問。現代の作曲家であるあなたにとって、バロック音楽ってどう思う?
==僕の返答==
バッハの「平均律」は「旧約聖書」に匹敵すると言われていて、僕も確かにそう思う。だけど特に「半音階的幻想曲とフーガ」「ゴールドベルグ変奏曲」は傑作中の傑作。一方スカルラッティの幾つかの作品は面白い。スカルラッティの曲にはバッハの厳格さは無いが、諧謔性があり、それはバッハには無い。
==bleulavande==
詳細をありがとう。私の娘は2年間チェンバロを弾いてたけど、チェンバロの奏法はピアノとは全然違うわね。私にはチェンバロの楽譜は演奏不能に見えるわ。数学者でなければ!
==僕==
娘さんは今もチェンバロを弾くの?出版したら僕の曲を弾いて欲しいなあ。チェンバロにはピアノのようなペダルが無いから、延ばす音を全部書かなくてはならず、複雑な楽譜にならざるを得ない。
==bleulavande==
いいえ、娘は弾かない。先生は能力のある人だったのに。彼はバロックをジャズの様に即興で弾いた。彼の演奏を伺わせるビデオを付けるから、コメントを送るといいわ。
==僕==
ビデオをありがとう。全ては出版の後。ところで君が「数学者でなければ!」と言ったのは、数字付き低音の事だよね。
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