銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

矢部の湯(横浜・戸塚)

2017-05-04 16:49:41 | 銭湯
JRか市営地下鉄の戸塚駅を下車。徒歩にして2分ぐらいだろうか。ちょっと歩くだけで、矢部の湯の煙突がみえてくる。



▲駅からまっすぐ歩いた曲がり角


▲歴史を感じさせる看板


▲昭和臭がプンプンする渋い入り口


入り口はものすごく老朽化した建物で、入り口時点で二の足を踏んでしまう陋屋ぶり。
しかも隣の食べ物屋も負けじと古く、この辺では特に異彩を放っている。


入り口に入ると、下足箱があり、傘立てとタイル絵。もったいないことに、タイル絵は傘立てに隠れている。
扉を開けると、番台には年配の女性。女湯にいるお客さんのマシンガントークに付き合ってて、一向に途切れる様子がない。
タイミングを見計らって話しかけると、ロッカーの鍵が渡される。鍵は帰るときに再び返す仕組みだ。


脱衣所のロッカーは壁際と島。島のロッカーは昔ながらの低いタイプで少し使いづらい。
天井は格天井。椅子には若い人が座っていた。来たときは入浴客が少なかったのだが、帰り際はドッと押し寄せてきて、しかも若い人が多かったのには驚いた。


浴室は、最初に入って目を引いたのがカラン。とても背の低い島カランで、こんなに小さなカランがあるのかと驚いた。
それとシャワーはないわけではなく、男湯だと左の壁際にある。両端にハンドシャワー。


浴室の奥に浴槽があって、3つに分かれている。左が深浴槽で、少し泡が出ていたが、これをバイブラと呼ぶにはあまりに貧相な泡。
たぶん壊れたままなのだろう。主浴槽となる真ん中はちゃんと生きてるバイブラ。右が薬湯。


お湯の温度は、温度計が50℃となっていたが、50℃だと生身の人間が入っちゃいけないレベルだ。
なのでありえないけど、おそらく45℃前後。薬湯は少しぬるく、たぶん43℃ぐらいかもしれない。


主浴槽の前には床にねそべったおじいちゃんが左右に首をふりながら時折お湯を汲んで体に掛けていた。
湯冷めに座り込んでいたのかもしれないが、ずいぶん自由な銭湯である。
それと、湯船からあがる時は、脱衣所で湯あたりか貧血なのか、倒れている人もいた。他人ごとと思わず、自分も気をつけたいと思った。


壁画は、富士山。季節は初夏ぐらいだろうか。
それにしても所々ハゲており、塗り直さないのかと思ってしまうほどひどい剥落ぶり。
壁画だけでなく、浴室全体がそんな感じで、正直言うとみすぼらしい。しかし、こういうところだからこそ若い人がくるのだから不思議だ。
これもレトロな雰囲気を醸し出す演出の一つなのだろうか。


【評価チェック箇所】
・アクセス(道程) 駅からかなり近い
・周辺の環境 駅前近くなので、なんでもある
・混雑ぶり けっこう混んでた
・清潔さ ふつう
・接客 ふつう
・客層 高齢者が基本的に多いが、若い人も目立つ
・脱衣所 かなり老朽化してる
・休憩所 椅子があるのみ
・シャワーの出 ふつう
・男女入れ替え なし
・備え付け なし
・貸しタオル あり
・サウナ なし
・温度 それなりに熱い
・壁画・眺望 ぺんきのハゲた富士山


【案内】
住所
〒244-0002 横浜市戸塚区矢部町4
電話
045-881-6954
営業時間
14:00〜23:00
定休日
毎週月曜日
※神奈川公衆浴場業生活衛生同業組合HP転載