銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

天然温泉くさつ

2017-03-12 13:19:44 | 銭湯
京急井土ヶ谷駅を降りて、歩くこと3分。幹線道路沿いに天然温泉くさつがある。井土ヶ谷自体ははじめて降りたので、地味な駅とは裏腹に雑然とした駅前に驚かされた。
訪れたのは、開店して間もなくだったがそれなりに人が入っていた。入り口に入ると、靴を靴箱に入れて鍵を取り、2階にあがると自販機でチケットを買って、靴箱の鍵をカウンターに預ける。代わりにロッカーの鍵を手渡される。ロッカーの鍵は当然番号が振られており、自分の好きな場所は選べない。店内の作りは、それほど古くなく新しくもなくといった感じだが、体重計だけはなぜか昔の目盛りタイプ。
扉を開けて中に入ると、手前左右にカランがあり、奥側に水道水の浴槽と天然温泉が区切られている。水色のタイル張りで、懐かしさを感じさせる。湧出口には、必ず「この水は飲めません」との表記。わざわざ飲む客がいたということか。水道水の風呂には座風呂と、電気風呂、ジェットバス(名称がたしか違ったが、そんな感じの設備)がある。ジェットバスはなかなかの勢いだ。温度計は41℃を示していたが、足を入れたときは熱く感じたのは体が冷えていたからだろうか。
内風呂の天然温泉のほうは、44℃。黒湯のバイブラとあっていかにも熱そうだが、水道水の風呂に入ったあとだと、こちらはそんなに熱くも感じない。
入って左側にサウナ(別料金)と水風呂。その隣に岩風呂がある。岩風呂は正確には露天風呂ではないが、外気浴をすることができる。こちらの岩風呂も天然温泉だが、温度がぬるい。天井の窓ガラスから自然の採光があり、いい雰囲気だ。ただ、曇りの日だとかなり暗いと思う。客層は、ほとんど高齢者。
休憩所は、奥にそれなりの広さを確保した食堂があり、値段はリーズナブルである。
カウンターの従業員は、こうした施設だとだいたいおばちゃんなのが相場だが、若い女性が対応してくれた。このあたりはなかなか良いお店である。

評価チェック箇所
・値段 470円
・アクセス(道程) かなり近い
・周辺の店 駅前にいろんな飲食店やコンビニがある
・休憩所 ソファにテレビ。一般的な銭湯では普通の広さ
・混雑ぶり それほどでもない
・清潔さ 問題なし
・接客 普通
・客層 高齢者が目立つ
・脱衣所 普通
・キャパシティ 間に合ってる
・洗い場仕切りの有無 なし
・シャワーの出 ちょっと良くない
・温度 ちょうどよい
・高低差 なし
・眺望 まったく外がみえない。幹線道路沿いのため仕方ないだろう
・食事 食べてない

港北の湯

2017-03-09 06:45:33 | 銭湯
最寄り駅は、新横浜駅とする港北の湯。この店も駅から離れてるため、車かバスは必須だ。大手チェーン店のように送迎バスがあればいいが、そうしたサービスは行っていない。近くにはIKEAがあるので、一部ネットではIKEAの無料送迎バスに乗ればいいという助言もあるが、こういうマナー違反はおすすめできない。市営バスの300系統仲町台行きに乗車して新開橋に下車か、遠方から車ならば港北ICを降りてすぐだ。バスに乗ると日産スタジアムの横を通り、橋を渡って高速道路の下をくぐるとIKEAがみえてくる。このはす向かいに港北の湯がある。
港北の湯はスーパー銭湯にしては珍しく、地名が店の名前となっている。普通のスーパー銭湯だと極楽湯、おふろの王様、湯楽の里といったイメージ的な名前で、そのあとに地域名○○店が付くが、港北の湯はそのまま港北の湯である。そのためおそらくチェーン展開する野心はないのだろう。地元に根を張ったスーパー銭湯である。
建物に入ると、一階は駐車場となっており奥は「酒・食品のツカサ」がある。このツカサが港北の湯を運営してる会社だ。そのためスーパー銭湯に酒屋さんがあるのではなく、酒屋の敷地にスーパー銭湯があると解釈すべきだろう。
上階にあがると店の玄関があり、その横には散髪、マッサージ、奥は食事処と一般的なスーパー銭湯と同じサービスが用意されている。敷地はやや小さめながら、サービスの種類はほかにひけをとらない。入浴チケットを購入して受付を済ませ、上階にあがると男湯がある。さらに上が女湯だ。ここはとにかく上昇移動が基本である。
内風呂もまた一つひとつは小さいながら、種類が豊富である。露天風呂には、炭酸泉、それとここの売りである天然ラジウム鉱石ミストサウナがある。「玉川温泉と同質の鉱石」を使用とあるので北投石ではなくオーストリアあたりの石だろう(北投石は天然記念物に指定されてるため合法的に手に入れることは不可能)。
それとつい最近までなかったはずの炭酸泉がいつの間にかあって驚いた。酒屋の副業(?)にしては、しっかりトレンドをキャッチして設備投資をしている。このあたりに運営会社の熱意を感じる。また高濃度炭酸泉をうたいながら全然高濃度じゃない炭酸泉もある中、ここはしっかり濃い炭酸をあびることができる。ここにしかないという特別な施設はないが、接客や清掃も含め一つひとつがしっかりと仕事をしており、平均値の高いスーパー銭湯である。
それともう一つ指摘すべき点は、店内で売られてる飲料が安いことである。これは階下にあるツカサで売られてる値段とバランスを取るためなのかもしれないが、酒屋としてのプライドを覗かせる良心価格である。
それだけにツカサが運営するスーパー銭湯が港北の湯しかないというのは非常に残念だ。それと、立地場所があまり良くないのも目下課題だろう。車でのアクセスは良いが、車をもたない客になると面倒な場所である。港北の湯には是非とも送迎バスを検討してほしいと思う。

評価チェック箇所
・値段 普通
・アクセス(道程) 良くない
・周辺の店 IKEA、コーナン
・休憩所 まあまあ
・混雑ぶり そんなに混雑してない
・清潔さ 良い
・接客 良い
・客層 バランス良い
・脱衣所 普通
・キャパシティ 見合ってる
・洗い場仕切りの有無 なし
・シャワーの出 勢いよくでる
・温度 普通
・高低差 ちょっとある。建物は上下移動が原則。バリアフリーは問題なし
・眺望 空しかみえない
・食事 食べたことなし。ただし飲料が軒並み安い

竜泉寺の湯横浜鶴ヶ峰店

2017-03-07 12:41:25 | 銭湯
竜泉寺の湯横浜鶴ヶ峰店は、相鉄線鶴ヶ峰とJR横浜線中山駅あるいは鴨居駅のちょうど真ん中あたりに位置する。そのため最寄り駅といっても歩いて行くのは困難で、車かバス、送迎バスを利用するしかない。
中山駅からの送迎バスは北口のロータリー付近から出発して、ほぼ隣駅の鴨居近くまで走る。それだとはじめから鴨居発で良かったのでは?と思うのだが、おそらく手狭なため発着場所が確保出来なかったのかもしれない。
勾配のある坂道をのぼると白山高校がみえてくる。白山高校は、温泉を舞台にした映画テルマエロマエで主人公を演じた阿部寛の母校でもある。白山高校を通り過ぎるとすぐ近くに千丸台団地があり、その一画に竜泉寺の湯をみつけることができる。完全な住宅街の真ん中ながら、建物はほかのスーパー銭湯と比較してもかなり大きい。
建物の大きな理由の一つは、入浴施設や駐車場のほか、充実した休憩所にあるだろう。食事処にミニゲームセンター、チビっ子の遊び場、マッサージチェア、それとなによりも畳の敷かれた休憩所は、テレビをみたり談笑したり寝っ転がってもいい。非常に自由度の高い休憩所である。
それとなによりも刮目すべきはその入浴料だ。とにかく安い。平日休日問わず大人600円。しかも朝6~9時の間は500円。これは横浜の銭湯が物価統制令で470円であることを考えると破格の値段である。
そのため入浴料で稼ぐのではなく休憩所でお金を落としてもらおうという算段なのだろう。実際に食事処の値段は、ほかのスーパー銭湯と比べてやや高めである。
肝心の入浴施設はというと、これもまたよくできている。竜泉寺の売りは高濃度炭酸泉(三菱レイヨン製)で、浴室に入ると目の前に大きな炭酸泉が現れる。これほど大きな炭酸泉はほかにみたことがない。この規模を維持するとなると、ランニングコストは馬鹿にならないだろう。ほかサウナが2つあって、水風呂はささやかな大きさだが、考え得る種類の温浴設備が用意されている。露天風呂も天然温泉だ。
ここまで紹介すると、文句ひとつない完璧なように思われるが、重大な問題点もある。それは、シャワーの出が非常に悪いことだ。これはほかのスーパー銭湯で遭遇したことのない致命的な欠点といえる。人気があるのは分かるが、いざ体を洗おうとするとシャワーからでるのはチョロチョロとしたお湯。最初はたまたまかと思ったが、行くたびに遭遇する。百歩譲って偶然が重なったとしても、これは要改善だろう。規模のわりにキャパシティーが間に合っていないのが現状である。
客層は、年齢的にはバランスが良い。店内は浴室休憩所問わずほどよい賑やかさがある。お湯の温度はほかのスーパー銭湯と同じ40℃前後。炭酸泉は38℃だが、炭酸の濃度が高いせいかすぐに体が熱くなる。
施設も清潔感があり、休憩所が充実してて客層も悪くない。家族と訪れるには絶好の銭湯といえる。

評価チェック箇所
・値段 安い!
・アクセス(道程)車やバスがないと無理
・周辺の店 近くにまいばすけっとがある。少し離れたところにコンビニ
・休憩所 充実してる
・混雑ぶり 時間問わず混雑してる
・清潔さ 素晴らしい
・接客 普通
・客層 バランスがよい
・脱衣所 広さ十分で清潔
・キャパシティ 一部足りない
・洗い場仕切りの有無 あり
・シャワーの出 悪い
・温度 無難
・高低差 ほとんどない。少し段差
・眺望 空がみえるだけ
・食事 ソフトアイスクリームがおいしい

鷲の湯

2017-03-06 19:21:03 | 銭湯
JR横浜線大口駅から大口商店街を抜けて、歩くこと10分。国道沿いに目をやると鷲の湯をみつけることができる。
訪れたのは3月初旬の土曜日、日が沈む前の夕方頃。以前訪れたときは午前中で客はまばらだったが、夕方はごった返している。
鷲の湯は男女日替わりになっており、森林乃湯と野天乃湯というのがあるが、今回は野天乃湯だった。
脱衣場は昔ながらの趣で、昭和のにおいを醸し出している。普段はスーパー銭湯を通っているので入ってすぐに気が付くのだが、床があきらかに濡れている。このあたりはやはり昔の銭湯といった感じだ。スーパー銭湯は床が排水と揮発の優れた床材を使っているため、床の濡れをほとんど気にしないで済む。鷲の湯も定期的に従業員が床を拭いているが、床の材質上、おのずと限界があるだろう。
それとロッカーの鍵もスーパー銭湯のように内側に仕舞い込めるタイプではなく、番号札にリングが付いているだけのもので、腕に鍵を巻いたまま頭を洗おうとすると、鍵があばれて頭にぶつかってしまう。こういう細かな部分は、スーパー銭湯に負けてる部分だ。
とはいえ、鷲の湯のような健康ランドにも、スーパー銭湯に負けない強みがある。
その一つは、温度の高さだ。
スーパー銭湯は、一般的に誰もが入れる温度となっているが、健康ランドは百戦錬磨の屈強(?)な男たちが相手。
いちど健康ランドの刺激的な温度に慣れてしまうと、スーパー銭湯のぬるさに満足できなくなってしまう。このあたりは人の好みにもよるだろうが、温度が高いほど脳内麻薬がでるらしいので、まさに病みつきになる。
鷲の湯の構成は、野天乃湯だと広めに作られた水道水の湯船に、ラジウム湯、ジェットバス、電気の湯、打たせ湯、アロマバス、水風呂、それと露天風呂、別料金になるがサウナと銭湯の値段で入れるにしては種類が豊富。コストパフォーマンスの優等生だ。
水道水の湯船は感覚的に42℃。ラジウム湯は、温度計が46℃近くを示している。さすがにそれぐらいの温度になると、どっぷり浸かってる客はほとんどおらず、肩までつかっても1~2分であがってしまう客がほとんどだ。
露天風呂の広さは、猫の額ほどの申し訳ない程度だが、反復浴をルーチンとする自分としては、外気浴ができるスペースはありがたい。火照った身体を冷やし再び熱い湯に身を投じるのはこのうえない喜びである。
客層は、一般的なスーパー銭湯と比較すると高齢者が目立つ気がする。刺青をした人も何人か目にした。このあたりは、スーパー銭湯に弾かれた人たちの受け皿となってるのだろう。それとマナーに関してはかなり悪いといえる。洗い場で私物をそのまま放置した客が目立つ。これはスーパー銭湯だと有り得ないひどさだ。ほとんどが高齢者で、おそらく地元の客だろう。自宅のような感覚なのかもしれないが、自分のような余所者からすると眉をひそめたくなる。もっとも最初は嫌悪感を覚えたが、みんながみんなやってるものだから、最後は笑うしかなかった。
鷲の湯の売りは、ラジウム湯。天然記念物に指定された北投石をなぜか保有する鷲の湯では、玉川温泉に近い状態でラジウム湯を満喫することができる。とくに打たせ湯はおすすめだ。
スーパー銭湯と比較するとこじんまりとした印象だが、狭い範囲ながらたくさんのお風呂を楽しんでもらおうとする意欲的な営業努力を感じることができる。スーパー銭湯に飽きを感じ始めてきた人にはぜひ訪れてほしい銭湯である。


評価チェック項目
・値段 良好470円
・アクセス(道程)ほどほど 徒歩10~15分
・周辺の店 近くにコンビニ、八百屋さん
・休憩所 椅子とテレビ、食堂あり
・混雑ぶり 午前中はすいているが夕方は混雑してる
・清潔さ スーパー銭湯と比較すると少し汚い印象
・接客 年配のおばちゃんが好印象
・客層 10代の若者1割。おじさん4割。残り高齢者といった感じか
・脱衣所 床が濡れてるのが不満。体脂肪率をはかれる体重計がある
・キャパシティ 間に合ってる
・洗い場仕切りの有無 なし
・シャンプーほか 置いてある
・シャワーの出 ちょうどよい。ひねれば出続けるためスーパー銭湯のように何度もボタンを押す必要なし
・温度 熱い42~46℃
・高低差 なし
・眺望 露天風呂から空がみえるだけ
・食事 食堂はあるが食べなかった。値段はリーズナブル