穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

リスベットの拳銃にこだわりますが

2012-03-25 11:32:46 | ミステリー書評

火と戯れる女(下)ハヤカワ文庫401ページ。

出撃する彼女が二つの拳銃から選ぶところがあります。ここに出ているコルト1911ガバメントは45口径。クリントイーストウッドがド田舎の淫売宿兼営のバーでよくぶっ放す大砲です。

サランデルが小女であることがキャラの売りです。身長150センチ、体重40キロ。また彼女はボクシングのジムに通っていたことがありますが、蚊のようなパンチであったことが書いてあります。パンチと握力は直接関係しませんが、相関は強いでしょう。それに拳銃の反動をコントロールするには上腕の筋力も重要ですから彼女には扱えるはずか無い。

彼女は結局ポーランド製のp-83を持っていく。之は口径9ミリ、たしか38口径に相当する。ヨーロッパはミリで表現するわけですね。口径が7.85でも相当強力でたしかナチス陸軍の制式拳銃にもありました。45口径よりは小さいがとても彼女が扱えるはずがない。

この作家はハッカー情報にもうんちくを披露していますが、こんなところを読むとこの方面の知識もインチキではないかと思います。