スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

棋王戦&観念の定義

2008-02-23 21:37:11 | 将棋
 棋王戦五番勝負第二局。もしかしたら一手損角換りシリーズになるかもしれないと思っていたのですが,羽生善治二冠の作戦はごきげん中飛車。佐藤康光棋王は絶対といっていいほど③Bに進め,本局もそうなりました。
 所用を済ませて観戦を始めたのが第1図の局面。その前,44手目の△4四角が決断の一手で中盤の難所といえるところと思います。後手はかなり考えて△6四銀引としました。
          
 この後,後手が桂損して馬を作る展開となって第2図。ここで先手もかなり考えていましたが,▲2七飛と銀を守りました。手番を渡すような感じで,この手は少々意外でした。
          
 ▲2七飛に対しては千日手を狙う手段もありましたが後手は△1五桂。指せるとみての打開と思います。第3図まで進んだところでは,攻め駒は不足していますが,先手の指し方が難しいように思え,後手が指しやすいのではないかと思っていました。
          
 ここから第4図までは僕が観戦しながら検討していた予想手順のひとつの通りに進みました。しかし僕の検討通りに進むようではむしろどこかに問題があるような気がします。
          
 第4図から▲8四歩。金が質駒になっているのに手抜いて△6五歩はびっくりしたのですが,こう進めるところなのでしょう。この後,先手はもたれるような指し方をして後手が反撃に。先手は必然手が多いので大体予想通りに進んだのですが,ここも予想通りなので後手の指し回しには問題があったかもしれません。そうして迎えたのが第5図。
          
 ここで△6四銀というのは僕には絶対に思い浮かばない手。こういう手が出たからには後手の勝ちになったのだろうと思いました。ところが実戦は第6図のように進み,ここで△8七銀▲同金から詰ましにいきましたがこの先手玉は詰まないために先手の勝ちになっています。
          
 第6図から,△8七銀▲同金に△同桂成といくのも,▲同玉は詰みですが▲同馬で詰まないようです。
 第一局では懸命の粘りが報われなかった佐藤棋王ですが,ここは相手のミスを誘って逆転勝ち。シリーズも1勝1敗になりました。次からも白熱した戦いが見られそうです。第三局は3月8日。また土曜日です。

 明日はフェブラリーステークスです。やはりヴァーミリアン◎が中心にはなりますが,距離,ローテーションからも,絶対的な信頼は置けないでしょう。ワイルドワンダー○,フィールドルージュ▲,メイショウトウコン△,ブルーコンコルド△,ロングプライド△まで。

 また,東西王座戦も決勝を迎えます。まず。山崎-佐藤-岡部の北日本,武田-神山の茨城栃木,平原-後閑の関東,新田-渡辺の静岡。迷いますが佐藤選手。西は永井-浜口の岐阜に中部で小嶋,この後ろに小倉。石丸-三宅の岡山,北津留-西川の九州,香川は単騎。小嶋選手の出方によるわけですが,浜口選手で。

 これにより,『エチカ』における観念の定義の流れというのを理解することができます。すなわち観念はまず,観念とは何かということが,前々回のテーマであった第二部定義三において定義されます。ここでは一般的に観念なるものが定義されているわけですが,この観念そのものをもしも観念のふたつの特徴からみた場合には,混乱した観念と誤った観念が除外されている点にも注意してください。それではこの定義の妥当性に疑問が生じるようですが,この妥当性の根拠には確たるものがあるのであって,とくに定義の実在性という観点から考えたとき,それは一層強固なものであるといえると思います。
 続いて第二部定義四では,それ自体で知られ得るような第一部公理六に依拠することによって,今度は十全な観念なるものが定義されるわけです。そして『エチカ』における観念の定義というのはこれだけです。というか,これで十分なのです。なぜなら,事物の定義というのはその事物の本性と発生とを示すわけですが,今は発生を無視してとくに重要であると考えられる本性の方に着目しただけで,真の観念の本性を示そうとするならば,それは十全な観念に注目するという意味ですから,真の観念としては定義することができません。一方,混乱した観念は無なのですから,そもそもそれの実在性を定立するような固有の本性自体がないと考えられ,よってそれもまた定義することができません。最後に,誤った観念というのは外的特徴からみられる限りでの混乱した観念のことなのですから,混乱した観念を定義することができない以上,同様に定義することができないようなある観念であるといえるからです。
コメント
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