木村一基八段が3連勝した後,深浦康市王位が1勝を返して迎えた第50期王位戦七番勝負第五局。
深浦王位の先手で角換り相腰掛銀先後同型。しっかりした定跡もありますので1日目から激しい戦いとなり,72手も進みました。
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第1図が封じ手。後手が△8一飛と引いたので生じた手で,以下は△8四飛▲3三歩成△同銀▲4五桂(第2図)。これは7二に角を打ってあるので成立する手です。反面,第1図からは,▲1二歩△同香▲1一角のような攻め筋もあり,それはできなくなりました。ただ,実戦の順を選んだということは,深浦王位は桂馬を跳ねるこの順の方が有力であると判断したと推察できます。
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第2図からは,後手はこの角を飛車と刺し違えて寄せにいく指し方を選びました。
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結果的にみますと第3図からの▲4二歩の垂らしが巧妙だったようです。後手は▲4一飛~▲3四桂を防ぐためにそこで△4三銀と引きましたが,▲4一歩成△2二玉▲3五桂△3四銀▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲3四飛で手順にこの銀を取られてしまいました。そこで△8七歩(第4図)。
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詰めろで垂らされ取ることもできないので先手ピンチにも見えますが。ここで▲3一銀。取るのは▲2三桂成で詰むので△1三玉ですが▲1四歩△同馬で先手玉の詰めろが消えたので▲2一飛。△8八銀▲6八玉△1二香に▲2三桂成と取り,△同金▲3三飛成(第5図)で後手玉に必至がかかりました。
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以下は先手玉が詰むかどうかですが,これは詰まず,先手の勝ちとなりました。
ここも深浦王位が踏ん張り第六局へ。これは来月8日と9日です。
入院のために最初に入ったHCUという部屋がどんなところであったのかを説明しておきましょう。
基本的にここはかなり大きな部屋を,中央の立てかけ式のカーテンで半分ずつに区切ってありました。カーテンの向こう側にはもうひとり,僕とは別の患者がいました。看護士と話しているような声は聞こえましたけれども,ベッド上安静というのはお互いに同じですから,どんな顔の人であったかということはまったく分かりませんでした。
このようにふたつに区切ってあってもこの部屋は広かったです。後に移動した4人部屋の一般病棟とは雲泥の差。僕がベッドで仰向けになると,右側中央が入口のドア。左側が窓でしたが,この左側の奥行きはかなりありました。ベッドの右手側には作業台のようなものがあり,検査のための注射の際などには看護士がここを使いました。採血などは深夜にもあるため,大きなライトも備え付けてあったのですが,これは消すことが許されなかったので,眠るときには閉口しました。一方,左手側にはパソコンがあり,これは投薬などのときにやはり看護士や医師が使用しましたが,病院の案内なども見られるようになっていました。また,カードが必要でしたが,このパソコンでテレビも見られました。そのパソコンの下に小さ目の冷蔵庫があって,これはテレビ用のカードと同じカードで動くようになっていました。
この奥がまだあって,そこに着替えなどの荷物が置いてありました。また,椅子があって,見舞い客はそこに座れるようになっていました。もっともこの部屋にいた間にやってきたのは母だけでした。
とはいえ,僕はベッド上安静で,この部屋ではベッドから下りられなかったわけです。なので僕にとってはこの部屋の広さは,ある意味では無駄な広さではありました。
深浦王位の先手で角換り相腰掛銀先後同型。しっかりした定跡もありますので1日目から激しい戦いとなり,72手も進みました。
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第1図が封じ手。後手が△8一飛と引いたので生じた手で,以下は△8四飛▲3三歩成△同銀▲4五桂(第2図)。これは7二に角を打ってあるので成立する手です。反面,第1図からは,▲1二歩△同香▲1一角のような攻め筋もあり,それはできなくなりました。ただ,実戦の順を選んだということは,深浦王位は桂馬を跳ねるこの順の方が有力であると判断したと推察できます。
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第2図からは,後手はこの角を飛車と刺し違えて寄せにいく指し方を選びました。
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結果的にみますと第3図からの▲4二歩の垂らしが巧妙だったようです。後手は▲4一飛~▲3四桂を防ぐためにそこで△4三銀と引きましたが,▲4一歩成△2二玉▲3五桂△3四銀▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲3四飛で手順にこの銀を取られてしまいました。そこで△8七歩(第4図)。
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以下は先手玉が詰むかどうかですが,これは詰まず,先手の勝ちとなりました。
ここも深浦王位が踏ん張り第六局へ。これは来月8日と9日です。
入院のために最初に入ったHCUという部屋がどんなところであったのかを説明しておきましょう。
基本的にここはかなり大きな部屋を,中央の立てかけ式のカーテンで半分ずつに区切ってありました。カーテンの向こう側にはもうひとり,僕とは別の患者がいました。看護士と話しているような声は聞こえましたけれども,ベッド上安静というのはお互いに同じですから,どんな顔の人であったかということはまったく分かりませんでした。
このようにふたつに区切ってあってもこの部屋は広かったです。後に移動した4人部屋の一般病棟とは雲泥の差。僕がベッドで仰向けになると,右側中央が入口のドア。左側が窓でしたが,この左側の奥行きはかなりありました。ベッドの右手側には作業台のようなものがあり,検査のための注射の際などには看護士がここを使いました。採血などは深夜にもあるため,大きなライトも備え付けてあったのですが,これは消すことが許されなかったので,眠るときには閉口しました。一方,左手側にはパソコンがあり,これは投薬などのときにやはり看護士や医師が使用しましたが,病院の案内なども見られるようになっていました。また,カードが必要でしたが,このパソコンでテレビも見られました。そのパソコンの下に小さ目の冷蔵庫があって,これはテレビ用のカードと同じカードで動くようになっていました。
この奥がまだあって,そこに着替えなどの荷物が置いてありました。また,椅子があって,見舞い客はそこに座れるようになっていました。もっともこの部屋にいた間にやってきたのは母だけでした。
とはいえ,僕はベッド上安静で,この部屋ではベッドから下りられなかったわけです。なので僕にとってはこの部屋の広さは,ある意味では無駄な広さではありました。