スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典東京大賞典&ヒント

2012-12-29 18:59:33 | 地方競馬
 2012年を締め括るGⅠ,第58回東京大賞典
 フリオーソとエスポワールシチーとトランセンド。この3頭はどれにも逃げる可能性があると思っていました。エスポワールシチーは発馬で躓き,トランセンドは今日もダッシュがつかなかったのでフリオーソが逃げることに。モエレビクトリーとナムラタイタンが追い掛け,ハタノヴァンクールが好位のインに収まり,ローマンレジェンドが外。ワンダーアキュートはこれらを見る位置から。前半の1000mは62秒1でミドルペース。
 モエレビクトリーは向正面ではついていかれなくなり脱落。ナムラタイタンの外にローマンレジェンドが並び掛けて直線。ここからローマンレジェンドが抜け出しを図ろうとしたところ,外から襲いかかったのがワンダーアキュート。ワンダーアキュートの方が勢いよく見えたので,これは交わすのではないかと思ったのですが,並ばれてからローマンレジェンドがしぶとく伸び返し,最後は半馬身の差をつけて優勝。ワンダーアキュートは力尽き,内からじわじわと脚を伸ばしたハタノヴァンクールがアタマ差だけ捕えて2着。ワンダーアキュートは3着。
 優勝したローマンレジェンドは前々走のみやこステークスまで6連勝。初の大レース挑戦となった前走は4着でしたが,これはまずまずの結果といえるもので,上積みも見込めますからここはチャンスと考えていました。見事にそれを掴んで重賞3勝目が大レース初制覇。ただ,馬場状態の関係もあるのでしょうが,時計がおそろしく平凡で,このレースはそう高く評価できないようには思います。能力が高いのは間違いないところで,来年以降はこの路線の主役を務めていくことになるでしょう。父はスペシャルウィーク。半姉に一昨年のレパードステークスとクイーン賞,昨年のレディスプレリュードJBCレディスクラシック,今年はマリーンカップ,レディスプレリュード,JBCレディスクラシックと重賞を7勝しているミラクルレジェンド
 騎乗した岩田康誠[やすなり]騎手は今月は香港スプリントを制していて大レース2勝。国内では先月のジャパンカップ以来。東京大賞典は初勝利。管理している藤原英昭調教師は10月の天皇賞以来の大レース制覇。第55回以来3年ぶりの東京大賞典2勝目。

 今回の考察において,この点と最も関連があると思われるのは,第二部定理九系における原因と結果の措定です。
 僕はそこで,ある観念の対象ideatumというものがないのであれば,その対象の中には何事も生じ得ないという意味のことを述べました。これはそれ自体で明らかでしょう。そこでこの第二部定理九系から第二部定理一二が導かれるのであれば,人間の精神の本性を構成する観念の対象,ここでは再びこれを第二部定理一三に依拠してその人間の身体ということにしますが,その身体がなければ身体の中に何かが起こるということはあり得ないということになります。これもまたきわめて当然であるといえます。
 これがきわめて当然なので,僕は以前に人間身体の中に起こることというのは何かということを考える場合に,まず身体が存在するということを前提とした上で,その中に何事かが起こるという枠組みの中にいました。そして確かに人間の身体というものを現実的に実在するひとつの形相的有として,その中に何かが起こるということを考えるのであれば,それで構わないわけです。ところが,現実的に存在する人間が自分の身体の中に起こることを認識するということを考える場合,実はこの枠組みの中で考えても結論を得ることはできないということに気付いたのです。『スピノザという暗号』の中で田島正樹が示していることが僕にとってのヒントとなったということは,具体的にいえば僕がそれに気が付くことができたということなのです。
                         
 第二部定理一九が示していることは,現実的に存在する人間は,自分の身体が外部の物体によって刺激されることの観念を通じてのみ,自分の身体を認識する,この場合は知覚と概念をきちんと分節した場合には,知覚するということです。つまり,人間の精神のうちにまず自分の身体の観念があって,その前提のもとに自分の身体の中に起こることが知覚されるというのではありません。むしろ,自分の身体の観念の方が,自分の身体の中に起こることの観念を通して認識されているのです。田島がシニフィエとシニフィアンをもちだすとき,間違いなくこのことがその念頭にあったものと思われます。
コメント
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