スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

平安賞&第二部定理七備考

2014-08-03 18:53:34 | 競輪
 ペナルティーで長期欠場に追い込まれていた選手の期間が軽減され,いよいよその一部の選手たちも参加して争われた向日町記念の決勝。並びは矢野-山下の栃木茨城,石井-成清の千葉,深谷-井上の西日本,松岡-稲垣-村上の近畿。
 迷わずに深谷がスタートを取って前受け。3番手に石井,5番手に松岡,8番手から矢野で周回。残り2周半のバックから矢野がじわじわと上昇。最終コーナー付近で深谷に並ぶと深谷はホームで引きました。矢野ラインに続いていた松岡が一旦は3番手に入り,6番手に石井,8番手に深谷の一列棒状でホームを通過。バックに入ってから松岡が矢野を叩いて打鐘。石井がうまく続いて4番手,矢野が6番手,深谷が8番手と,隊列は変化したものの一列棒状のまま。松岡はそれが自分の役回りとそのまま緩めずに踏み,深谷もほとんど上がれずにバック。ここから今度は稲垣が番手捲りを敢行。村上も車間を開いて牽制。深谷は前には追いつけず,直線は村上が僅かに差して優勝。稲垣が8分の1車輪差の2着で地元のワンツー。うまく立ち回った石井が流れ込んで1車輪差の3着。
                         
 優勝した京都の村上義弘選手は3月の日本選手権以来の優勝。記念競輪は昨年9月の岐阜記念以来で通算27勝目。地元記念は現行制度以前の2000年の前節と現行制度下での2005年と2010年に優勝していて4年ぶりの4勝目。また2003年には当地で行われたふるさとダービーでも優勝しています。ここは深谷のパワーに近畿勢の連携でどう立ち向かっていくのかというレース。結束力が上回っての優勝といえるでしょう。矢野の動きをうまく利した面があり,7番手ではなく5番手を取ったのがうまい作戦だったのではないでしょうか。地元での復帰戦を優勝で飾り,村上個人だけでなく,競輪界全体にとっても良い結果であったと思います。

 かねてからやらなければならないと考えていましたが,いよいよ第二部定理七備考を詳細に検討する機が熟したようです。
 「無限な知性によって実体の本質を構成していると知覚されうるすべてのものは単に唯一の実体に属している」。
 備考のほぼ冒頭部分で,スピノザはまずそういっています。僕が考えるその理由は,このことが平行論が成立する最大の根拠であるとスピノザが考えていたというものです。つまり無限に多くの属性は,実在する唯一の実体の本性を構成します。このゆえに,ある属性と別の属性は実在的に区別されても,秩序と連結が一致し得るとスピノザは考えたのではないでしょうか。ただし第二部定理七は,思惟の属性と他の何らかの属性,ないしは思惟の属性と思惟の属性の間の平行論は成立させられますが,思惟以外の属性と別の思惟以外の属性の間で平行論が成立するということは帰結させられません。この点は見解が分かれると思われますが,これは現時点での僕の基本的認識です。
 「物が思惟の様態として見られる間は全自然の秩序あるいは原因の連結は思惟の属性によってのみ説明されなければならぬし,物が延長の様態として見られる限りは全自然の秩序もまた延長の属性のみによって説明されなければならぬ(中略)。同じことが他のすべての属性についてもあてはまると私は考えるのである」。
 こちらは備考のほぼ終焉にあたる部分です。ここでは延長と思惟以外の属性について言及されています。しかし,そうした属性と延長の属性の間に平行論的関係があるということが言及されているのではないと僕は理解します。延長と思惟以外の属性について,何が当て嵌まるとスピノザがいっているのかといえば,たとえばそれをX属性と規定するなら,ものがX様態としてみられる限りでは,全自然の秩序がX属性によって説明されなければならないということです。これは第二部定理六と同じともいえます。しかし他面からいうなら,たとえば第一部定理二一と第一部定理二二,またとりわけ第一部定理二八が,延長の属性にも思惟の属性にも妥当する定理であるならば,それはX属性にも妥当する定理であるということが含まれると僕は考えます。
コメント
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