第50回東京盃。アメージングタクトが筋肉の溶解を起こす病気で競走除外となって14頭。
発馬がよかったのはゴーディーでしたが内からコーリンベリーが交わしていくとさらに内からダノンレジェンドも並び掛けていき,この2頭が並んで逃げるレースに。控えたゴーディーが半馬身差で3番手。さらに半馬身差の外にルックスザットキルが続いて4頭が先行集団。1馬身差でプラチナグロース,半馬身差でノボバカラ,1馬身差でロイヤルクレストとなりこの3頭が好位。2馬身離れた中団はメイショウパーシー,サトノタイガー,ミヤジエルビスの3頭。1馬身差でコウギョウダグラスとドリームバレンチノ。さらに1馬身差でキクノストーム。メジャーアスリートは置かれました。前半の600mは34秒1で超ハイペースといえるでしょう。
3コーナーを回ると前の2頭が後ろとの差を一時的に広げました。ここで内に潜り込んだプラチナグロースが3番手。ゴーディーは苦しくなってその外にルックスザットキル。直線は最内に進路を取ったプラチナグロース,ダノンレジェンド,コーリンベリーの3頭が並んでの競り合い。ここからダノンレジェンドは脱落。しかし大外に進路を取ったドリームバレンチノが競り合う2頭を鮮やかに交わすと2馬身差をつけて優勝。2頭の競り合いはフィニッシュ直前まで続き,最後はねじ伏せるようにコーリンベリーが出て2着を確保。アタマ差の3着にプラチナグロース。馬場の中ほどを猛然と追い込んだキクノストームがクビ差まで迫って4着。
優勝したドリームバレンチノは一昨年のJBCスプリント以来の勝利で重賞5勝目。そのレースを勝ったことで斤量を背負わされるようになり,勝ち星からは遠ざかっていましたが,入着は多くあり,極端な能力の低下があったわけではありません。今日は展開が向いたというのはありましたが,9歳馬が58キロを背負ってこの距離で2馬身も突き抜けたのですから,立派だったといってあげていいでしょう。勝つかどうかは別に,あまり人気にはならないタイプなので,この路線のレースでは馬券の対象からは外さない方がいい馬だと思います。母は2004年の小倉2歳ステークスを勝ったコスモヴァレンチ。その父がマイネルラヴ。Valentinoはイタリア語でバレンタイン。
騎乗した岩田康誠騎手と管理している加用正調教師のコンビは第40回以来10年ぶりの東京盃2勝目。
メロスは自分がセリヌンティウスによって全面的に肯定されていることは知っていたと思われます。そうでないとセリヌンティウスの同意を得ないまま,猶予期間の人質にセリヌンティウスがなるという提案をディオニスにすることはできなかったと思われるからです。それ自体はひどいことだと僕は思いますが,事情を話せばセリヌンティウスがこの条件を受け入れるということは,自分が約束通りに戻ってくるということと同じ程度にメロスは確信できていたのでしょう。実際にセリヌンティウスは何も言わずに人質となることを受け入れたのですから,メロスのセリヌンティウス観は正しかったというべきでしょう。
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このときセリヌンティウスが人質になるということを受け入れたのはなぜかということが,おそらくセリヌンティウスの物語の中心になります。状況的にいえばメロスはそのまま逃げてしまうことができました。つまり実際に生命の危険に晒されるのは,メロスよりもセリヌンティウスであったのです。しかしメロスの親友であったセリヌンティウスは,メロスが必ず戻ってくるということ,少なくともそのために最大限の努力をするということは分かっていました。そのメロスに対する信頼が,セリヌンティウスが人質になることを受け入れる理由であったのは確かでしょう。ですが,それだけであったとは僕には思えません。
セリヌンティウスがメロスを親友のひとりに選別したのは,メロスの正義に対する愚直なまでの純真さであって,たぶんそこに畏敬の念を抱いていたのです。だからメロスから事情を聞かされたセリヌンティウスは,メロスがなした行為について,大して驚くことはなく,むしろメロスであればいかにもやりそうなことだと感じられたのではないかと思います。そしてセリヌンティウスはそういうメロスのことを肯定していたのですから,メロスが戻ってくるという信頼があるかないか以前の問題として,ただそれだけの理由で人質になることを受け入れたと考えることができます。要するにセリヌンティウスが人質になった動機は,単にメロスへの信頼だけではなく,メロスに対する自身の愛のゆえでもあったと僕は思います。
発馬がよかったのはゴーディーでしたが内からコーリンベリーが交わしていくとさらに内からダノンレジェンドも並び掛けていき,この2頭が並んで逃げるレースに。控えたゴーディーが半馬身差で3番手。さらに半馬身差の外にルックスザットキルが続いて4頭が先行集団。1馬身差でプラチナグロース,半馬身差でノボバカラ,1馬身差でロイヤルクレストとなりこの3頭が好位。2馬身離れた中団はメイショウパーシー,サトノタイガー,ミヤジエルビスの3頭。1馬身差でコウギョウダグラスとドリームバレンチノ。さらに1馬身差でキクノストーム。メジャーアスリートは置かれました。前半の600mは34秒1で超ハイペースといえるでしょう。
3コーナーを回ると前の2頭が後ろとの差を一時的に広げました。ここで内に潜り込んだプラチナグロースが3番手。ゴーディーは苦しくなってその外にルックスザットキル。直線は最内に進路を取ったプラチナグロース,ダノンレジェンド,コーリンベリーの3頭が並んでの競り合い。ここからダノンレジェンドは脱落。しかし大外に進路を取ったドリームバレンチノが競り合う2頭を鮮やかに交わすと2馬身差をつけて優勝。2頭の競り合いはフィニッシュ直前まで続き,最後はねじ伏せるようにコーリンベリーが出て2着を確保。アタマ差の3着にプラチナグロース。馬場の中ほどを猛然と追い込んだキクノストームがクビ差まで迫って4着。
優勝したドリームバレンチノは一昨年のJBCスプリント以来の勝利で重賞5勝目。そのレースを勝ったことで斤量を背負わされるようになり,勝ち星からは遠ざかっていましたが,入着は多くあり,極端な能力の低下があったわけではありません。今日は展開が向いたというのはありましたが,9歳馬が58キロを背負ってこの距離で2馬身も突き抜けたのですから,立派だったといってあげていいでしょう。勝つかどうかは別に,あまり人気にはならないタイプなので,この路線のレースでは馬券の対象からは外さない方がいい馬だと思います。母は2004年の小倉2歳ステークスを勝ったコスモヴァレンチ。その父がマイネルラヴ。Valentinoはイタリア語でバレンタイン。
騎乗した岩田康誠騎手と管理している加用正調教師のコンビは第40回以来10年ぶりの東京盃2勝目。
メロスは自分がセリヌンティウスによって全面的に肯定されていることは知っていたと思われます。そうでないとセリヌンティウスの同意を得ないまま,猶予期間の人質にセリヌンティウスがなるという提案をディオニスにすることはできなかったと思われるからです。それ自体はひどいことだと僕は思いますが,事情を話せばセリヌンティウスがこの条件を受け入れるということは,自分が約束通りに戻ってくるということと同じ程度にメロスは確信できていたのでしょう。実際にセリヌンティウスは何も言わずに人質となることを受け入れたのですから,メロスのセリヌンティウス観は正しかったというべきでしょう。
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このときセリヌンティウスが人質になるということを受け入れたのはなぜかということが,おそらくセリヌンティウスの物語の中心になります。状況的にいえばメロスはそのまま逃げてしまうことができました。つまり実際に生命の危険に晒されるのは,メロスよりもセリヌンティウスであったのです。しかしメロスの親友であったセリヌンティウスは,メロスが必ず戻ってくるということ,少なくともそのために最大限の努力をするということは分かっていました。そのメロスに対する信頼が,セリヌンティウスが人質になることを受け入れる理由であったのは確かでしょう。ですが,それだけであったとは僕には思えません。
セリヌンティウスがメロスを親友のひとりに選別したのは,メロスの正義に対する愚直なまでの純真さであって,たぶんそこに畏敬の念を抱いていたのです。だからメロスから事情を聞かされたセリヌンティウスは,メロスがなした行為について,大して驚くことはなく,むしろメロスであればいかにもやりそうなことだと感じられたのではないかと思います。そしてセリヌンティウスはそういうメロスのことを肯定していたのですから,メロスが戻ってくるという信頼があるかないか以前の問題として,ただそれだけの理由で人質になることを受け入れたと考えることができます。要するにセリヌンティウスが人質になった動機は,単にメロスへの信頼だけではなく,メロスに対する自身の愛のゆえでもあったと僕は思います。