クラスターカップ＆非合理的部分

　第25回クラスターカップ。
　先手を奪ったのはヒロシゲゴールド。2番手にマテラスカイで3番手にアユツリオヤジ。4番手のスティンライクビーとトップウイナーまでの5頭が先行集団。3馬身差でブルドッグボス。7番手にブラゾンドゥリス。8番手にショームとサマニーとツルオカボルト。11番手のメイショウアイアンまでが中団グループ。3馬身差でミスティカルとシャドウパーティーが後方を追走。前半の600mは33秒7のミドルペース。
　3コーナーを回るとマテラスカイがヒロシゲゴールドとの差を徐に詰めていき,直線の入口では雁行に。この時点で3番手のアユツリオヤジとトップウイナーの2頭との差が3馬身ほどに開き,直線は2頭のマッチレース。競り合いを制した外のマテラスカイが日本レコードで優勝。逃げ粘ったヒロシゲゴールドが半馬身差で2着。一旦は3番手に上がったトップウイナーを外から差したブルドッグボスが2馬身半差で3着。
　優勝したマテラスカイは一昨年のプロキオンステークス以来の勝利で重賞2勝目。ダートの短距離では能力は圧倒的に上位なのですが,タイムが早くなる馬場を得意としているため,海外遠征でも好走するのに国内では苦戦というケースが続いていました。今日は何といってもレコードタイムが出るような馬場状態になったことが最大の勝因でしょう。これからもこれまでの傾向に沿ったレース結果が出ると思われます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　騎乗した武豊騎手は第12回以来13年ぶりのクラスターカップ2勝目。管理している森秀行調教師は第6回,9回,11回,16回に続く9年ぶりのクラスターカップ5勝目。

　ライプニッツGottfried Wilhelm Leibnizの書簡についての扱いは,ライプニッツからの依頼を受けたシュラーGeorg Hermann Schullerが,ほかの編集者たちと協議して,発刊された遺稿集Opera Posthumaのような形になったと解するのが自然です。ただし,この自然の成り行きで遺稿集のような形になったとすると,非合理的な部分が出てきてしまいます。そこで僕は可能な限りでその非合理的な部分を排除する形で,遺稿集の成立の仕方を説明します。これは仮説というか,僕が作る物語であって,僕はそれが歴史的事実であったということを主張しようとするのではありません。ただ,この非合理性を排除するような物語を作ることはできるのであって,それが史実であった可能性については,完全に否定することはできないのではないかと思います。
　僕が感じる非合理的な部分というのは主にふたつあります。ひとつは,ライプニッツの書簡に対する扱いは,ライプニッツと同じような依頼をしたと思われるフッデJohann Huddeの書簡に対する扱いと,あまりに違いがありすぎるという点です。もうひとつは,フッデの依頼はほぼ完全な仕方で受け入れられているのに,ライプニッツの依頼はそれほど十分な仕方で受け入れられていないという点です。
　ライプニッツの書簡についても,相手がだれだか分からないような仕方で掲載するという方法が明らかに採れました。それなのに,本来は掲載されるべき書簡についてはそうした措置が採られず,掲載の見送りという手段が講じられたにも関わらず,光学について語られているとはいえ,掲載される価値としてはそれよりも低かった筈の書簡四十五と書簡四十六については,ライプニッツの実名が出された上で掲載されているのです。実際にこの措置をライプニッツは不服に感じ,遺稿集の出版後にシュラーに文句を言っているのですから,ライプニッツの依頼がフッデの依頼と同じように達成されたとはいえません。
　書簡七十と書簡七十二は,哲学的に意味があることが語られているので,本来は遺稿集に掲載されるべきものだった筈ですが,省かれています。これはおそらく各々の書簡の中にライプニッツの名前が出ているからです。つまりここではライプニッツのために便宜が図られているのです。