オークスの第82回優駿牝馬。
どの馬が逃げるのかという予測が困難なレースでしたが,先手を奪ったのはクールキャット。2番手はククナとソダシとステラリア。5番手にウインアグライアとアカイトリノムスメとストライプ。8番手にエンスージアズムとニーナドレス。10番手にスルーセブンシーズとファインルージュとスライリー。ここまでは馬群が密集。2馬身差でアールドヴィーヴル。14番手にパープルレディーとユーバーレーベン。16番手にミヤビハイディとタガノパッション。最後尾にハギノピリナ。最初の1000ｍは59秒9のミドルペース。
クールキャットは1馬身のリードで直線に。2番手はククナとステラリアでしたが,ステラリアは後退。ククナの外から伸びてきたのがソダシとユーバーレーベンでしたが,ソダシは一杯。この間にククナとソダシの間からアカイトリノムスメが伸びてきました。さらに大外から差し込んできたのがハギノピリナ。ククナは一杯となり残り3頭の争いとなりましたが,競り合いから抜け出したユーバーレーベンが優勝。内のアカイトリノムスメが1馬身差の2着。ハギノピリナはハナ差で3着。
優勝したユーバーレーベンはこれが重賞初制覇での大レース制覇。ただ新馬を勝った後,札幌2歳ステークスが勝ったソダシとクビ差の2着でしたので,能力があることは分かっていました。阪神ジュベナイルフィリーズで3着の後,今年はフラワーカップで戦線に復帰し3着。さらにフローラステークスも3着でここに進んでいました。どちらかといえば能力の規準になるというタイプの成績を残してきた馬で,こういう馬はほかが崩れたときにチャンスを掴みます。持ち味は瞬発力には欠けていても一定の脚を長く使えるという点で,この持ち味が生きるレースとなるのがこの馬にとっては最もいい展開だといえそうです。父は2012年のJRA賞で最優秀3歳牡馬に選出されたゴールドシップでその父はステイゴールド。祖母は2003年にフラワーカップを勝ったマイネヌーヴェル。Uberlebenはドイツ語で生き残る。
騎乗したミルコ・デムーロ騎手は東京大賞典以来の大レース制覇。第80回以来2年ぶりのオークス2勝目。管理している手塚貴久調教師はNHKマイルカップ以来の大レース9勝目。オークスは初勝利。
未来の表象像imagoが現在の表象像によって弱まるのであれば,将来的に生じるかもしれない悪malumを忌避する欲望cupiditasが,現在すぐに得られるであろう善bonumを希求する欲望や,現在すぐに避けることができると表象される悪を忌避する欲望によって,容易に凌駕されてしまうことが理解できるでしょう。したがって,たとえば地球が温暖化することによっていずれ被るであろう悪を忌避するより,たとえそれが地球の温暖化を促進してしまう行為であったとしても,その行為が喜びlaetitiaを齎すのであれば,その人はむしろその喜びを強く希求するということが起こり得るのです。同様に,地球の温暖化を阻止するための行為が悲しみtristitiaを齎す場合は,その悲しみを避けることを強く欲求するということが起こり得るのです。あるいは新型コロナウイルスの場合でいえば,まだ罹患していないウイルスに罹患するという悪を避けることを希求するより,罹患する可能性を高めてしまうことであっても,現時点で目の前にある喜びを希求したり悲しみを忌避したりすることが起こるのです。ですから,地球の温暖化に悪影響を及ぼするようなことを希求するとか,新型コロナウイルスが蔓延することあるいは自身が感染するリスクを高めるようなことを希求するようなことも,人間の現実的本性actualis essentiaに根差して必然的にnecessario生じるのであり,こうしたことは説明が不可能で理解できないようなことではありません。
ここまでは感情affectus,とくに基本感情affectus primariiである欲望と喜びそして悲しみによって説明してきました。いい換えればこの説明は,第二部定理四八とか近藤が第二部定理四九備考から読解している,人間の意志作用volitioがほかの意志作用によって決定されるということと直接的に関係するわけではありません。喜びと悲しみについて語ることは第四部定理八によって善bonumと悪malumについて語ることなのであって,これは比較の問題です。よってそうした喜びや悲しみから生じる欲望について語る場合にもそれと同様です。よってこの場合には,たとえば地球が温暖化することは悪であるとか,新型コロナウイルスが蔓延したりそれに罹患したりすることは悪であるということが前提としてあります。そうでない場合の説明が必要でしょう。
どの馬が逃げるのかという予測が困難なレースでしたが,先手を奪ったのはクールキャット。2番手はククナとソダシとステラリア。5番手にウインアグライアとアカイトリノムスメとストライプ。8番手にエンスージアズムとニーナドレス。10番手にスルーセブンシーズとファインルージュとスライリー。ここまでは馬群が密集。2馬身差でアールドヴィーヴル。14番手にパープルレディーとユーバーレーベン。16番手にミヤビハイディとタガノパッション。最後尾にハギノピリナ。最初の1000ｍは59秒9のミドルペース。
クールキャットは1馬身のリードで直線に。2番手はククナとステラリアでしたが,ステラリアは後退。ククナの外から伸びてきたのがソダシとユーバーレーベンでしたが,ソダシは一杯。この間にククナとソダシの間からアカイトリノムスメが伸びてきました。さらに大外から差し込んできたのがハギノピリナ。ククナは一杯となり残り3頭の争いとなりましたが,競り合いから抜け出したユーバーレーベンが優勝。内のアカイトリノムスメが1馬身差の2着。ハギノピリナはハナ差で3着。
優勝したユーバーレーベンはこれが重賞初制覇での大レース制覇。ただ新馬を勝った後,札幌2歳ステークスが勝ったソダシとクビ差の2着でしたので,能力があることは分かっていました。阪神ジュベナイルフィリーズで3着の後,今年はフラワーカップで戦線に復帰し3着。さらにフローラステークスも3着でここに進んでいました。どちらかといえば能力の規準になるというタイプの成績を残してきた馬で,こういう馬はほかが崩れたときにチャンスを掴みます。持ち味は瞬発力には欠けていても一定の脚を長く使えるという点で,この持ち味が生きるレースとなるのがこの馬にとっては最もいい展開だといえそうです。父は2012年のJRA賞で最優秀3歳牡馬に選出されたゴールドシップでその父はステイゴールド。祖母は2003年にフラワーカップを勝ったマイネヌーヴェル。Uberlebenはドイツ語で生き残る。
騎乗したミルコ・デムーロ騎手は東京大賞典以来の大レース制覇。第80回以来2年ぶりのオークス2勝目。管理している手塚貴久調教師はNHKマイルカップ以来の大レース9勝目。オークスは初勝利。
未来の表象像imagoが現在の表象像によって弱まるのであれば,将来的に生じるかもしれない悪malumを忌避する欲望cupiditasが,現在すぐに得られるであろう善bonumを希求する欲望や,現在すぐに避けることができると表象される悪を忌避する欲望によって,容易に凌駕されてしまうことが理解できるでしょう。したがって,たとえば地球が温暖化することによっていずれ被るであろう悪を忌避するより,たとえそれが地球の温暖化を促進してしまう行為であったとしても,その行為が喜びlaetitiaを齎すのであれば,その人はむしろその喜びを強く希求するということが起こり得るのです。同様に,地球の温暖化を阻止するための行為が悲しみtristitiaを齎す場合は,その悲しみを避けることを強く欲求するということが起こり得るのです。あるいは新型コロナウイルスの場合でいえば,まだ罹患していないウイルスに罹患するという悪を避けることを希求するより,罹患する可能性を高めてしまうことであっても,現時点で目の前にある喜びを希求したり悲しみを忌避したりすることが起こるのです。ですから,地球の温暖化に悪影響を及ぼするようなことを希求するとか,新型コロナウイルスが蔓延することあるいは自身が感染するリスクを高めるようなことを希求するようなことも,人間の現実的本性actualis essentiaに根差して必然的にnecessario生じるのであり,こうしたことは説明が不可能で理解できないようなことではありません。
ここまでは感情affectus,とくに基本感情affectus primariiである欲望と喜びそして悲しみによって説明してきました。いい換えればこの説明は,第二部定理四八とか近藤が第二部定理四九備考から読解している,人間の意志作用volitioがほかの意志作用によって決定されるということと直接的に関係するわけではありません。喜びと悲しみについて語ることは第四部定理八によって善bonumと悪malumについて語ることなのであって,これは比較の問題です。よってそうした喜びや悲しみから生じる欲望について語る場合にもそれと同様です。よってこの場合には,たとえば地球が温暖化することは悪であるとか,新型コロナウイルスが蔓延したりそれに罹患したりすることは悪であるということが前提としてあります。そうでない場合の説明が必要でしょう。
