日本時間で昨日の深夜から今日の未明にかけてのパリロンシャン競馬場の開催に,2頭の日本馬が遠征しました。
フォワ賞GⅡ芝2400m。ディープボンドは好発からハナへ。1頭が追ってきましたがそのまま譲らず逃げるレース。一時的に2番手と3番手との差が開きましたが,隊列が決まってからはペースを落とし,出走した6頭が凝縮してきました。わりと早い段階から徐々にペースアップ。直線に入るとずっと2番手を走っていた馬が半馬身差くらいに迫りましたが,そこでまた突き放し,1馬身半から2馬身くらいのリードに。ここから差を開くことはありませんでしたが詰められるということもなく,鋭く逃げ切って1馬身半差で優勝しました。
優勝したディープボンドは阪神大賞典以来の勝利で重賞3勝目。大レースは勝っていませんが,フランスの馬場は合いそうだということで遠征に踏み切りました。これまで逃げてレースをしたことはありませんでしたから,ここは騎手の判断が素晴らしかったということになるでしょう。あまりマークされる立場ではなかったための結果という面はありますので,凱旋門賞ではここよりは厳しいレースになりそうです。父はキズナ。母の父はキングヘイロー。セレタ系ケンタッキー~クリヒデの分枝。従兄に2009年のJRA賞で最優秀短距離馬に選出されたローレルゲレイロ。
日本馬による海外重賞制覇は今年のクイーンエリザベスⅡ世カップ以来。フランスでは2018年のメシドール賞以来。フォワ賞は1999年,2012年,2013年に続き8年ぶりの4勝目。管理している大久保龍志調教師は海外重賞初勝利。現在はフランスを拠点に騎乗しているクリスチャン・デムーロ騎手は日本馬に騎乗しての日本国外の重賞は初勝利。
パン賞GⅢ芝1400m。エントシャイデンは内から先頭に立ちました。外から追ってきた馬と,体を離して2頭で逃げるような形。そのまま直線に入るとよく粘り,2番手にいた馬は離しましたが,その後ろから追ってきた馬に差されて2番手。このまま最後まで2着争いに加わったもののフィニッシュ前では力尽き,5着でした。
この馬はディープボンドの帯同馬としての遠征。上位馬の中では最も重い58キロを背負い,2着馬とは差のない5着なら健闘したといってよいでしょう。
『エチカ』でスピノザが明瞭という語を用いるとき,多くの場合は明瞭判然といういい方がされます。そしてこの明瞭判然という語は,ほとんどの場合で観念ideaを修飾します。つまり,明瞭判然とした観念といういい方が多くされるということです。この場合,明瞭判然とした観念というのは,十全な観念idea adaequataである場合もあれば,混乱した観念idea inadaequataである場合もあります。十全な観念と混乱した観念を比較すると,十全な観念の方が混乱した観念よりも明瞭判然としています。いい換えれば,観念対象ideatumをより明瞭に表現します。しかし,混乱した観念にも混乱の度合には差があるとスピノザは考えていて,同じように混乱した観念であっても,一方の混乱した観念は他方の混乱した観念より明瞭判然としている,つまりより明瞭に観念対象を表現している場合があることをスピノザは認めています。そのゆえに,明瞭判然という語は,十全な観念だけを形容するのではなく,混乱した観念を形容する場合があるのです。
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しかし,第二部定理四〇備考二で明瞭といわれている場合は,その意味を上述の観点から解することはできません。ここで明瞭といわれているのは,第三種の認識cognitio tertii generisによって生じる観念が,第一種の認識cognitio primi generisによって生じる観念より明瞭であるといわれているわけではなく,第三種の認識で認識される観念が,第二種の認識cognitio secundi generisによって認識される観念より明瞭であるともいわれているからです。あるいは,第三種の認識によって生じる観念が,単に第一種の認識で発生する観念とだけ比較されて明瞭であるといわれているのではなく,第二種の認識によって認識される観念とも比較された上で,より明瞭であるといわれているからです。このとき,第一種の認識で生じる観念は混乱した観念で,第三種の認識で認識される観念は十全な観念ですから,この両者を比較するだけならば,上述の意味で明瞭ということを解釈しても問題ありません。しかし,第二種の認識によって生じる観念は十全な観念なのですから,この観念が第三種の認識で生じる観念と比較されているときには,上述の意味は成立しないのです。ここではある十全な観念が,ほかの十全な観念より明瞭だといわれているのです。
フォワ賞GⅡ芝2400m。ディープボンドは好発からハナへ。1頭が追ってきましたがそのまま譲らず逃げるレース。一時的に2番手と3番手との差が開きましたが,隊列が決まってからはペースを落とし,出走した6頭が凝縮してきました。わりと早い段階から徐々にペースアップ。直線に入るとずっと2番手を走っていた馬が半馬身差くらいに迫りましたが,そこでまた突き放し,1馬身半から2馬身くらいのリードに。ここから差を開くことはありませんでしたが詰められるということもなく,鋭く逃げ切って1馬身半差で優勝しました。
優勝したディープボンドは阪神大賞典以来の勝利で重賞3勝目。大レースは勝っていませんが,フランスの馬場は合いそうだということで遠征に踏み切りました。これまで逃げてレースをしたことはありませんでしたから,ここは騎手の判断が素晴らしかったということになるでしょう。あまりマークされる立場ではなかったための結果という面はありますので,凱旋門賞ではここよりは厳しいレースになりそうです。父はキズナ。母の父はキングヘイロー。セレタ系ケンタッキー~クリヒデの分枝。従兄に2009年のJRA賞で最優秀短距離馬に選出されたローレルゲレイロ。
日本馬による海外重賞制覇は今年のクイーンエリザベスⅡ世カップ以来。フランスでは2018年のメシドール賞以来。フォワ賞は1999年,2012年,2013年に続き8年ぶりの4勝目。管理している大久保龍志調教師は海外重賞初勝利。現在はフランスを拠点に騎乗しているクリスチャン・デムーロ騎手は日本馬に騎乗しての日本国外の重賞は初勝利。
パン賞GⅢ芝1400m。エントシャイデンは内から先頭に立ちました。外から追ってきた馬と,体を離して2頭で逃げるような形。そのまま直線に入るとよく粘り,2番手にいた馬は離しましたが,その後ろから追ってきた馬に差されて2番手。このまま最後まで2着争いに加わったもののフィニッシュ前では力尽き,5着でした。
この馬はディープボンドの帯同馬としての遠征。上位馬の中では最も重い58キロを背負い,2着馬とは差のない5着なら健闘したといってよいでしょう。
『エチカ』でスピノザが明瞭という語を用いるとき,多くの場合は明瞭判然といういい方がされます。そしてこの明瞭判然という語は,ほとんどの場合で観念ideaを修飾します。つまり,明瞭判然とした観念といういい方が多くされるということです。この場合,明瞭判然とした観念というのは,十全な観念idea adaequataである場合もあれば,混乱した観念idea inadaequataである場合もあります。十全な観念と混乱した観念を比較すると,十全な観念の方が混乱した観念よりも明瞭判然としています。いい換えれば,観念対象ideatumをより明瞭に表現します。しかし,混乱した観念にも混乱の度合には差があるとスピノザは考えていて,同じように混乱した観念であっても,一方の混乱した観念は他方の混乱した観念より明瞭判然としている,つまりより明瞭に観念対象を表現している場合があることをスピノザは認めています。そのゆえに,明瞭判然という語は,十全な観念だけを形容するのではなく,混乱した観念を形容する場合があるのです。
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しかし,第二部定理四〇備考二で明瞭といわれている場合は,その意味を上述の観点から解することはできません。ここで明瞭といわれているのは,第三種の認識cognitio tertii generisによって生じる観念が,第一種の認識cognitio primi generisによって生じる観念より明瞭であるといわれているわけではなく,第三種の認識で認識される観念が,第二種の認識cognitio secundi generisによって認識される観念より明瞭であるともいわれているからです。あるいは,第三種の認識によって生じる観念が,単に第一種の認識で発生する観念とだけ比較されて明瞭であるといわれているのではなく,第二種の認識によって認識される観念とも比較された上で,より明瞭であるといわれているからです。このとき,第一種の認識で生じる観念は混乱した観念で,第三種の認識で認識される観念は十全な観念ですから,この両者を比較するだけならば,上述の意味で明瞭ということを解釈しても問題ありません。しかし,第二種の認識によって生じる観念は十全な観念なのですから,この観念が第三種の認識で生じる観念と比較されているときには,上述の意味は成立しないのです。ここではある十全な観念が,ほかの十全な観念より明瞭だといわれているのです。