スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

玉藻杯争覇戦&誤差

2022-12-06 19:37:45 | 競輪
 高松記念の決勝。並びは真杉‐佐々木‐吉沢‐宿口の関東,簗田に香川,稲毛‐稲川‐南の近畿。
 稲毛がスタートを取って前受け。4番手に真杉,8番手に簗田で周回。残り3周のバックの出口から簗田が上昇開始。誘導が退避するタイミングで稲毛が突っ張る構えをみせたので,簗田は南の後ろに収まりました。残り2周のバックの入口から真杉が発進。打鐘で稲毛を叩き,牽制を受けた宿口も何とか続き,ホームでは関東の4人が前に。稲川が叩かれた稲毛を捨てて宿口の後ろに。そのままバックから捲っていきました。これを牽制したのは吉沢で,稲川はその位置で競り合う形に。結果的に無風の番手となった佐々木が直線の入口から踏み込んで優勝。マークの吉沢が1車身差の2着。逃げた真杉も1車身差の3着に残って関東勢の上位独占。直線で再び外から迫った稲川が8分の1車輪差の4着。
 優勝した群馬の佐々木悠葵選手はグレードレース初優勝。このレースは関東ラインが手厚く,真杉がどの段階から駆けていくかで結果が変わってくるだろうと思っていました。打鐘前からの発進になりましたので,佐々木が勝って吉沢が2着という結果に。それでも真杉も3着に残っていますので,脚力自体も明らかに上位だったといえそうです。佐々木はFⅠではコンスタントに決勝には残るというレベルの選手で,今年は優勝がありませんでした。このレベルの選手がなぜ番手を回ることになったのかは,僕にはやや謎が残ります。また,隊列が決まる前に,簗田が中団を取りにいく動きがあったのですが,香川は1番車でしたから,取りたければたぶん取れたと思うのです。地区が違うということはありますが,事前に作戦についての相談が足りなかったのではないかと思います。

 僕たちは現実の生活で光速に近似した速度に到達することはありません。前述したように,俯瞰的な立場からみると,静止している状態での1mの長さは最も長くなり,1秒は最も短くなるのであって,それが光速に近づくほど1mは短くなって1秒は長くなるのですが,それは比例的にそのようになっているわけではなく,加速度的にそうなっていきます。つまり光速に近づくほど,長さが短くなり時間が長くなる程度は大きくなるのに対し,光速から遠ざかるほど,あるいは同じことですが静止quiesに近づくほど,その程度は小さくなります。なので,距離を時間tempusで割ることによって速度を計算する公式は虚偽falsitasではあるのですが,その虚偽の度合いつまり誤差というのは,速度が遅いほど小さくなります。そして現実的には光速に近似するような速度に僕たちは到達しないのですから,実際に求めなければならないような速度というのは,この公式で求めたとしても,大した誤差は出ません。なのでこの公式は虚偽ではあるのですが,僕たちが暮らしている社会を支えるためには不都合を生じさせません。
 それでも虚偽ではあるのですから,相対性理論に基づいて求められる各々の速度や長さそして時間の公式が簡潔なものであったとしたら,少なくともそれ以降はそちらが社会を支える形而上学として取り入れられることになったでしょう。ところがこちらの公式はきわめて複雑なものであって,少なくとも小学校で教えるような内容を有してはいません。これに対して距離を時間で割ったものが速度であるという公式は,きわめて簡潔です。ですから現代でも,こちらの方が僕たちを支える形而上学として真理veritasとされているのであって,それが真理とされているということは,実は相対性理論は虚偽とされているのと同じなのです。
 もちろん,光速に近づくほど時間が長くなるということは,場合によって高速で運動する人間にとっての1年が,静止状態にある人間の10年にも100年にもなるということ,いわゆる浦島太郎現象といわれることが生じ得るのですから,そのようなことが可能になるときには,速度は距離を時間で割ったものという公式は通用しなくなるでしょう。
コメント
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