20日に指された第12期女流王座戦五番勝負第四局。
加藤桃子女流三段の先手で後手の里見香奈女流王座のごきげん中飛車。9筋を突き合ってから①-Aに進み,4筋で銀が向かい合う形。先手はその後に居飛車穴熊に組みました。
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後手はここで☖2一飛と指しましたが,この手が不用意だったかもしれません。先手は☗4四角☖同歩と切って☗4三銀と打ちました。☖5三角と逃げたときに☗3二銀成が飛車取り。☖5一飛に☗3三成銀で,先手が二枚換えの駒得になりました。
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第2図は後手の手番なので条件はさほど悪くなさそうですが,大駒を働かせるのが難しく,後手がバランスを保つのが難しい局面になっているようです。
加藤女流三段が勝って2勝2敗。第五局は今日指されました。
『人と思想 スピノザ』は,『哲学書概説シリーズ スピノザ『エチカ』』とは異なり,題名からも分かるように,『エチカ』の入門書ではなく,スピノザの思想全般の入門書です。しかしこの点は置いておきましょう。内容だけでいえば,『人と思想 スピノザ』は際立った特徴を有するわけではありません。とくに『哲学書概説シリーズ スピノザ『エチカ』』と比べたときには,どのような特徴があるのか理解しにくいと思われます。しかし実際にはそこには著者である工藤喜作の志向が現れています。その志向とは,ひとつは工藤はスピノザの思想そのものを理解するということより,その思想を現実化するということ,いってみれば思想の解明よりその実践に重きを置いています。そしてそれといくらかの関連性を有しているともいえますが,スピノザの哲学の形而上学的部分については,最低限のことを理解しておけば十分であり,それ以上に深く追求する必要はないというように考えています。実際に工藤は後に『スピノザーナ15号』のインタビュー記事で,それに類することを発言していますが,こうしたことは『人と思想 スピノザ』にも表出はしているのであって,そのことは,スピノザの思想全般について一定のレベルに達している読者であれば理解できることなのです。ですから工藤自身の発言を待つまでもなく,スピノザの哲学の形而上学的部分を深く探求しようというう場合には工藤の論考はあまり参考にならないであろうということ,一方でスピノザの思想を実践として活用するというのが具体的にどのようなことであるのかを知りたいという場合には,工藤の論考には役立つところが含まれているであろうということは,この入門書を読めば理解することができます。ですから,スピノザの思想の習得の段階がかなり上がってきたからといって,入門書を読むという営為,あるいは部分的にでも読み返してみるという試みは,意味をもたないわけではないのです。
『はじめてのスピノザ』は,表題だけでいえばスピノザの入門書ですが,すでにいったように副題は「自由へのエチカ」ですから,『エチカ』の入門書という色合いが濃くなっています。
加藤桃子女流三段の先手で後手の里見香奈女流王座のごきげん中飛車。9筋を突き合ってから①-Aに進み,4筋で銀が向かい合う形。先手はその後に居飛車穴熊に組みました。
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後手はここで☖2一飛と指しましたが,この手が不用意だったかもしれません。先手は☗4四角☖同歩と切って☗4三銀と打ちました。☖5三角と逃げたときに☗3二銀成が飛車取り。☖5一飛に☗3三成銀で,先手が二枚換えの駒得になりました。
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第2図は後手の手番なので条件はさほど悪くなさそうですが,大駒を働かせるのが難しく,後手がバランスを保つのが難しい局面になっているようです。
加藤女流三段が勝って2勝2敗。第五局は今日指されました。
『人と思想 スピノザ』は,『哲学書概説シリーズ スピノザ『エチカ』』とは異なり,題名からも分かるように,『エチカ』の入門書ではなく,スピノザの思想全般の入門書です。しかしこの点は置いておきましょう。内容だけでいえば,『人と思想 スピノザ』は際立った特徴を有するわけではありません。とくに『哲学書概説シリーズ スピノザ『エチカ』』と比べたときには,どのような特徴があるのか理解しにくいと思われます。しかし実際にはそこには著者である工藤喜作の志向が現れています。その志向とは,ひとつは工藤はスピノザの思想そのものを理解するということより,その思想を現実化するということ,いってみれば思想の解明よりその実践に重きを置いています。そしてそれといくらかの関連性を有しているともいえますが,スピノザの哲学の形而上学的部分については,最低限のことを理解しておけば十分であり,それ以上に深く追求する必要はないというように考えています。実際に工藤は後に『スピノザーナ15号』のインタビュー記事で,それに類することを発言していますが,こうしたことは『人と思想 スピノザ』にも表出はしているのであって,そのことは,スピノザの思想全般について一定のレベルに達している読者であれば理解できることなのです。ですから工藤自身の発言を待つまでもなく,スピノザの哲学の形而上学的部分を深く探求しようというう場合には工藤の論考はあまり参考にならないであろうということ,一方でスピノザの思想を実践として活用するというのが具体的にどのようなことであるのかを知りたいという場合には,工藤の論考には役立つところが含まれているであろうということは,この入門書を読めば理解することができます。ですから,スピノザの思想の習得の段階がかなり上がってきたからといって,入門書を読むという営為,あるいは部分的にでも読み返してみるという試みは,意味をもたないわけではないのです。
『はじめてのスピノザ』は,表題だけでいえばスピノザの入門書ですが,すでにいったように副題は「自由へのエチカ」ですから,『エチカ』の入門書という色合いが濃くなっています。