スポイチ編集長日誌

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ブラック企業論って、「企業文化」との「マッチング」の問題なのかなと

2011年10月30日 | その他
もともとネット上のスラングだった「ブラック企業」なんて言葉も、最近では一部のマスコミも取り上げたりしているので、すっかり定着してしまった感があります。
巷にはブラック企業の見分け方だとか、ブラック判定依頼なんてのもあって、実は私も便乗したりしたことがあるんですが(→ブラック企業の見抜き方)、ネットにおける「ブラック企業の特徴」なんてものをいちいち当てはめていったら、日本に存在する企業のほとんど全部がブラック認定じゃん。
こう書くと、「ホワイトなんて幻想だったんだ!」って学生さんは絶望するかも知れませんが、希望を抱くこと自体が間違いです。
でも、基本的には、もうどうしようも無い本格派のブラックだけを避けていれば実はなんとかなるかもと思うのですよ。
どうしようもない本格ブラックってのは、以下の三つ。

1.薄給激務
業界構造(産業構造)によって高給薄給が出て来るのは仕方がないのかも知れませんが、「ほぼ同規模同事業内容の同業他社と比較して、給料が異常に安い(労働時間・労働内容に比して給料が異常に安い)」所は問題大ありと見て間違いないと思います。

2.暴力肯定の社風
言わずもがな。実はフロント企業だったりとか。

3.業務内容自体が違法スレスレ
マンションとかIP電話の騙し営業なんてのが典型ですかね。「2.」であることも多い。

こういうところは結果として、「毎年大量離職者が出るので勤続年数が異常に短い」という特徴があるんですが、このような会社に普通の人が入社して幸せになれる要素って、ほぼ無いと思うんですよ。もともとヤクザ的な行為に適性があるので営業成績が出せるとか、経営者の血縁コネで幹部コース確定で入社とか以外ではね。

以前に、いわゆる就職情報産業のことを「就職出会い系」とか「就職結婚相談所」なんて言い方をしてる人が居て、「なるほどなあ」と思ったんですけど、学生あるいは転職希望者と、企業との間の関係って、男女の関係にも似てますね。単純に収入が高ければいいってもんでもないところとか、出会い系や結婚相談所などの「引き合わせビジネス」の存在とか。
だから、転職回数が多い人は、「バツ○」「性格に問題あり」「経験人数多し」「○ッチ」「尻軽」…などと見られて避けられるってことなんだろうな。爺さん達の「新卒信仰=処女信仰」というやつですね。

だけど、企業文化との「マッチング」(合うか、合わないか)の問題が占める割合って、その企業に勤め続けることが出来るか?という点に対する要素として結構ウェイトが大きいのではないかと思います。
昔から「業務内容に対する適性」についてはやかましく言われますけど、業務内容以外の、その企業の体質や文化と合うか、あるいは耐性を持っているかってことのほうが実は大事なんじゃないかってことです。

「社風」とか「企業文化」ってよく言いますけど、日本の企業の中には、自社でしか通用しないようなわけのわからない理不尽なルールを勝手につくって、自社の社員ばかりか、下位(下流業界)にあたる取引先にも強要しているような所が結構あります。まさに企業文化というより「奇業文化」なのですが、自分の性格とあまりにも合わない、馴染めない「文化」を強要されるような会社に入ってしまったりすると、業務への適性云々以前に、その企業と「合わない(ミスマッチ)」ということになり、精神的に相当辛いと思います。

具体的には、ちょっと「社風」という言葉が出ましたけど、ごくおおざっぱに分けて、ブラック企業の社風には「DQN傾向」と「根暗傾向」があると思うんですよ。
例えばギーク系とかオタク系の内向的な性格の人が、いわゆる体育会系バリバリでオラオラなノリのDQN系ブラックなところに入っちゃったりしたら精神的に相当きついんじゃないかと思います。
内向的な人は、○クナビとかの会社紹介の「毎週末には全員参加の飲み会」「全員参加の社員旅行」「全員参加の運動会」なんて文字を見るだけでもう「うわぁ…」ってなるでしょ。とどめに茶髪の社員が全員集合して肩組んでダブルピースな写真でお腹いっぱいです…。って、会社紹介でアピールしてくれてるのはむしろ親切なのだと思います。

「一億総中流」という幻想がぶっ壊れて、「格差社会」なんて言葉が堂々と言われるようになりましたけど、昔からソーシャルクラスってのは厳然とありますから、がんばって勉強して、いい大学出て就職したけど、入ったところがDQN系ブラックで、「周りが全員喫煙者」「周りがみんな休み時間にケータイいじるかマンガ雑誌を読んでる」「会話の内容がギャンブル、風俗、クルマばっかり」みたいな環境だったら相当きついし、周りに勉強して上を目指そうって人もいないので、精神に悪いと思いますよ。

逆に、いわゆる「リア充」な人が、「職場では私語禁止」「社員同士の集まり禁止」「日付が変わる前に退社したら仕事をしたことにならなーい!」てなことを堂々と社内規則として掲げてるような根暗系ブラックなとこに行ったら、即鬱になると思います。
「会話もない、社員同士の交流もない、残業に次ぐ残業でプライベートな時間もない。そんな会社ってどんな人が勤めてるの?」と学生さんなら思うかも知れませんが、実は「友達も恋人も居ない」「家に帰ってもやることが無い」というタイプの人には、こういう会社でも「合う(マッチする)」ということになり、結構長く勤められる場合もあります。お金も使うヒマが無いので、薄給でもそこそこ貯金できるらしいですよ…。

と、このように会社によって、あるいは部署によっても「社風」は極端に違いますので、新卒で入ってその会社しか知らないと(あるいはそこの部署やその上司しか知らないと)、そこがどんな「奇業」であっても、「それが当然」なのだと思って疑問にすら思わない、というケースは多々あります。
これって、最初に付き合った男がDV野郎やド変態でも、それが普通だと思ってしまって誰にも相談できないのと似ていますかね。あ、だからやっぱり経営者の処女信仰は治らないのか。

「そうでもない。経営者が代われば企業も変わる!」って思うかも知れませんが、「企業文化」ってものはなかなか変わりません。それが「奇業文化」なものほど特に。
なんでかって言うと、企業や組織の後継者というものは、その企業の「奇業文化」を作り上げた、または肯定している経営者によって、その「奇業文化」を受け入れている者の中から選ばれ、そしてその周りにはさらに多くの「奇業文化」を肯定している役員達が居るのですから、「奇業文化」が経営者の交代ぐらいで簡単に無くなったりはしません。
可能性があるとすれば、「外資に買収される」とかでそれまで「奇業文化」を担っていた役員や管理職が一掃されるなどの、よほどの過激な場合に限られるでしょう。

で、今後はそこら辺を踏まえた、企業の「見抜き方」「見分け方」が要求されると思うんです。
基本的には、こういうのは場数を踏んでいないと入社前にはなかなかつかめませんが、共通する特徴的なものだけを挙げると、まずディスコミュ根暗系(社内付き合い無し・会話無し)ブラックだと、「職場が異常に静か」というのがまず顕著な特徴です。一方、DQN系ブラックだと、「部外者の前でも平気で大声罵声で叱責」とか、「社員が皆異様にチャラチャラした格好してる(トンガリ靴とか)」なんてのがありますかね。
あと、中途採用だと、面接には人事だけでなく「実際に働く部署の管理職(=採用されたら上司になる人)」も出て来ることが多いんですが、もしその人が明らかにどこか不健康そうだったら要注意ってのもあります。

ま、最初から「若いコ」を騙してひっかけてもてあそんで捨てようとしている企業や男なんてゴロゴロ居ますから、「僕と契約して(ry」なんて言われてもホイホイついて行っちゃったりせずに、「契約の前に、よーく考えよう」ってところですね。



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