介護事業所の人材の募集と職員の定着を本気で考えている方へのブログ

どうすれば、介護スタッフが求人募集に応募してくれるか、辞めずに長く働き続けてくれるかについてお伝えします

働きやすい介護事業所の見分け方(身内を入居・利用させたい介護事業所の見分け方)

2018年12月22日 | 職員を定着させる方法
前回は「職場の人間関係改善シリーズ」第2弾

「職場の人間関係を改善するための経営理念の作り方」


についてお話しをしました。



今回も、「職場の人間関係改善シリーズ」第3弾

「職場の改善方法をスタッフからどんどん取り入れる」


についてお話ししようと思ったのですが、職場の人間関係改善シリーズの

お話は一休みさせていただいて、今回は、

「働きやすい介護事業所の見分け方」

について、お話したいと思います。



何度もこのブログでお話させていただきましたが、私は介護スタッフとしていくつ

もの介護事業所を渡り歩き、社会保険労務士の資格を取得してからは、ハロー

ワークの福祉人材コーナーという部署で3年間に、延べ300ヶ所以上の介護事

業所を訪問させていただきました。



介護事業所を訪問させていただいた際に私が必ずチェックしていたことがあります。


それは、

 ① 職員の方が来客者に笑顔で挨拶ができているか?

 ② 職員の方が利用者様や入居者様に対して楽しそうに接しているか?また、

   利用者様や入居者様も楽しそうに過ごされているか?

 ③ 職員の方が来客者に対し、丁寧な対応をしているか?

 ④ 施設内で尿臭や便臭がしていないか?(僅かな場合はOK)

 ⑤ 施設内が整理整頓されているか?

以上5項目を私は事業所訪問の度に毎回チェックしていました。




「① 職員の方が来客者に笑顔で挨拶できているか?」については、事業所を訪

問させていただいた際に気付いたのですが、スタッフが来客者の方に対して挨拶

ができない介護事業所がかなりありました。なぜ挨拶できないかというと、経営者

がスタッフへの教育をしっかり行っていない可能性が考えられます。



介護事業所もサービス業です。来客所の方が来られたら必ず挨拶するという教育

は必要です。それが出来ていないということは、サービス業としての自覚が欠けて

いる証拠です。



もし、「来客者の方に挨拶をしなさい」という教育をしているにもかかわらず、スタッ

フが挨拶をしないということであれば、スタッフがその介護事業所の運営方針に対

して不信感を持っていて、反抗している可能性もあります。



どちらにしろ、そのような介護事業所ではなく、来客者の方に対して挨拶がしっかり

できる介護事業所を選ばれた方が良いでしょう。



また、挨拶することだけであればスタッフに義務付けることができても、「笑顔で挨

拶をする」ことまでを義務付けることは非常に困難です。



厳しい環境で働いている場合、いくら義務でもなかなか笑顔になれるものではあり

ません。



したがって、スタッフ全員が笑顔で挨拶をしている介護事業所というのは楽しく働

ける介護事業所である可能性が高いのです。




実際、延べ300ヶ所以上の介護事業所を訪問させていただきましたが、介護スタ

ッフが笑顔で挨拶をしてくれる介護事業所は非常に離職率が低いところばかりで

した。




「② 職員の方が利用者様や入居者様に対して楽しそうに接しているか?また、

利用者様や入居者様も楽しそうに過ごされているか?」
については、介護は利用

者様のお世話をする仕事です。しかし、介護の仕事をしているうちに

「利用者のお世話をしてあげている」という気持ちが芽生えることがあります。



つまり、「介護スタッフ>利用者」という力関係が生じてしまうのです。



そのような力関係が定着してしまっている介護事業所では、利用者様に横柄な

態度を取ったり、利用者様が何かして欲しいと言ってきても無視するという行為

が横行していることがよくあります。




以前にもお話しましたが、私が初めて働いた介護事業所では、常にスタッフが利

用者様に横柄な態度・高圧的な態度で接しており、昼食の食事介助でも、機械的

に利用者様の口に食べ物を入れるだけで、利用者様は笑顔どころか一言も喋ら

ず虚ろな目で食事をしているという、まるで刑務所のようなところもありました。

(我慢できず、3日で辞めてしまいましたが)



そこは別格としても、その後何カ所も介護事業所を渡り歩いたり、介護事業所を訪

問させていただきましたが、やはり利用者様への態度が横柄気味な介護事業所は

非常に多かったように思います。



利用者様の満足度を追及している職場、職員全員が利用者様により良いサービス

を提供しようと思っている職場というものは、やはり、利用者様に対する接し方が違

います。そういう職場は、利用者様に対して常に笑顔で優しく丁寧に接しています。



そのような介護事業所では、利用者様も楽しそうに過ごされています。



評判の良い介護事業所とそうでない介護事業所を見比べていただければ、その違

いが分かると思うので、働きやすい介護事業所を探す際は、10ヶ所以上は介護事

業所を見学してみて下さい。




「介護のお仕事に就きたいと思っているのですが、一度、見学させていただけませ

んか?」と尋ねていただければ、普通の介護事業所は見学させてくれます。



見学させてくれないところは、私の経験上、やめておかれた方が良いでしょう。

(何か現場を見せられない理由(人手不足で忙しすぎたり、現場が雑然としている、

 現場が汚い等)があるか、サービスが悪いかのどちらかの可能性が高いです)



「③ 職員の方が来客者に対し、丁寧な対応をしているか?」については、介護

事業所の中には「自分たちは偉い」と思っているのか、来客者(特に、応募のため

に見学に来た人など)に対して、横柄気味な対応をしている介護事業所があります。



介護事業所というのは、閉鎖的な環境で仕事をしているせいか、体育会系的なとこ

ろがあります。



私も介護の仕事をしていた時に、「仕事は見て覚えろ」「1度教えたことは2度と教え

ない」
などと言われたことが何回もあります。

(1つの介護事業所だけではなく、複数の介護事業所で)



そんな介護事業所では、新人職員はちゃんと仕事を教えてもらえず、仕事ができな

いと先輩職員から叱られるので、すぐに離職してしまいます。



そういう体質が介護事業所内で浸透すると、新人職員はすぐに辞めていくこともあり

残っている介護スタッフは「自分たちは偉い」と勘違いして、利用者様や来客者に対

して横柄気味な対応になってしまうようです。


(事業所訪問させたいただいてた時も、何カ所かそういうところがありました)



つまり、職員が来客者(応募のための見学者等)に横柄気味な対応をする介護事業

所は、上記の可能性が非常に高いので、避けた方が良いでしょう。



「④ 施設内で尿臭や便臭がしていないか?」については、尿臭や便臭がきつい

介護事業所はやはり衛生面で問題があります。



私たちが日常生活をしていて、尿臭や便臭が漂っていることがありますか?



普通は無い筈です。



介護事業所も同じで、しっかりとした介護事業所ではなんとか尿臭や便臭を極力

抑える努力をします。それがされていないということは、介護に対する認識が薄い

事業所と言えます。

(ただし、やはりどれだけ努力をしても微かに臭いがしてしまうことは防げないの

でそこは大目に見てあげてください。要は努力しているかどうかが重要です。)



「⑤ 施設内が整理整頓されているか?」については、施設内の整理整頓ができ

ていないということは、経営者が施設内の整理整頓を心掛けていないか、スタッフ

には指示しているがスタッフが指示通り行っていない、つまり、スタッフの統制が取

れていない事業所である可能性があります。



①~⑤のチェックポイントをすべてクリアーできている介護事業所は、訪問させて

いただいた介護事業所の1割もありませんでしたが、クリアーできている介護事業

所は離職率が非常に低い職場ばかりでした。



みなさんも「働きやすい介護事業所」を探される際の参考にしてみて下さい!



ちなみに、①~⑤のチェックは

「身内を入居・利用させたい介護事業所の見分け方」としても使えるので、参考に

してみて下さい!







http://sr-higashitani.com/





(資料)
公益財団法人 「平成29年度 介護労働実態調査結果について」
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h29_chousa_kekka.pdf




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