前回は「職場の改善方法をスタッフからどんどん取り入れる」についてお話し
をしました。
今回は、「職場の人間関係改善シリーズ」第4弾
「仕事内容を頻繁に見直し、スタッフの負担をできるだけ減らす」
についてお話したいと思います。
人手不足も相まって常に仕事に追われている介護事業所も多いのではないで
しょうか?
特に利用者様に笑って過ごしてもらうことを経営理念に掲げ、実行していくため
には、今まで以上に介護スタッフの方の負担が増えることは間違いありません。
だからといって、スタッフの方の頑張りだけに胡坐をかいていては、スタッフは
そのうち頑張りきれなくなり、やがて退職してしまいます。
経営者の方は常にスタッフの負担をできるだけ減らす取り組みを実施していか
なければいけません。
介護業界はサービス残業が多い職種の1つといわれていますが、特に残業を減
らすことは重要です。
私は以前、ハローワークの福祉人材コーナーという部署の相談員をしていた時
に、延べ300ヶ所以上の介護事業所を訪問させていただきました。
訪問させていただいた際に職員の状況を伺うと、ほぼすべての介護事業所で
「人手が全然足りなくて困っている。」というお答えでした。
ある介護事業所を訪ねた時も「人手不足で困っているだろうな~」と思いながら
もいつも通り、「職員の方の状況はいかがですか?」と尋ねると、「介護スタッフ
は人手が足りなくて困っているが、看護師は十分足りています」という意外な答
えが返ってきました。
(介護事業所にとって、看護師は介護スタッフ以上に応募が少ない職種にも関わ
らず)
今まで、そんな答えが返ってきたことが無かったので、非常に驚くとともに、
看護師さんが足りている理由を尋ねると、「時給が少し高いことと、定時で帰
ることができるからですかね~」と答えられていました。
つまり、賃金が高いことも関係しているでしょうが、それよりも「定時で帰れる」こ
とが重要なのです。
(他の介護事業所でも残業が少ない介護事業所は離職率が比較的低い傾向に
ありました。)
ワークライフバランスの考え方がどんどん広まっている昨今、介護スタッフも家
族との時間を大切にしたいと考えている方がたくさんいます。
そのためにも介護事業所は残業を無くすなどの職員の負担を減らす努力をして
いかなければいけません。
では、どのように仕事内容を見直すかというと、まずは、経営者が「残業をゼロ
にすること」を宣言をします。
もちろん、今すぐ「残業をゼロ」にすることは現実的には到底無理です。
しかし、「残業をゼロにするための努力をどんどん実施していく」ことをスタッフ
に宣言し、それを実行していくことで、介護スタッフからの信頼を取り戻すこと
ができます。
次に、日々のミーティングでスタッフから業務見直しの提案をしてもらうように促
し、その時間を必ず設けるようにします。
具体的な方法としては、ミーティングの時に必ず「業務改善・効率化の提案がな
いか?」スタッフに確認します。
最初は何も提案が無いかもしれませんが、その時は経営者の方から
「あの業務は、こんなふうにできないだろうか?」
と提案してあげます。
これを続けているうちに、スタッフの方からも提案してくれるようになります。
何でもそうですが、まずは経営者自らが手本を見せてあげる姿勢が人材育成に
は非常に重要です。経営者が最初に行うことによって、スタッフは「こういうふう
にしなければいけないんだ!」とか「こういうことをしてはいけないんだ!」と思う
ようになるのです。
私の大好きな言葉に、連合艦隊司令長官の山本五十六氏の
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
という名言があります。
これこそが、人材育成の神髄だと私は思っています。
経営者の方の中には「うちの職員は全然ダメ!まったく使い物にならない奴
ばっかりで困る!どこかに優秀な奴いないかな~」などと嘆かれている方も
いますが、そのダメな職員にさせたのは他ならぬ経営者自身なのです。
経営者がスタッフにきつく当たれば、スタッフも利用者様にきつくあたるようにな
ります。経営者が介護事業をただの金儲けと思えば、スタッフも適当な仕事しか
しません。
介護事業に限らず、会社は経営者の人間性や能力以上には成長しません。
なぜかというと、その会社で一番偉い経営者がそのような考え方や振る舞いを
行っているからです。スタッフはそれを真似ているだけなのです。
中には経営者以上の人間性や能力を持ったスタッフもたまたま入社してくれる
かもしれません。しかし、そのような優秀なスタッフはすぐに見切りをつけて辞
めていきます。
このことを経営者自らが自覚しない限り、永遠に『いいスタッフ』に恵まれること
はありません。
少し話が反れてしまいましたが、仕事内容を見直す方法としては、日々のミー
ティングでスタッフにどんどん提案してもらうことです。
そのような提案が出た時は、まずは実行してみます!
実行して上手くいかなければ中止すればいいのです。または、少し方法を変え
てまた実施してみることです。
それを繰り返していくことによって、効率的に仕事を進めていくことができるよう
になります。
ただし、いくら効率的な仕事のやり方であっても、経営理念である
「利用者様に毎日笑って過ごしてもらう」ことに反した仕事の仕方をしてはいけ
ません。
そんな仕事の仕方を許してしまうと、今度は効率ばかり重視してしまい、利用者
様に対するサービスは二の次になってしまうからです。
一番重要なのは、「利用者様に毎日笑って過ごしてもらう」ことです。
そこを間違えてしまうと、良い介護スタッフは辞めてしまいますので、ご注意くだ
さい。
今回は仕事の見直し方の流れについて述べましたが、次回は、どの介護事業
所にも共通する介護記録の時間短縮方法等について解説したいと思います。
http://sr-higashitani.com/
(資料)
公益財団法人 「平成29年度 介護労働実態調査結果について」
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h29_chousa_kekka.pdf
をしました。
今回は、「職場の人間関係改善シリーズ」第4弾
「仕事内容を頻繁に見直し、スタッフの負担をできるだけ減らす」
についてお話したいと思います。
人手不足も相まって常に仕事に追われている介護事業所も多いのではないで
しょうか?
特に利用者様に笑って過ごしてもらうことを経営理念に掲げ、実行していくため
には、今まで以上に介護スタッフの方の負担が増えることは間違いありません。
だからといって、スタッフの方の頑張りだけに胡坐をかいていては、スタッフは
そのうち頑張りきれなくなり、やがて退職してしまいます。
経営者の方は常にスタッフの負担をできるだけ減らす取り組みを実施していか
なければいけません。
介護業界はサービス残業が多い職種の1つといわれていますが、特に残業を減
らすことは重要です。
私は以前、ハローワークの福祉人材コーナーという部署の相談員をしていた時
に、延べ300ヶ所以上の介護事業所を訪問させていただきました。
訪問させていただいた際に職員の状況を伺うと、ほぼすべての介護事業所で
「人手が全然足りなくて困っている。」というお答えでした。
ある介護事業所を訪ねた時も「人手不足で困っているだろうな~」と思いながら
もいつも通り、「職員の方の状況はいかがですか?」と尋ねると、「介護スタッフ
は人手が足りなくて困っているが、看護師は十分足りています」という意外な答
えが返ってきました。
(介護事業所にとって、看護師は介護スタッフ以上に応募が少ない職種にも関わ
らず)
今まで、そんな答えが返ってきたことが無かったので、非常に驚くとともに、
看護師さんが足りている理由を尋ねると、「時給が少し高いことと、定時で帰
ることができるからですかね~」と答えられていました。
つまり、賃金が高いことも関係しているでしょうが、それよりも「定時で帰れる」こ
とが重要なのです。
(他の介護事業所でも残業が少ない介護事業所は離職率が比較的低い傾向に
ありました。)
ワークライフバランスの考え方がどんどん広まっている昨今、介護スタッフも家
族との時間を大切にしたいと考えている方がたくさんいます。
そのためにも介護事業所は残業を無くすなどの職員の負担を減らす努力をして
いかなければいけません。
では、どのように仕事内容を見直すかというと、まずは、経営者が「残業をゼロ
にすること」を宣言をします。
もちろん、今すぐ「残業をゼロ」にすることは現実的には到底無理です。
しかし、「残業をゼロにするための努力をどんどん実施していく」ことをスタッフ
に宣言し、それを実行していくことで、介護スタッフからの信頼を取り戻すこと
ができます。
次に、日々のミーティングでスタッフから業務見直しの提案をしてもらうように促
し、その時間を必ず設けるようにします。
具体的な方法としては、ミーティングの時に必ず「業務改善・効率化の提案がな
いか?」スタッフに確認します。
最初は何も提案が無いかもしれませんが、その時は経営者の方から
「あの業務は、こんなふうにできないだろうか?」
と提案してあげます。
これを続けているうちに、スタッフの方からも提案してくれるようになります。
何でもそうですが、まずは経営者自らが手本を見せてあげる姿勢が人材育成に
は非常に重要です。経営者が最初に行うことによって、スタッフは「こういうふう
にしなければいけないんだ!」とか「こういうことをしてはいけないんだ!」と思う
ようになるのです。
私の大好きな言葉に、連合艦隊司令長官の山本五十六氏の
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
という名言があります。
これこそが、人材育成の神髄だと私は思っています。
経営者の方の中には「うちの職員は全然ダメ!まったく使い物にならない奴
ばっかりで困る!どこかに優秀な奴いないかな~」などと嘆かれている方も
いますが、そのダメな職員にさせたのは他ならぬ経営者自身なのです。
経営者がスタッフにきつく当たれば、スタッフも利用者様にきつくあたるようにな
ります。経営者が介護事業をただの金儲けと思えば、スタッフも適当な仕事しか
しません。
介護事業に限らず、会社は経営者の人間性や能力以上には成長しません。
なぜかというと、その会社で一番偉い経営者がそのような考え方や振る舞いを
行っているからです。スタッフはそれを真似ているだけなのです。
中には経営者以上の人間性や能力を持ったスタッフもたまたま入社してくれる
かもしれません。しかし、そのような優秀なスタッフはすぐに見切りをつけて辞
めていきます。
このことを経営者自らが自覚しない限り、永遠に『いいスタッフ』に恵まれること
はありません。
少し話が反れてしまいましたが、仕事内容を見直す方法としては、日々のミー
ティングでスタッフにどんどん提案してもらうことです。
そのような提案が出た時は、まずは実行してみます!
実行して上手くいかなければ中止すればいいのです。または、少し方法を変え
てまた実施してみることです。
それを繰り返していくことによって、効率的に仕事を進めていくことができるよう
になります。
ただし、いくら効率的な仕事のやり方であっても、経営理念である
「利用者様に毎日笑って過ごしてもらう」ことに反した仕事の仕方をしてはいけ
ません。
そんな仕事の仕方を許してしまうと、今度は効率ばかり重視してしまい、利用者
様に対するサービスは二の次になってしまうからです。
一番重要なのは、「利用者様に毎日笑って過ごしてもらう」ことです。
そこを間違えてしまうと、良い介護スタッフは辞めてしまいますので、ご注意くだ
さい。
今回は仕事の見直し方の流れについて述べましたが、次回は、どの介護事業
所にも共通する介護記録の時間短縮方法等について解説したいと思います。
http://sr-higashitani.com/
(資料)
公益財団法人 「平成29年度 介護労働実態調査結果について」
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h29_chousa_kekka.pdf
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