テリー・イシダの『独酌酔言』。

夜な夜な酒場で一人飲み、酔った勢いであれこれ、一言、申し上げます。

独酌酔言:80年前に亡くなった詩人に名誉博士号を贈った同志社大学の英断

2025年02月27日 | 世の中

同支社大学が名誉博士号を贈ったのは、

1945年(昭和20年)に獄死した韓国人の詩人、尹東柱(ユンドンジュ)さん、

同志社大学は過去の過ちを認めた上で、

歴史の暗部に光を当てるための名誉博士号授与だそうです。

そう、日本では歴史の暗部に触れることをためらう傾向があります、

過去の過ちを素直に、謙虚に認めることが、

次の時代を切り拓いていく前提だと思うのですが、、、

過去の日本国の過ちを認めようとすると、

一部保守層からの『自虐的歴史観』という陰湿な言葉の刃が飛んできます、

政治や教育の現場でも、直截的な反省行為を避ける傾向があると考えています、

この記事も『自虐的歴史観』と非難を受けるのかな??

本題に入りましょう、

詩人の尹東柱さんとは?

ソウルの大学を卒業後、立教大学(キリスト教系)を経て、

1942年(昭和17年)同志社大学(キリスト教系)に入学

ハングルで詩を書いていました、

第2次世界大戦下の時代、国は尹東柱さんを抗日運動に参加したとして逮捕、投獄、

1945年2月に獄中で亡くなりました、27歳、

素直に、27歳の青年がなぜ獄中で亡くなったのか?疑念が湧きます、

そこで何が起こったのか?想像に難くありません、

2025年、この尹東柱さんに同志社大学が名誉学士号を贈りました、

その理由は・・・

同志社大学が戦時中に犯した過ちに光を当てるため、

素直に過去の過ちを直視し、過ちを繰り返さないための礎を築くため、

というようなことのようです、

では、同志社大学が戦時中に犯した過ちとは・・・

毎日新聞2025年2月14日(金)夕刊1面詳しく掲載されていますが、

残念ながら本記事は有料記事 ⇒ こちらで会員になれば読めます

ので、ざっくり要約します、

同志社大学が戦時中に犯した過ちとは・・・

以下は毎日新聞記事から要約抜粋、
(「同志社百年史」から、同志社大学神学部教授 小原克博教授が語った内容)

・神棚事件(1935年) 同志社高等商業学校(当時)の柔剣道場の創設者:新島襄の肖像画に代えて学生が無断で神棚を設置

・チャペル籠城事件(1937年) 配属将校に扇動された学生が礼拝堂に立てこもりキリスト教儀式の廃止、マルクス主義教授の処分を求めた

・定款の改訂(1940年) キリスト教主義を残しつつ、定款で教育勅語の理念に配慮

記事によると、この定款の改定で、

“同志社は戦時体制への最後の曲がり角をまがった”そうです、

軍国主義に迎合した同志社大学はこの後、外国人教師を次々に追放

学徒出陣を後押しし、多くの学生を戦場へ送り込みました、

国民の自由と権利を奪った戦時下の日本国、

それに抗しきれなかった同志社大学

この歴史の暗部を素直に直視し、その過ちの本質を明らかにすることで、

次の時代に同じ過ちをしないよう警笛を鳴らす

これがまさに同志社大学が目指している未来の姿だと思いました、

実はワタシも同志社大学OBです、

が、戦時中の同志社の暗部について考えたことはないし、

触れたこともなかったです、はい、

今まさに世界でいくつもの戦争が進行している2025年、

尹東柱さんへの名誉博士号授与は、

同志社大学の平和への祈りを体現した英断と歓迎します、

1995年、キャンパス内に在日コリアンの同志社OBらにより詩碑がたてられました、

そこに刻まれている尹東柱さんの詩です、

 

死ぬ日まで空を仰ぎ 一点の恥辱なきことを、
葉あいにそよぐ風にも わたしは心痛んだ。
星を歌う心で 生きとし生けるものをいとおしまねば
そしてわたしに与えられた道を 歩みいかねば。
今宵も星が風に吹き晒される。