続・とりあえずの映画鑑賞メモ

ツォツイ(2005英=南アフリカ)

“スラム街で生きる不良少年の魂の葛藤”

だいぶ前から六本木ヒルズのTOHOシネマで上映されていて気にはなっていたんですが、やはり六本木には足がなかなか向かず、見逃し確定?と思っていたら、なんとパトスで上映とのこと、これは見逃しできません、15:00までの回しかないので早めに用事を終えて行ってきましたが…いやあ、良かったです、アカデミー賞外国語映画賞受賞も納得の素晴らしい作品でした。
ツォツイとは不良やチンピラを意味する南アフリカのスラングなんだそうですが、スラム街ですさんだ心で生きる少年がひとつの“命”と出会うことで、生きることの意味を見いだしていく…という話でごくシンプルなんですが、見えているものはとても複雑で奥行が感じられるのです。

“原作には登場人物たちの心の言葉、とりわけツォツイの心の道程が描かれている。それは彼の覚醒と記憶の再発見、そして自身の人間性の発見の旅といえる。ツォツイの心の動きが見事に描写された原作だから、映画も最低限のセリフで作ることにした。セリフは少なくとも、映像や人物同士の交流が、原作者のブガードが書いたことを観客に伝えてくれるんだくれるんだ”とはパンフに書いてあった監督さんのコメントですが、激しく共感しました。
セリフやナレーションで説明するのではなく、登場人物の仕草や他者との関わりを丁寧に描くことで、作り手の思いが伝わってくる、内容的に違う手法が必要な映画もたくさんあるとは思いますが、私はやはり、こういう、映像重視の、人物をしっかり掘り下げて、観る側を、善悪の是非でなく、思わず寄り添いたくなるような気持ちにさせる作り方が好きです。

なんか私にしては珍しく熱くなってしまいましたが、そして、昔の映画は良かったなんて“ないものねだり”をするつもりもありませんが、前はこんな映画がたくさんあったような気が…。

どこがどうとはハッキリ言えないんですが、私の好きだった頃の黒澤明監督の作品(カラーになる前のという意味ですが)なども思い出したりして…そういえば黒澤監督作品も“性善説”に基づいたものが多かったし・・・おっと、ここまで書いてしまうとラストの解釈に触れてしまいそう…というか、私の映画知識もボロが出そうなので、とりあえず送信!

パトスでの上映は今週の金曜日までなので、興味ある方はお見逃しなく(^-^)b

銀座シネパトス3 15:00~観客5割程/72席
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