植物に

2012年04月19日 | 思う

「今年は春が遅い」 と言いながらも 

庭の雪はずいぶん少なくなって

久しぶりの見る黒土から、ちらほらと見える植物達は

「生きてますよ」という感じ。

球根の姿で養分を蓄え

その時が来たらきっちり咲く

(昔の)球根は土の中で更新し続け

春になって咲くその芽は

新しいのか 古いのか

この時期に力強く伸びる芽は

北海道の北の北、道路の端っこあたりに

普通に咲いていたスイセン

それを掘り起こして庭に埋めた野生の球根は

ごつごつのこぶが重なり合ってごちゃごちゃしてる

グロテスクとも言えるその形は

収拾つかなくなった脳みそみたいだった

土に埋めると見えなくなって

しばらく球根のことなんかすっかり忘れて

それでも春になるとこんな風に

生きてます 生きてます

と訴えかける

半年近く雪に埋もれるわたしの庭

久しぶりの黒土や植物の芽は

半年前の記憶をたどってみるものの

どこに何が咲いていたのが忘れている

それでも庭を眺めているのはとても気分がよくて

時間を忘れて

ひながいちにちながめていたい

もし次に生まれ変わることができるなら

わたしは「植物」と決めてる。

神様が

「いやぁ 最近植物人気で、お前さんは違うものにしておくれ」

と言われても

「思いつきじゃありません ずいぶん前から決めてたんです」

と 生意気だけど詰め寄ってお願いするつもり。