「今年は春が遅い」 と言いながらも
庭の雪はずいぶん少なくなって
久しぶりの見る黒土から、ちらほらと見える植物達は
「生きてますよ」という感じ。
球根の姿で養分を蓄え
その時が来たらきっちり咲く
(昔の)球根は土の中で更新し続け
春になって咲くその芽は
新しいのか 古いのか
。
この時期に力強く伸びる芽は
北海道の北の北、道路の端っこあたりに
普通に咲いていたスイセン
それを掘り起こして庭に埋めた野生の球根は
ごつごつのこぶが重なり合ってごちゃごちゃしてる
グロテスクとも言えるその形は
収拾つかなくなった脳みそみたいだった
、
土に埋めると見えなくなって
しばらく球根のことなんかすっかり忘れて
それでも春になるとこんな風に
生きてます 生きてます
と訴えかける
。
半年近く雪に埋もれるわたしの庭
久しぶりの黒土や植物の芽は
半年前の記憶をたどってみるものの
どこに何が咲いていたのが忘れている
。
それでも庭を眺めているのはとても気分がよくて
時間を忘れて
ひながいちにちながめていたい
、
もし次に生まれ変わることができるなら
わたしは「植物」と決めてる。
神様が
「いやぁ 最近植物人気で、お前さんは違うものにしておくれ」
と言われても
「思いつきじゃありません ずいぶん前から決めてたんです」
と 生意気だけど詰め寄ってお願いするつもり。
。