スターアニスの 『大和路 里の光彩』

アーカイブ中心の風景写真、趣味の書・刻字など・・いろいろと楽しんでおります。

「若狭富士」に馬頭観音

2007-06-07 12:26:38 | 西国三十三箇所めぐり

<29番札所  青葉山 松尾寺(あおばさん まつのおでら)>


場所:京都府舞鶴市松尾532

唐僧の威光上人が青葉山中の松の大木の下で修行中に馬頭観音像が現れ、慶雲5年(708年)にこの松の木の下に草庵を造り、観音像を祀ったのが松尾寺の興りとされている。

1119年には鳥羽天皇時代には寺領4千石、寺坊は65を数え、繁栄していたという。
その後、織田信長によってことごとく焼かれたが1581年細川幽斎によって復興し、京極家の修築を経て1730年に牧野英成によって今日の姿となっている。

馬頭観世音菩薩は頭に馬を載せていることから、農耕の守護神としてまた畜産の発展や交通安全、あるいは競馬関係者にも信仰されている。
境内にある馬の像もそれにちなんだものだろう。

国宝の「普賢延命菩薩像」(12世紀前半に制作されたといわれている絹本著色画。但し、現在は京都国立博物館に寄託されているとか。)
他に阿弥陀如来坐像をはじめかなり多くの重要文化財などがある。



車でこの山門にたどり着く道は、凄い急な登りである。
この仁王門は江戸中期、享保15年~享和2年(1730~1802年)に建てられたものといわれ、風格のある建物である。



本堂に向かって掛けられた廊下。なかなか趣きがあっていいものだ。
本堂は二重屋根の特異な形状をした宝形造りであり、非常に珍しく、印象的である。本堂正面にある「手水所」の屋根も宝形造りである。唐僧の威光上人の創建ゆえなのだろうか? またこの青葉山は死火山だったこともあり、寺の階段石、基礎石などに溶岩が使われているのも特徴だ。  現存の「本堂」は享保5年に着工し、10年の歳月をかけ享保15年(1730年)に完工したものといわれいる。



「鐘楼」の横には大きな「銀杏の木」があった。
木は元永2年(1119年)に鳥羽天皇が手植えした銀杏だとか。立てかけられた看板には、「樹齢870年、根回り6m、・・・」などが・・・。
 



西国第4番「施福寺」の境内にも馬の像が置かれていたが・・・。


今は拝観することが出来ない本坊(?)の門には菊花の紋が・・・元明天皇勅願寺であることを照明するものだ。


こんな石碑も・・・。


境内のもみじ。葉っぱが一回り大きいのだ。そして実をつけていた。


ご住職が考えられたものかどうか聞き忘れたが、この他にも「よい人材を得るために」「良寛さんのいましめ」「人生往来手形」「極楽往生手形」などがB4版1枚100円也。全てを買った。


天橋立の景観を望む

2007-06-07 10:30:32 | 西国三十三箇所めぐり

<28番札所  成相山 成相寺(なりあいさん なりあいじ)>


場所:京都府宮津市成相寺339

開基は、慶雲元年(704年)真応上人。
本尊は「聖観世音菩薩」。

この成相寺の由来は、真応上人がこの地で修行中、食べ物はなくなり餓死寸前。そこに一頭の傷ついた鹿。命には代えられず、その鹿の肉を煮て食べた。ところがこの肉は本尊の腿の木片であることに気付き、観世音菩薩が身代わりになって助けてくれたことを知った。

上人は喜び、木片を観世音菩薩の腿につけると像は元通りになったという。仏像が元通りに「成り合った」ので、「成合寺」、さらに転じて「成相寺」になったとか。


本尊は「聖観世音菩薩」。美人になれる観音様。美人観音の由来は御伽草子梵天国に詳しく書かれているという。


本堂内の納経所の上に掲げられた左甚五郎作といわれる「真向(まむき)の龍」。こちらを睨んでいるようで・・・。


本堂内に置かれていた「五鈷杵(ごこしょ)」。これを撫ぜると諸悪運を防ぐという。


この 「五重塔」は、山門から本堂までの参道左側(バス停前)の広場に建てられている。「平成五重塔」とも呼ばれている。もともと本堂もこの塔ももっと上にあったらしいが、1400年(応永7年)の山崩れで現在の地に移されたとか。


参道の途中に「撞(つ)かずの鐘」がある。
慶長14年(1609年)、新しい鐘を鋳造する時、誤って子供を坩堝(るつぼ)の中に落としてしまった。出来上がった鐘をつくと、子供の泣き声、母を呼ぶ悲しい声が聞こえるという。あまりの哀れさに子供の成仏を願って、以後、一切この鐘をつくのを止めたという。



本堂の前に置かれている鉄製の円筒形の「鉄湯船」。
かつて成相寺の湯屋で湯船(湯を沸かすのみ)として使用されていたものとか。
後には、薬湯を沸かし、怪我や病気の人を治療するためにも用いられたともいわれている。



日本三景の一つ「天橋立」。この成相山の頂上にある展望台から望むことができる。 


能登半島及び北アルプス白山を見ることができる。

女性のお寺・・・華やかで、優しく

2007-06-07 07:19:56 | 西国三十三箇所めぐり

<24番札所  紫雲山 中山寺(しうんざん なかやまでら)>


場所:兵庫県宝塚市中山寺2丁目11-1

聖徳太子の創建によるとつたえられる、観音霊場。
このお寺の本尊である十一面観世音菩薩は「女人救済の観音様」として知られている。
特に、「安産祈願」のお寺として妊婦やその家族のお参りが多い。
最近、修復された(?)ばかりのお堂や事務所など建物の朱色も鮮やかで全体的に女性らしい華やかさが漂う。また階段横のエレベータも、妊婦さんへの配慮(?)が伺える。

豊臣秀吉が世継ぎ誕生祈願をし、秀頼を授かったことに始まり、明治天皇勅願所として霊徳を高めているのだ。
皇室との縁も深く、皇室御懐妊の折にも必ず腹帯を献上されているとか。

本尊の十一面観音菩薩は、2000年以上も昔のインドの王后シュリーマーラーの等身像といわれている。その両横にも十一面観音が祀られ、3体合わせて33面。このお寺にお参りすると西国三十三箇所全てに参拝したのと同じ功徳があるといわれる所以なのだ。


山門前は生活道路なのだ。朱塗りが輝いている。


たくさんのワラジが奉納されていた。


山門から見る境内。左右には何箇所ものお堂が並んでいる。土産物店も・・・。


このお堂も綺麗だ。「弁財天」「水子地蔵」などなどが建ち並ぶ。


新しく建てられたのか、眩い。


これは半分だけ。


納経所・事務所も現代的で、スッキリしている。


境内に成っていた実。何の木か分からない。