昨日、奈良国立博物館で「西国三十三所 観音霊場の祈りと美」を見たあと、「奈良市写真美術館」に展示されている入江泰吉さんの写真作品『大和の道』を見るため寄り道した。
この美術館は、奈良・大和路の風物を撮り続けた写真家・入江泰吉氏の全作品を奈良市に寄贈したのを機に、黒川紀章氏の設計で建設、平成4年4月に会館したものです。
約8万点の入江作品は資料としても貴重で、またこの膨大なフィルム(ポジ、ネガ、乾板)を保存技術を導入して、永く保存するとともに、作品にして公開されているのです。
美術館では何ヶ月か毎に入江さんの作品が入れ替えられ、タイミングをみて立ち寄るのです。
今回は「大和の道」と題して40点が展示され、古代びとや万葉歌人の心に思いを馳せて捉えられた、情趣漂う作品です。
私が、昔見かけた道・・・懐かしい道。
こんな綺麗な色があったのか・・・と思うような秋色に染まった樹木と景色。
色んな思いを巡らせながら・・・楽しんできました。
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▲飛鳥 柏森。<HPから借用>
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▲入江泰吉し作品「二上山への道」。<HPから借用>
同時に『奈良の鉄道』~明治・大正・昭和への旅~が催されていました。
明治5年(1872年)に日本で始めて新橋・横浜間に開通した鉄道。
奈良で開通したのは、明治23年(1890年)、現在のJR大和路線。奈良・王寺間に汽車が走ったのが始めてとか。
近鉄奈良駅が出来たのは大正3年(1914年)のこと。
以来、昭和40年代までの「鉄道」をテーマとして、入江さんや著名な写真家から集められた100点が当時の人々の生活風景や懐かしい鉄道写真で構成されています。
私の地元・櫻井駅前の懐かしい材木を積み込む風景がありました。
今はなき、近鉄・油阪駅舎の写真もありました。
殺風景な当時の天理駅もありました。
のんびりした田舎駅、のどかな田圃の中や鉄橋を走る汽車もあります。
少し前の、もうひとつの奈良の姿が見られました。
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▲国鉄奈良機関区(昭和30年代前半)<HPから借用>