ここは、桜井市吉隠(よなばり)。
「吉隠」をヨナバリと読める人は少ない。
大昔、「吉名張」と書いたときもあったとか・・・。
「万葉集」にも登場する地で、初瀬から榛原に向う国道165号沿いにある。
『 降る雪は あはにな降りそ 吉隠の猪養の岡の 寒からまくに 』
<穂積皇子(巻2-203)>
穂積皇子と但馬皇女の恋・・・皇女の死後、詠まれた歌だ。
「降る雪よ、そんなにたくさん降らないで。あの人の眠る猪養の岡が寒いから」
この近くに、猪養の岡・・・猪を放し飼いにしていたところがあったのだろう。
最近では、野生のイノシシが県内各地の畑を荒らしているが・・・この辺りも被害があるのだろう。
時々、車で通るところで、南側の棚田が美しいところだ。
まだ、緑が残る水田は、日に日に金色に輝いてくる。
もう少しで、収穫が始まる。