奈良市の南端にある「高野山真言宗・弘仁寺(こうにんじ)」に向います。
先に訪ねた正暦寺から2kmほど南に向かった虚空蔵山(別名・高樋山)に抱かれるようにひっそりと佇んでいます。
山門には維持協賛金として「200円」を入れる箱が置かれている。
境内の遠くから草刈り機の音が聞こえてくるから、どうやらご住職は作業中のようです。掛かって来た電話に応答する人も居られず、他にお参りの人も居ず・・・広い境内に私一人です。
このお寺の創建については、嵯峨天皇の勅願により建立したという説と、弘法大師がこの山に明星が落ちるのを見て、この地に虚空蔵菩薩を祀ったのが始まりとも伝えられ、どちらも弘仁5年(814年)とのことで・・・まぁ、1200年前のことですから・・・どちらでもいいのですが・・・。
▲芙蓉が彩りを添えています。
その後、室町時代に松永久秀の兵火により、大部分が焼失したが、江戸時代の1629年には完全に再興され、今日に至っているのです。
木造明星菩薩立像〔空海作・国重文〕は現在奈良国立博物館に寄託中で、本尊は木造虚空蔵菩薩。この菩薩は、高樋の虚空蔵(たかひのこくぞう)さんとして親しまれ、13才になった子供に知恵を授けてもらう「十三詣り」としても有名とか。
▲ノウゼンカズラも・・・
▲これが「算額」かなぁ?
更に「算額(さんがく)」が本堂外陣に掲げられているのも特徴。江戸時代のわが国で、額に数学の問題や解法を記して、神社や仏閣に奉納された額のことで、安政5年に和算の問題が解けたことを感謝して奉納されたものが掲げてあります。
本尊の虚空蔵菩薩が知恵・知識に授かる菩薩として広く信仰されていたのでしょう。この「算額」は奈良市指定有形民族文化財に指定されています。
▲本堂の前には、白い萩も咲いています。
▲ウメモドキの実も・・・。
▲鐘楼前に成っていた実。最初、「ドングリ」かな?と思いましたが、帰宅して調べたところ「ブドウ柿」でした。面白い実です。
知恵を授かるには、時間が足りません。駆け足で巡る私には、ゴリヤクもありません。でも、しっかりと手を合わせてきました。
<o:p></o:p>