昨日の続きです。
昨日(2/11)は、3年ぶり8cmほどの積雪。朝方の5時頃から止むことなく降り続いています。
そんな銀世界のなか、『御綱祭り』の追っかけで・・・スノータイヤを履いたカミさんの車で出掛けました。
午前8時からの祭典に合わせて、「雌(女)綱」側の大西地区・市杵島神社に向かいます。境内の南東隅にある「御綱神社」にて、御幣を立て、神饌を供えて催される神事が催されました。
雌(女)綱が置かれた御綱神社・建屋には「大神神社」の提灯が吊り下げられています。聞くと、神主さんは大神神社から来て貰っているためという・・・大神神社の一部では、ないとのこと。
▲am8:00 「御綱神社」で神事が行われました。8本の御幣。青竹に杉の枯れ葉に火を点けて・・・その灯かりの中で厳かに・・・。
▲神事のあと、綱と区民の皆さんに御祓いが・・・「無事に行われますように・・・」
仲人役・地区の役員が揃い、祝詞奏上、御祓いのあと、力付けのためお神酒が振舞われた。
▲お神酒を頂き・・・身体を暖め・・・いよいよ出発の時間です。
神主さんと仲人さんの先導により、いよいよ綱が担がれて相撲場へ・・・。狭い家並みを縫いながら掛け声と共に進みます。
ところが、あいにくの積雪で踏ん張る足が滑ります。危険なため、今回は一部の区間車に乗せて移動するとのこと。怪我人がでないようにとのことで、致し方ないことです。
途中、相撲場となる田圃では、泥相撲を取ります。(今回は、江包地区に移動したため、撮影出来ず)
泥がつけばつくほどその年は、豊作になるとか。雪と泥にまみれ途中でお酒を飲みながら約1時間ほど行われます。
▲いよいよ担がれて・・・出発です。
▲先導は、神主さんと仲人さん。綱に雪が積もり・・・濡れて重くなります。
▲雪の中、雌綱は進みます。
一方、雄綱の絵包(えっつみ)地区では、「化粧直し」され、引き綱がつけられる。
その後、お神酒を飲んで・・・。境内に置かれた引き綱の上に、祝い事があった家の人々を藁をかぶせ、次々と担ぎ手がかぶさっていく。手荒い祝福だ。今年は、祝う家がなかったが、何かと祝い事をつけて、藁の中に連れ込んでいた。
▲コチラは、雌綱の江包地区。お神酒を飲んで・・・。
▲江包地区で前年に祝い事があった家の人達を、この藁の中に連れ込んで、手荒い祝福をするのです。
やがて綱は、相撲場に運ばれます。今回は、コチラも相撲場まではトラックターでの移動です。
暫くののち、江包地区の泥相撲が始まった。泥が付くほど豊作になるといい、泥の塗りあい合戦だ。四股名は、奥さんの名前に「山」や「川」を付けて、行事の呼び込みです。例えば『美智子山~』と・・・。
大阪場所がなくなったため、「江包場所」開幕だ!。「八百長、するなヨ!」と、観客の声。土俵には観客から雪が投げ込まれ・・ますます冷たさが増します。休憩を挟んで3回ほどの取り組みが1時間ほど催された。
▲雄綱の江包地区の相撲場です。泥と雪のなか、泥んこになります。泥がつけばつくほどいいのですが・・・泥はシャーベット状。力士たちは、寒くて痛いと言っていた。
▲雄姿です。
▲力士たちは、時々、身体を暖めに焚き火にあたります。奈良県警のおまわりさんも抱きつかれて・・・背中に泥が・・・。
▲大西地区の「雌(女)綱」。アスファルトの上は、足が滑ります。
▲大西地区の「雌(女)綱」です。雪が積もって・・・
▲大西地区の「雌(女)綱」が初瀬川の向こう側を通って・・・進みます。先に素盞鳴神社に到着です。ここで、雌綱が「舟入り」の形にされ、雄綱を待つのです。
▲江包地区の雄綱は、大西地区の仲人役・喜田さんの7度半の「呼び使い」に応じて、やっと相撲場から担ぎ上げられます。
▲雄綱は雌綱めがけて・・・さぁ、突入です。よいアングルを狙うカメラマンが邪魔(危険)になって・・・罵声と怒声が飛び交います。
素盞鳴神社の前で「入船式」が行われ、両者が繋がって、神前に吊るされる予定だったが、余りの重さに耐え切れず吊り下げる支柱が倒れたため、吊り下げを諦めることに・・・。
尻尾は、雄・雌の両方とも長く張って、雌綱は、初瀬川を越えて対岸の大木にくくりつけられた。
▲あまりの重さに支柱が倒れ掛かり、吊り下げが困難です。1時間掛けても・・・無理でした。
▲何とか、「入舟式」だけは終えることができたが・・・結果、吊るすことが出来なかった。
▲何とか「入舟式」を終えました。下になっているのが雌綱。上にあるのは雄綱です。見事なドッキングです。この形で吊り下げられる予定だったが・・・。
▲両地区が入り乱れて称えあいます。コチラにも、お酒を勧められたが・・・あいにく車のため・・・断ったが・・・。
老人いわく・・・『わしらの若い頃は、綱を川に入れて、わざと重くして運んだものや。今の若いモノは、力ないなぁ。仕方ないけどなぁ。』
▲双方の参加者が手打ちし、大西側の仲人と村役だけが残り、江包側と社殿で式が行われた。
文部省の方も3日間にわたり、この奇祭の一部始終を見に来られ、村人にいろいろと尋ねておられた。無形民俗文化財(既に県としは登録済み)としての視察なのだろうか。
大西地区の雌綱を作る藁(ワラ)は、村の役員が1反3畝(1,089㎡)の稲藁をコンバインで粉砕せずに天日干ししたものとか。
過疎化が進む中で、江包地区は40戸、大西地区では85戸余りで、この祭りを守り続けておられる。若者が少なくなり、元々旧正月10日に催されていたが、今日では祝日となる2月11日に催されている。
『いつまで、続けられるか・・・。若い人たちに繋いでいきたいのです。』と、昨年までの仲人役・喜田さんは心配されていた。
この奇祭がいつまでも続いていくことを願うものです。
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まさかの大雪。
靴と上着は、ずぶ濡れ。長靴でなく、はじめは傘を差していたが邪魔になって・・・カメラに雪が積もるのを払いながらの撮影となった。
加えて、泥んこの人達の中をウロウロしたため、上着にも泥が・・・。
撮り終えたのは、午後1時40分。約6時間の撮影です。ぐったり疲れました。
でも、珍しい雪景色の中、貴重な祭りを見ることが出来ました。
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大和の奇祭・・・奈良県桜井市江包(えっつみ)と大西(おおにし)に伝わる「御綱祭り」を紹介します。
9日、10日、11日の3日間にかけて準備と祭りを追いかけてみました。
今日は9.10日の準備の様子を中心に、明日は11日の「御綱祭り」の様子をお伝え致します。
この祭りは、「田遊び祭り」の一種で、奈良県指定無形民族文化財に指定されている「五穀豊穣」と「子孫繁栄」を願う農耕神事です。
昔、大洪水があって神様が上流から流れてこられたのを、大西では稲田姫(いなだひめ)、江包では素盞鳴命(すさのおのみこと)をお助けして祀ったのがはじまりです。
その後、毎年正月に結婚されるようになったのです。(和州祭礼記)
加えて洪水の時に、稲田姫が蛇(ジャ)になって川を渡られたので、それからこの行事をするようになったとも言い伝えられています。
祭りは2月11日 に行われますが、江包地区では前々日の9日から春日神社で「雄(男)綱」が作られます。また10日には、大西地区の市杵島神社で「雌(女)綱」が作られます。
この雄綱と雌(女)綱が、江包地区にある素盞鳴神社の神前で夫婦の契りを結ぶことになるのです。
この神事を「入船式(いりふねしき)」とも言われています。
ふたつの綱は、榎木(えのき)の老木に吊るされ、5月中頃までそのままに置かれるのです。
何しろ、この男綱の大きさは藁9束を芯にして、7
一方の女綱は、太い三つ網をよりに従ってなっていき、頭のほうを適当な長さに二つ折りにして巻きます。それを到着した素盞鳴神社境内の榎木に掛けたとき、舟形に開き、女性のモノの形にするのです。また他の一端は長くなっていき、100m程の尾となります。重さはこちらも約600kgになるのです。
昔から江包地区と大西地区では、両地区間では結婚しないことを定めているとか。これは神さんが結婚をされるので、氏子は遠慮するとか。昔この定を破って、縁組をしたが、破談になったといわれています。
9日の午後から、雄綱作りが行われている春日神社を訪ねると、15名ほどが雄(男)綱を作られていてほぼ出来あがりつつありました。確かにびっくりするほど大きい。
また、雄綱と雌綱が一緒になる春日神社からほど近い素盞鳴神社に両方の綱を架ける台作りの準備が行われていました。
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▲2/9 江包地区では「雄綱」が作られつつありました。重さ600kg。
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▲出来上がった「雄綱」です。2/11に持ち出されます。
10日の午後からは、雌(女)綱作りが行われている市杵島神社を訪ねました。
「よいとせ~ よいとせ~ よい、よい、よい」との掛け声で藁を編んで、直径5mほどの大きな舟形(女性のカタチ)を作られていきます。またその尻尾も直径20cm、長さは最終的には100mほどに伸ばされていきます。
総勢50名ほどの人たちが、それぞれの役割を担当されて手際よく作業をされていました。
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▲2/10 大西地区の「雌(女)綱」作りです。これはシッポの部分かな? 「よいとせ~ よいとせ~ よい、よい、よい」の掛け声で縄を編んで太くしていきます。
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▲区民総出の作業です。この日は平日のため、会社勤めの人はおられません。
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▲左:一本の縄から2本の捻じり縄を作る、特殊な道具が使われています。
右:この建物内で雌綱が作られています。こちらの掛け声も「よいとせ~ よいとせ~ よい、よい、よい」。次第に太くなっていきます。
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▲見ているほうも力が入ります。思わず「ヨイトセ~ ヨイトセ~、ヨイ、ヨイ、ヨイ」と叫んでしまいました。
右:シッポは100mにもなります。
▲この写真では、「雌(女)綱」とは分かりませんね。この半分くらいのところから二つに分かれ「舟形」になるのです。直径3mほど・・・。前日、江包地区に「雄(男)綱」の太さを聞きに行かれていたのです。
大西地区の雌(女)綱を担いで素盞鳴神社まで、神主さんと仲人さんが先導します。
ちょうど、昨年まで仲人役をされていた「喜田さん」に話を聞くことが出来ました。
聞くと、この喜田さんのご先祖が三輪から初瀬川を流れてきた神様を助けられたという。そのため、代々、この「お綱はんの結婚式」の仲人役を仰せつかっているとか。でも、今年は若手で親戚の「喜田さん」に譲るという。80歳を過ぎると体力的に辛くて・・・といわれていた。あくまでも「喜田家」が、この役をされていくのでしょう。
明治時代に一度、小さな雌(女)綱を作って盆に乗せて奉納したところ、村の女性に婦人病が流行って・・・「祟りだ」と大変だったため、以来この大きさにしているとか。
戦時中には男手が足りず、トラックに積んで運んだこともあったとか。また、せっかく作り上げた綱が深夜に燃えてしまって、徹夜して作り直したこともあったと、懐かしそうに話して頂いた。
貴重な話である。
明日は、11日の「御綱祭り」を紹介致します。
先日の暖かさが一変、昨日あたりから雨が降り、寒さが戻ってきた。
明日も、雪がぱらつく天気になるとの予報です。
昨日と今日、そして明日に掛けて、追いかけている「大和の奇祭」の撮影で、今日もその会場となる神社を訪ねていた。
この3日間の記事は、明日に紹介致します。
ということで、今日の撮影が終わった後、明日香に立ち寄り、八釣の里の蝋梅を撮りに行った。
この蝋梅の咲く場所は、ブログ仲間では有名で、訪ねた時も一人のカメラマンが居られた。
青空はなかったものの、寒さの中で、黄色の世界といい香りの世界に酔ってきました。
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▲1枚目以外は、全て畝傍山と二上山をバックに入れて撮りました。
わが庭の植木や草花は、昨年の猛暑と降雨が少ない今冬で、かなりのダメージを受けた。
というか、放任しているのだから、仕方のないことなのだが・・・。
環境変化に敏感なミニ盆栽は、惨憺たる有様で・・・特に手間の掛かる、山野草の多くが枯れてしまった。(枯らしてしまった。)
それでも、逞しく生き延びてくれたモノたちは、一昨日までの3日間の暖かい陽ざしを浴びて、花が・・・新芽が・・・動き出してくれた。
でも、昨日からの冷たい風で・・・・・膨らんだ蕾を硬くしてしまったようで・・・。
暦のうえでは、春の訪れだが・・・まだまだ、春は遠し・・・。
大和では、二月堂のお水取りが終わるまでは、本当の春は来ないのです。
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▲ネコヤナギも顔を出しました。姫立金花も一輪だけ。昼間だけ花びらを広げ、夕方から早朝までは花を閉じて萎んでおります。
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▲植木鉢の紅梅は元気です。ヤマボウシの花芽も少しだけ膨らんできました。
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▲馬酔木(アセビ)の蕾も色付きながら膨らんできました。ツワブキの綿毛は、まだ頑張っています。
昨日、撮った「宇陀市・本郷の夜明け」の続きです。
太陽は、高見山の稜線の上に出て昇ってゆきます。
まばゆくて直視することは出来ませんが、少し目をそらして、山並みや他の景色を見ると、昼間とは違った景色が広がります。
いつもの場所から、少し移動して撮りました。
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▲まずは、昨日の続きで、太陽が昇った直後です。眩くて・・・液晶モニターで確認して撮っています。
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▲場所を変えて・・・逆光の中の「柿の木」が主役です。もう少し、バックの山並みが出ればよかったのですが・・・。もっと勉強が必要です。
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▲逆光になるとモノクロ写真になります。これもまた良し。
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▲上の写真と同じ場所で、レンズを太陽光線から下側に向けると、このように変化します。面白いですね。
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▲上の写真と同じ場所から縦長に撮るとこうなります。この三角屋根が主役です。手前の雪が冷たさを証明してくれます。
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▲幾重にも連なる山々・・・真正面には高見山が見えますが、分かるでしょうか? 逆光ならではの墨絵の世界です。
この日は、一番乗りをして一番最後になって、撮り続けました。
最後の一枚は、am7:49 。2時間近くまで居たことになります。アッという間を過ごしました。
すぐ隣の畑には、霜が降りて、真っ白になっています。
あの肌を刺す冷たさがなくなり、寒さが緩んできたのを肌で感じます。
少しずつ、春が近づいているのを感じます。
次に訪ねるのはも雲海の出始める頃。
でも、時々、覗きに来よう。
朝陽を見るだけでもいい。元気をもらいに来よう。