語り手(男)は(雪)山で遭難している。
もはや歩く体力すら尽きて、何もできずにただ凍え死ぬ瞬間を待っている。
今回の話は、物語の舞台が何であるかに気付けたかがポイント。
本文中の記述から語り手(男)はアイゼン(登山用具の一種)やレインウェアを身につけていることがわかるので、
これは登山者に関する話であると判断出来る。
また、アイゼンは主に凍結面上での転倒防止のために使用される道具なので、
これは雪山が舞台であると考えても支障ない。
これは雪山が舞台であると考えても支障ない。
雪山であるにも関わらず語り手(男)や周囲の人々が暑いと感じているのは、
「矛盾脱衣」という現象によるものである。
本文後半で語り手(男)は力尽きて地面に倒れ、
頰を温かい涙と冷たい雪が伝うのを感じながら意識が徐々に闇に飲まれていく。
この後の彼の安否を判断する術は本文中にはない。
しかし、生命的に極めて危険な状況下に置かれているということは疑う余地のない事実である。