知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

裁判傍聴 6回目です。

2016年06月15日 | Weblog
今日は、久々に例の友人の裁判の公判があり、傍聴に行ってきました。
(※詳しくは、昨年9月前後の記事を参考にして下さい。)

朝10時開廷ということで、早めに家を出発。10分前に到着、すでに傍聴席は解放されていました。
今回で、すでに6回目の公判になりますが、徐々に被告側(友人)に有利な証言や証拠も出てきています。それでも、まだまだ先行きは不透明ですね。

今日の証人として、(被告人の)同じ職場の職員が立ちました。
友人が言うには、この方は(職員の中では)一番信頼出来る方だそうなので、少し期待が持てます。

いつも通り、検察側・弁護側で順に証人喚問がありました。

実際の事件から、すでに1年2か月が経過しています。裁判の進捗状況も心配ですが、それ以上にあまり長くなると、真実が風化してしまったり、また証言内容や、過去の記録だけが独り歩きしそうで、怖いですね。
今回、よい傾向だと思ったのが、裁判長がこういう業界(障害者)について、少し興味を持ってこられたのを感じたことです。(質問内容等からです)。

特に、今日の証言等から出てきた、当該児童について、過去の(いわゆる、こちらの施設に入所に至る前の)記録や、自分自身の行動を正当化するために「嘘」を付くことがある・・・といった(裁判としては)新たな事実が明らかになってきたことです。
また事件当日の、本人の様子、あるいは以前の職員の証言との食い違いが現れてきたこと・・・等、当初の検察側のストーリーが崩れてきたことです。

ひとつ心配なのが、こちら側の弁護士さんが、もう少しこの業界のことを理解していただければ、より裁判も良い方向に進むと思うのですが・・・この部分がちょっと残念なんですが・・・。
まあ、当初の最悪な展開はやや回避出来たようなので、今後に期待大です。



友人は、「この裁判がどういう結果になろうと、もうこの業界には残りたくない・・・」と言っています。
私自身もそうですが、この業界の組織が信用出来なくなっていることがあります。


マスコミは以前からですが、今関係している法律関係や現場で対応してもらえる警察関係、またそれに伴う一般社会が、全くこの業界(知的障害者関係)を理解しようとしていないことが、問題だと思います。
裁判官はもちろんのこと、弁護士や検察官等、現場の状況を理解していないと、正しい判断は下せないと思います。

特に、こういう事象は、マスコミ等の記事や報告は、管理側(法人なら管理者・理事等)の都合のいい情報を流すだけになっており、本当の事実や責任所在があやふやになりがちだということです。
最近よくニュースにあがる、老人施設等での虐待事件も、”当事者が悪い”・・・というものだけで、(もちろん虐待や暴力はダメですが)その背景や事件に至った経過、その対応、また当事者や被害者のことは、全く上がりません。事件の事象だけが、独り歩きしています。

そりゃあ、記事を読んだ一般の方ならば、「なんてひどいことを・・・」「悪い奴にはバツを・・・」となりますね。

私の友人の事件でも、他の施設職員(知り合い)にこの件で知っていることを尋ねると、まさしく報道通りの悪い奴的な印象しかなく、私がしっかり事件の真相を説明する・・・という繰り返しです。
世間の事件でも、おそらくこういったことが多いと思います。

マスコミ・報道側は、その当事者(原告も被告も)がどうなろうと関係ない・・・感覚の、いわば無責任な行動ですね。
つまり無実の人でも、極悪人に仕立て上げられるわけです。

政治関係でもそうですが、報道というのは、基本中立であると考えます。
つまり、両方の考え方・立場を報道する必要はあると思います。(政治系の新聞は諦めますが・・・)



今後も老人施設や障害者施設等、様々なところで、同じような事件は起こる可能性があると思います。一方的な報道を簡単に信用せず、現場の声や、関係者の証言等、いろんな方向からの話を聞き、成り行きに関心を持っていただければ嬉しいですね。



今回のこの裁判で、事実が明らかになり、無実が証明されれば、今後のこういう業界関係の裁判の方向性が変わる可能性があることも考えられます。つまり、よりその背景や、単なる管理者側の報告を、見直すきっかけになればいいと思います。

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