あやめの里便り

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「ひたちのさくら物語 –桜並木のある街で- 」

2016-03-30 00:24:35 | 舞台・映画(観るのも演るのも)

「桜は人がいなければ生きていけない。

       人は桜がなければ生きていけない。」

煙害により荒廃してしまった山々の斜面へ、空襲や焼夷弾・艦砲射撃で焼かれてしまった市街地へ、ひたちの人々は大島桜の苗を植え続けました。

日立駅から国道6号まで続く通りは「平和通り」と名付けられ、桜が植えられ、犠牲になったたくさんの人々の命を伝えています。

桜の翁は、桜太と名付けられた少年に明治末期から続く遠い道程を伝えます。辛い歴史でしたね・・。少年は余命を告げられている母親に重ね、「もう誰も死んじゃ嫌だ」と泣きじゃくります。

桜の翁にも辛い記憶があります。自分は戦災を免れたが仲間は皆焼けてしまった。それは、自分が臆病者で人間を守る事が出来なかったからだ・・。

全てを伝え尽くし桜の翁は寿命を迎えます。確かに死なないモノはないのだけど・・辛ささえ全うして「生」を生き「死」を迎える姿に涙が止まりませんでした。

辛い歴史の中にも人々の営みがあり、美しいシーンや笑いの起きるシーン、歌やダンス等盛り沢山で2時間半という長丁場が苦になりませんでした。  

様々な劇団や高校演劇部が結集した素晴らしい大作でした! お疲れ様でした!!

   

 

まもなくひたちでも「さくらまつり」が始まります。

桜並木の美しさに、まつりの華やかさに、戦災や震災を越えて生き生きと息づくひたちの人々の魂を見る想いがします。

 

 


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