遅くなりましたが、7日「法王庁の避妊法」の感想です。
まず、場所は「行方市文化会館」元北浦町、もとい北浦村の・・と言うと小さな会館のようですが、これがなかなかの物。(北浦は文化意識が高い地域と評判です)
さて、舞台上では緞帳を上げた状態。医院の診察室のようです。
先生の机の上のレトロな電気スタンドだけがオレンジ色の光を放っています。
そこへ先生が登場。なにやら調べ物をしているようで、しばらくすると照明が明るくなり朝になったようです。
そこへ別の先生が登場。
「おはようございます」「ああ、もう今日は良いよ」・・・
こんなちぐはぐな会話で舞台は始まります。
今よりも無知で純粋で、恥らう事を知っている大正時代のお話です。
「先生とはいえ男の人に話す事は出来ません!」と患者さんに言われたりして。
それでも日が経つにつれ、何でも相談されるようになるのですが・・。
子どもが欲しいという女性、もうこれ以上はという女性に対して何もしてあげられないと、「女性の排卵はいつ起こるのか」という謎に取り組む荻野医師。
本当に一生懸命で純粋で、「がんばれぇ!きばれぇ!」と思わず応援したくなります。
荻野医師の奥様もその研究に協力することになるのですが、現代女性ならともかく、「月のもの」や「夫婦生活」を記録するというのはキツカッタだろうなぁ・・と思いますよ、本当に。
それだけに、最後のシーンは心に沁みます。
女性たちのセリフは現代に生きる女性である私でも、身につまされる事ばかり。
「そうだよね」と思う度、ハンカチのお世話になりました。
堕胎に関しても賛成派と反対派の人物があったりして、それぞれの信念や経験がセリフで語られ、観ているこちらも考えさせられました。
それに妊娠や出産は、女性の命を賭けた大変な事だったのだという事も、改めて思わされました。
なんたることか。
自分自身の妊娠・出産は当たり前のように安全で何事もなく、不覚にもそんな大事な事を忘れていたのです。
現在でも「たらい回し」がニュースになるくらい、妊婦さんたちにとっては受難な日々が続いているのに・・。
3時間という長帳場でしたが、みんな満足して帰路に着いたのではないかしら。
観客席では、初めは「うふふ」だったのが最後はおばちゃん(おばあちゃん?)たちの元気な笑い声に包まれ、終わった時には大拍手でした。
娘も連れて行ったのですが、良い舞台で本当に良かった。
大道具も作りこまれ、小物も時代にあったもので、観ていて安心感がありました。
高校生たちにはこんな舞台をお手本にして、グレードアップして行って欲しいです。
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