何故よく解らないか?
まずカメラ(?)が小さな「ポニョ」と「ソウスケ」ばかり追っている感じなので、近景過ぎる。
思わずどかしてしまいたくなる程に、背景が解らない。
もーっと引いて見ると、どんな事が見えてくるのだろうと想像してみた。
「海辺の町に海が押し寄せる。
ボートを出せるほど水が落ち着いて来る。
そして水面は、まだ崖の上の家の窓ぎりぎり・・。
つまり、海辺の町なのに水没している・・。」
日本・・いや地球全体では、その時いったいどういう状況に陥っているんでしょうか?
(まるで「滅・・」)
実は「ポニョ」を見た後、思い返してはいろいろ考えていました。
単純に
宮崎駿さんはもしや「海無し県」の人なんじゃないか?とか。←失礼
だから、こんなに「水」がファンタジーになっているんじゃ????
これはウィキペディア参照で見てみました。
東京都出身の方だったんですね。
なるほど。
私の親ほどの年齢(もっと若いか)だから、現在よりももっともっと綺麗な東京も知っているし、どんどん汚れて変って行くのを見て来た。
ドブ川のようになってしまった都会の川も、その昔は子供達の遊び場だったはず。
「なって欲しくない世界てどんなですか」
「もうすでになってます」
どういう流れでこの会話が成されたのかは解りません。
でも、私達が何も感じていない事からでもいろいろと感じ考え、そして出た言葉だったはず・・なにしろ「宮崎駿」ですから。
そして水没するシーン。
「濁流の濁った水」でなく「透明な水」を描きたい、と言った宮崎氏(パンフレットにて)
・・とするならば、この映画の「透明な水」は全て、実際には「濁った(汚れた)水」なのでは。
(ならばゴミだらけの港も納得が行く)
古代生物は、人間がいなかった世界の「綺麗な海」の象徴なのかも。
とすると。
「ポニョ」と「ソウスケ」は?
求める事とその情熱。
愛する事とその勇気。
この辺りの象徴でしょうか。
それがこの「こうなっては欲しくなかった現在の世界」を唯一変えるという事・・?
この映画、観客の評価はほとんど二つに分かれています。
カワイイ。キレイ。10点満点。
こちらはきっと「ポニョ」と「ソウスケ」に「力」をもらっているのでしょう。
証拠に(という程ではないですが)子供達がパワーアップしているような気がする。
お店の中で例の歌が流れると、一緒に元気よく歌い踊り出します。
しかもその元気が持続しているような・・。
よく泣き、よく笑い、ちょっとは暴れます。
そして、大人は前よりもそれを許せるようになったんじゃないかな。
「まぁvポニョみたいに元気だことv」
コワイ。理解不能。6点以下。
「負」のイメージを受け取って本能的に不安。
はっきり解る様に物語が描かれていないので、頭でも理解不能で不快。
期待して見ていたのに面白くなかった、という不満。
(こんな感じですかね?)
私はこっち派でした。
今では整理がついて結構すっきりしています。
そしてその分、この映画の深さにも気付きました。
「ナウシカ」では不毛の未来を。
「ポンポコ」では人間本位な自然破壊という過去(今もだ)を。
「ポニョ」ではもう何がおこっても仕方がないまでになってしまった現在を。
でも、子供のような損得のない心が世界を救うのかもしれない?
(ただし「まだ時間がある」とは言ってはくれない)
私達にも、まだ出来る事があるんだろうか・・。
「感じなさい。考えなさい。」
・・・というのがメッセージ、で合ってるでしょうか・・監督?
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