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映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

グエムル 漢江の怪物

2007-05-16 01:17:14 | ビデオ・DVD・テレビ放映での鑑賞
【個人的評価 ■■■■■□】(6段階評価 ■□□□□□:最悪、■■■■■■:最高)
【去年見逃してしまったので今更ながらDVDで観賞しましたシリーズ 第二弾】
韓国ではTOP3の監督、世界でもTOP10に入るだろう監督ポン・ジュノの新作・・・なのに劇場でみそこねたモンスター映画をやっとこさDVDで観賞(ちなみに韓国の他の二人はキム・ギドクとイ・チャンドンね)

巨大怪物が現れればすぐ自衛隊が出動しミサイルやら光線系兵器やら撃ちまくる怪物映画を見慣れている僕には、「グエムル」における軍隊のやる気の無さが少し気になる。
病原菌を持ってる恐れがあるからうかつに近づけない、とか、アメリカの圧力があるとか、その辺の設定があるからなんだろうけど、軍隊が本気になれば簡単に倒せそうな相手なのになあ・・・
でもま、そのお陰で娘を怪物に奪われた家族たちの執念のドラマができあがっている。
日本のモンスター映画はストーリーより人間たちのキャラクターより、モンスターの設定やモンスターを倒す作戦を重視するのがほとんどだが、ドラマとサスペンスこそが映画だ!!と判っているポン・ジュノは、グエムルの生物としての説明などほとんどかっ飛ばして、家族の執念と復讐のドラマに焦点を絞る。
怪物との戦いの見せ方もうまい。特にじいさんがくたばるところは、サスペンスフルにしてじいさんの漢気も溢れかえって熱くなる。
クライマックスの血だらけ満身創痍のグエムルVS兄弟の流血戦も手に汗握る。
ああ面白かったと満足の一品。

さて私の一押し女優ペ・ドゥナちゃん。美人でも可愛いでもないけど、カメラに愛されているとしか言いようの無い、きょとんとした存在感。天然ボケ系キャラでありながら気がつくと映画をぐいぐい引っぱっていく不思議な存在。
今作でも得意のアーチェリーをなかなか撃たせてもらえないところが緊迫した展開の中にふりまかれる微妙な愛嬌となってシリアス一辺倒となるストーリーを救っている。そうかと思えばクライマックスは定番すぎるほど定番でありながらも、かっこよくキメる。必殺のペ・ドゥナ・ファイヤーアローがグエムルを貫き、命中を確信したペ・ドゥナはスローモーで悠然とグエムルに背を向けて立ち去る。かっこよすぎて笑っちゃう。
ペ・ドゥナちゃんが魅力的な映画は他に「吠える犬は噛まない」(ポン・ジュノ監督 傑作)、「リンダリンダリンダ」(山下敦弘監督 2005年の私の日本映画ベストワン)

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2 コメント

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はぐらかし (マダム・クニコ)
2007-06-02 12:19:01
>軍隊のやる気の無さ・・・

これこそはぐらかしですね。
こういうところが気に入っています。
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コメントどうもです (しん)
2007-06-07 00:21:12
>マダム・クニコさま
それから家族集合の大号泣シーンもなんか笑えたり、そもそも怪物誕生の設定が超テキトーなところとか、怪獣映画から距離おいてるところがいいです
返信する

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