blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

そのままでも

2009-02-16 21:08:10 | 日記
今の会社での最終週?に入り、今日は各方面へのあいさつ回りを考えた。
まずは距離のあるところからと思って旅館近くの観光協会を訪ねたが、事務局長さんは不在であった。
仕方がないので隣接のレストランで軽く食事をとり、旅館の現場に顔を出すことにした。

当初、本当に顔出し程度で現場の人たちに会えたらとだけ思って行ったが、支配人Kのオヤジさんから、消防署が見回りに来るから一緒に立ち会ってほしいと頼まれた。
なぜオヤジさんがメンバーにいるかといえば、施設には「防火管理者」というものが必要で、資格を持っていたオヤジさんをKが呼び寄せたのである。
名前だけ、というのは消防が許さなかったので、当社の社員となり毎日市内から通っておられる。

本欄ではKの傍若無人ぶりを多々書いてきたが、オヤジさんのほうは片時もじっとしていられないタイプでとにかく忙しく動く方だ。
防火管理者という立場もあるが、現場の機器類に関してはすでにいちばん詳しくなっていて、消防署の職員の細かい質問にも的確に答えておられた。

オヤジさんと私は妙に気が合い、今日もお互い格好をつけないところでの話ができた。
聞きもしないこと、また格好の悪い話まであけすけに話してくれた。
いい意味でまっすぐな方なので、話していても気持ちがいい。
現場のことを真剣に心配している様子も見えたし、反面時々軽口を言って皆を笑わせる場面もあった。

こんなオヤジさんの息子であるKが、なぜ目を覆いたくなるような大口たたきの見栄っ張りに育ったのか分からない。
学者でもない私が言うのも何だが、親御さんが「素晴らし過ぎる」パターンとしか考えられない。
素晴らし過ぎる親の子供は、あまりほめられない傾向がある。
いくらがんばってもほめられない子供は、何とかしてほめられたくて必要のない「背伸び」をするようになる。

実際より大きな自分でないとほめられないのだから、子供としてはつらい。
嘘八百や大風呂敷をやらないと生きてこれなかったというのはかわいそうな人生である。
すぐにバレるようなウソでも平気で口にしてしまうKの姿を見ていると、今現在もずいぶん無理をして生きているなと思う。
無理をするのが当たり前になってしまっている人間は、見ているほうもつらい。

私自身も若い頃は自分を大きく見せたかった。
そのせいでずいぶん周りに迷惑もかけ、どんな環境にあっても最終的には嫌われ者で終わったが、その理由が長い間分からなかった。
「そのままでもいいんだ、そのままでも愛されるんだ」という感覚になれたのは、30代に入ってずいぶん経ってからである。

Kはまだ30歳ちょうどだが、人生のどこかで気づくことはできるのか。
自分を大きく見せなくても愛されるという感覚をつかめるか。
ここ数年が彼にとっては大事になる。
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