私が前職を離れてから早いものでひと月が過ぎた。
離れた直後は心身のダメージも大きく一時は食欲も落ちるありさまで、何かをやる気も起きずただただ時間を浪費するばかりであった。
何かをしようにも体がついてこないことにはどうしようもない。
それまでこなしていた仕事がある日突然なくなって、張り詰めていたものがあまりにも急に切れてしまった反動はそれほどまでに大きかった。
有給休暇がけっこうな日数残っていたので退職日は11月30日とキリよいところとし、手続きは月が明けてすぐに終わらせてきた。
当事者からすれば不本意そのものと言っていい出来事を受け入れた末の手続きの最中、実質の経営者からかけられた言葉は「精神的にやられたか?」というものだった。
突然仕事を奪われ職場を追い出された人間が精神的に痛手を負っていないはずなどなく、むしろ言葉など何もない方が良かったと思える。
従業員はあくまでも使えるうちは使い倒し、使えなくなればポイ捨てという体質の企業から抜け出せたことでヨシとするしかない。
アカの他人となった今、売上の大黒柱を失った企業がこの先どこまで粘れるか、生ぬるい視線を送るよりない。
月が明けてからはようやく疲れも取れてきて、ただただ寝てばかりの毎日からは脱しつつある。
今週に入ってからは何がしか用事があって必ず外に出る機会もあり、ある程度の時間は外で過ごしても大丈夫になってきた。
まだ全てではないにしろ、今のところはやるべき手続きにやり残しはない。
一日一日、しっかり食べてしっかり休息し少しは外にも出る。
今後のことはもちろん気にはなるが、まずはひとりの元気な人間に戻ることを優先したい。
時間はけっこう食ったがずいぶんいいところまで戻ってこれたので、日々少しずつでも万全に近づけるように過ごしていきたい。