blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

一番を目指す限り…。

2012-11-20 21:35:04 | 日記
私が地元である魚津市内で唯一世話になっているスナックでの話を書く。
店は旧市街に位置するためか建物も古く決してシャレた感じもなく、しかしママさんの気さくな人柄もあってか、常連客、特におじいちゃん世代と言っていい人たちが多い。
カラオケも、多少、いやかなりリズムがズレている人もしょっちゅうである。
バックに合っていない歌は聴いているほうはツラいものだが、それも含めて至ってノンビリした空気が流れていて、これはこれで楽しいものだ。

さて、ある日たまたまとなりに座ったご老人が言ったことには思わずうならされた。
曰く「人間に一番になろうという欲がある限りはこの世から争いはなくならない」と。
ここのところの大国と呼ばれる国々の様々な動きが念頭にあってのことだろう。
分かりやすいところでは、唯一の超大国の地位は守りたい米国に対して、周辺国との軋轢を生みながらも拡大路線を取り続ける中国がそうだ。
一番でいたい国と一番になりたい国が、腹の底から「仲良し」でいられるわけはない。
20世紀型の大っぴらな武力衝突は、お互いに「使えば終わり」である核兵器の持ち合いによって起こらないだろうが、机の下で足を蹴り合うような小さな争いは今後も続いていくと思われる。

反面で、現政権の事業仕分けですっかり有名になり批判も多かった「二番じゃダメなんですか?」という民主党議員の発言もあった。
その時は科学技術分野の予算に関することだったと思うが、確かにこういった分野は最初から一番を放棄するようなことでは意味がない。
各国が、また同じ国内でも、少しでも他より優れたものを生み出そうという努力が競争を生み、多くの発明や革新に貢献してきたことは厳然たる事実である。

一番になりたいという欲望が人間から消えないのならこの世から争いのタネは消えないことになるが、その欲がまったく人間から失われれば世の中全体の活力は保てないことになるかもしれない。
では、どういうふうに一番を目指すのがいいのかと言えば、「正々堂々」というのがキーワードにはなるだろう。
他からいたずらに奪ったり引きずり下ろしたりして獲得する一番ではなく、他との比較でモノを考えずただただ自らの努力を積み重ねることによって勝ち得る一番というのがいいのだろう。

最近の米国に関するニュースで「財政の崖」という言葉を聞いた。
わが倉庫は言わば「わが社の崖」とも言えるのだが、そのせいかどうか自分の生き残りばかりで汲々としている人間が多いように思える。
脱落したくなければ正当に努力して正当に評価を上げればいいことなのだが、他人を腐したりヘタなパフォーマンスに流れたりといった薄っぺらい行動が目立つ。
もういい大人なのだから、それこそ正々堂々と、筋を通す時は通す、引く時は引くをしっかりと使い分けられる人間でありたい。
一番に近づくには、いわゆる「王道」を行くよりほかないのである。
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