犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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百転び

2018年06月01日 | 毎月馬鹿
少々急いでいた。
母85歳PDがデイサービスでいない間に、掃除、洗濯、片付けをして、
ペンキ塗りや雨樋の掃除をして、料理をして、あれしてこれして。

それに今日は、友人silkちゃんの誘いで、午後はボイストレーニング教室に行く。
でもその前に料理をしておきたい。
ああでも材料が足りない。

最寄りのスーパーはほんの300メートルくらいの所に在る。
20年くらい前に買った、マウンテンバイクで行けばあっという間だ。

昼どきの地元スーパーは空いていた。
午前と夕方の間の、お客さんの少ない時間帯だろうか。
たしかに自分も滅多にこの時間には来ない。

ありがたい。素早く用事を済ませよう。
と思ったが、なんだか肉が安い。
「今日は肉の日!」なんて盛り上がっている。

「ああそうか」と声に出てしまう中年。
今日は29日なのだな。
月に一度の肉の特売に設定するには良い日付だ。

でも楽しく特売肉を選んでいる時間は無い。
とっとと目的の物を見付け、カゴに入れてレジで会計を済ませて
持参の買い物袋に入れて外に出る。

マウンテンバイクの横に張り出した形のハンドルの左手側に、
ポリ袋を引っ掛ける。
左足をペダルに乗せて、右足で地面を2,3回蹴って、
その右脚を大きく後ろから上げて自転車にまたがる。

とした途端、前輪がロックして自転車が急停止し、
右に倒れた。
スーパーの目の前の駐車場の通路で、私は派手に転倒した。

自転車で転んだ時、自転車の上に身体がかぶさるようになると、なかなか厄介だ。
自転車の車体をよけて手をつかなければならないし、
そのためには身体が伸びてうまく支えられないし、
出っ張っているペダルで身体のどこかをケガしたりしやすい。

だから、自転車は右に倒れていくのに、私は自分の身体は左に転がり出るようにした。
咄嗟のことにしては、うまくいった。
上手に尻から着地し、勢いに逆らわずゴロンと転がり、
なおかつ顎を胸に引き付けるようにして後頭部を地面に打ちつけないようにした。
受け身の要領だろうか。

確かに咄嗟のことにしては上手に転んだ。
しかし、気恥ずかしいことには変わり無い。
幸い周囲にちょうど人はいない。しかし駐車場のこと。
どこの車に実は人が乗っていて、見ているかもしれない。
早くこの場を立ち去りたい。

立ち上がり、自転車を起こした。
何が起きたのか。
ハンドル左手に掛けたポリ袋が、走り出しの時に揺れて、
前輪のスポークの間に挟まってしまったのだ。

1リットルのペットボトル入りの出汁つゆを買った。
あれが重くて揺れて挟まったのだろう。
気を取り直して、早く行こう。
ポリ袋を掛け直して、自転車のハンドルを握る。

また同じ所に袋を掛けたらまた同じことになったりして。
でも揺れないように気を付けたら大丈夫だよね。
あっ、でもまっすぐ行くと駐車車両が正面に有るから、
ちょっと右へ
ガツ!

また挟まった。
はやく立ち去りたいがため、勢いも良かったのだろうか、
前輪がロックして自転車は前にのめり、私の身体は自転車の前方に投げ出された。
気が小さくて急ブレーキもかけたことが無かったので、こんなのは生まれて初めてだ。

そうは言っても乗り始めでスピードが出ている状態だったわけでもないので、
遠くまですっ飛んだわけでもない。
地面にうまく手を着いた。右膝が車体のどこかにぶつかったようだ。
たぶん服の中で少し肌が擦り剥けている程度だろう。

もし見ている人がいたなら、滑稽でしょうがないだろうな、と思った。
ほんの数メートルの間で、同じやり方で続けて転んでいる。
やれやれ。
二度あることは三度あると言うが、今度は気を付けよう。

その時の私は、今度は気を付けるから大丈夫、と思ったのだろうか。
またハンドル左手にポリ袋を引っ掛けて、左足をペダルに乗せて、右足で地面を2,3回蹴って、
自転車にまたがろうとした
その途端、また挟まった。

今度は転ばなかった。
自転車は右に傾いていったが、その間、上体をしっかり起こし、
大きく右脚を遠くに伸ばした。
倒れた自転車の上に大きく脚を広げてまたいだ形になった。
その姿たるや、シャン・ド・マルス公園にそびえ立つエッフェル塔の如し。

遂に慣れた、転ばなくなったぞもう怖くない。
その時の私は、そう思ったのだろうか、またハンドル左手にポり袋を引っ掛け《以下略》

そしてまた挟まった。
すでにポリ袋の底はボロボロになっている。
中のペットボトルが凹んでいるらしいのもなんとなく透けて見える。
今度も自分は転ばなかった。二度目だから気分は東京タワーくらいな感じ。

転ばないんだし、早く帰りたいので、自転車のハンドル左手にポリ袋を《以下略》
挟まった。立った。
自転車を一度も漕いでいないのだが、またがるために2,3回蹴るということを繰り返しているので、
今はもう駐車場の出口まで来ている。
ここからはしばし歩道を行く。
自転車のハンドル左手にポ《以下略》
自転車のハンドル左手にポ《以下略》
自転車のハンドル左手にポ《以下略》
うあっ、
何回目かに、ひさしぶりに転んだ。
勢いが少し違ったのだろう、自転車の車体前方に身体が投げ出されて、
これは上体を起こすこともできなかった。
しかし、顔から突っ込まないようにうまく横に体をかわして受け身を取った。

自転車のハンドル左手にポ《以下略》受け身。
自転車のハンドル左手にポ《以下略》受け身。
自転車のハンドル左手にポ《以下略》受け身。

気付けば、自宅前に辿り着いていた。
予定の時刻を過ぎている。
買い物をしてきたものの、料理はあきらめてボイストレーニング教室に向かって出発した。
今度はポリ袋無しなので、自転車も快調である。

卵買ってなくて良かった。

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