犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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サンスクリット講読

2021年07月31日 | 梵語入門
[あらまし] 5年くらい前から、サンスクリットを独習し始めた。
いや独習はかなり困難な道だと分かって、探し回ったら
東京大学仏教青年会の色々な講座の中に、サンスクリット初級が有った。
そして昨年からは中級が開講、しかもオンラインなので
自宅にいながらにして優れた先生の講義が聴ける。いい時代だ。


以前、初級の他には上級の講座しか無かった。
初級が終わる頃に、上級の講座を試しに一日だけ見学してみた。
壁はみっちり書架、机の両側に椅子が並び、10人あまりの受講生が着席できる。
奥に先生が座っている。
ちょいとムカシの大学の研究室みたいな雰囲気だ。

希望者が輪読してゆく。
文法事項は分かっていて、内容の思想的な背景の基礎知識もずいぶん有る。
そういう人たちがどんどん進めている感じだ。

おう。
無理。

仕方なく、なんとか自力で学習を進めるべく、参考書をあれこれ買い求めた。
原文が見やすいデーヴァナーガリー文字とローマナイズで掲載されていて、
一語一語の文法解析が載っていて、訳文が有って、構文の解説なんぞも有る
というのが理想的なテキストだ。
岩本裕『サンスクリット読本』
菅沼晃『サンスクリット講読』
辻直四郎『サンスクリット読本』
など買い漁って、読みやすいところから読んでいった。

岩本読本は、表紙の著者名が「岩本祐」と誤植されていてカナシイ。
奥付は「裕」なので、表紙はほんとにただの間違いなのだろう。

辻読本は「本文」と「翻訳・注記」と「語彙」の三分冊になっていて
箱に入っている。
表紙が三色それぞれになっていて、なんだかとてもステキである。
手に入れて良かった、と思った。



こういったテキストを使って独習していたが、
限界を感じていた。

と思っていたら、中級講座が開設された。
渡りに舟とはこのことだ。

中級というのはどのくらいのことを言うのか。
定義はきっと難しい。
「初級文法を終えた」人が対象というようなことが案内に書いてある。
ま、そりゃそうよね。

文法書を一通り終えても、それで文法は終わらない。
一つ一つのことを詳しく見ていけば、きりが無い。
そして、今の文法書は、英独の研究が有ってのサンスクリット文法であるが、
インドにはインド独自の文法が在る。
というより、言語の文法研究ということそのものの元祖が
サンスクリット文法学だという。
嗚呼。なんたってインド。

そんな、憧れのインド文法学もいづれは学びたいなんて野望も
持ちながら、悶々と一人で読本を読んでいた。



「ヒトーパデーシャ」という物語集が在る。
王様の息子たちに世の知恵を授けるために、
徳の有る学者が、動物たちが主人公のたとえ話をして聞かせるのだ。
アホアホ王子にもちゃんと聞いてもらえるように、
興味を引くような物語になっているから、
日本のアホアホ独習者もなんとか読み進めることができる。
少しづつ。



中級講座でも、文法や韻律の解説に加えて、
この「ヒトーパデーシャ」を読み進めている。

つづく
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