犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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岡崎のヘテロ

2014年03月17日 | 椰子の実の中
[あらすじ] 他者との接触が文化を成長させる。


他者との関わりの中で、一番濃密なものが、恋愛ではないだろうか。

岡崎京子のマンガに、『ヘテロセクシュアル』という作品がある。
「ヘテロ」とは「異なる」という意味で、「同じ」という意味の「ホモ」の対義語だ。
「ホモセクシュアル」は同性愛だから、「ヘテロセクシュアル」は異性愛。
異性愛がそもそもなので、わざわざ言う必要があまり無いので
耳慣れない言葉だろう。

ただ、岡崎はここで異性愛という意味でこの語を使っているわけではない。
人は一人ひとり違って、他者というのは未知のものだから、
恋愛というのはいつだって自分と異なるものと深く関わっているのだ、というような
ことを言いたいようだ。

岡崎のマンガの中で、恋人たちは惹かれ合い、抱き合い、ぶつかり合う。
ヘテロだからこそ惹かれ合い抱き合いぶつかり合うのだ。
もちろん岡崎のことだから、これはホモセクシュアルを否定して使っているわけではない。
個々の人と人がヘテロであることを言っているのであって、
性のヘテロを言っているのではないことを強調しておく。
恋愛する人に向けて、わたしたちはひとりひとりなんて違うんだろうね、と
面白がりながら戸惑いも含めて、他者との関わりの重要さを描いているように思う。

あら、どうかしら、読みたくなったかしら?

岡崎京子は、自動車事故で作家活動ができなくなって久しい。
このことを思うたびに、私は胸がつぶれそうになるよ。



昨日の話にちらりと戻るが、
私自身は、いろんな人と関わったり、幾人かの人と深く関わったりしてきた中で、
食べ物の好き嫌いが減った。
何をどう食べるか、というのは文化の最たるもの。

好き嫌いは目に見えるので意識しやすいけれども、
好き嫌いと同じかそれ以上に、ものの考え方や言葉遣いや暮らし方などなど、
私個人の文化の中に、いままで付き合ってきた人との関わりの中で得たものが
残っているのだろう。

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